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代々木上原駅を降りて歩くと、街の静かな温度に溶け込むように佇む名店『笹吟』。1996年の創業以来、29年間愛され続けてきたこの店が、2025年7月7日、二代目店主の田中颯（たなか はやて）さんの就任とともに新たな物語を紡ぎ始めました。
肩ひじ張らずに和食と日本酒を心ゆくまで楽しめる『笹吟』の魅力は、これからさらに深みを増していきます。
酒を「吟ずる」想いが宿る場所
店名の『笹吟』は、かつて宮中で使われていた女房詞に由来し、「笹」は酒を、「吟」は吟味する・吟ずるを意味します。「酒を心から楽しみ、吟味し、寄り添う店でありたい」という初代店主・成田満氏の想いが込められています。
「旬のお惣菜と日本酒をもっと身近に」をコンセプトに掲げる『笹吟』は、和食割烹ほど格式張らず、それでいて一皿ずつに丁寧な仕事が詰まっています。
2021年には「ミシュランガイド東京」のビブグルマンに選出されるなど、料理の完成度の高さが広く認められてきました。
二代目店主・田中颯が受け継ぐ“進化する伝統”
2024年、初代店主・成田氏が「これからの『笹吟』を若い感性に託す」と決意し、田中さんが二代目店主（候補）として店に加わりました。
埼玉県出身の田中さんは、大学卒業後に酒販店「はせがわ酒店」や「未来日本酒店」、さらには新潟県の酒蔵「妙高酒造」で日本酒の販売と提案を経験。2023年には「浅野日本酒店」でペアリング提案を磨き、2025年2月から『笹吟』で初代店主の背中を見ながら研鑽を積んできました。
「和食と日本酒の懐の深さをもっと自由に、もっと楽しく伝えていきたい」
そんな言葉の通り、田中さんはこれまでの伝統を大切にしながら、新しい感性を吹き込みます。
常時20種以上の和え物が誘う“旬”の冒険
『笹吟』の名物といえば、何といっても常時20種類ほど揃う「和え物」。
「鴨といちじくのブルーチーズ和え」は、鴨肉の旨みといちじくの優しい甘さ、そこにブルーチーズの深いコクが重なり合い、口の中で何層もの風味が広がります。
「びわとスナップエンドウの白和え」は、初夏ならではの爽やかな甘さとシャキッとした食感が魅力。優しい白和えが全体を包み込み、ふわりとした後味を演出します。
ほかにも、オクラや茗荷を添えた「鴨と久世茄子の冷製」など、どの一皿も季節感に溢れ、訪れるたびに新しい発見があります。
名物の「めばるの煮付」と「自家製すっぽん雑炊」
「めばるの煮付」は、注文を受けてからじっくり煮上げる『笹吟』を象徴する一皿です。脂がのっためばるの身はふっくらとし、椎茸やごぼうなどの付け合わせにも煮汁の旨味がしっかり染み込んでいます。箸を入れるたびに香りと滋味があふれ、思わずお酒が進む「魔法の一皿」ともいえる逸品です。
「自家製すっぽん雑炊」は、活すっぽんを丁寧に煮出して作った極上のだしが決め手。深いコクとまろやかさがあり、口に含むと体の隅々まで染み渡るような滋養を感じさせます。ほっとするような温かさと、体に沁み入る豊かな旨味で、食事の〆にぜひ味わいたい名物です。
全国から集う珠玉の日本酒
『笹吟』には、全国各地の蔵元から選りすぐった60種類以上の日本酒が揃います。
知名度の高い銘酒はもちろん、流通が限られた希少酒まで、幅広いラインアップが揃っているのが魅力です。
田中さんが一人ひとりの好みや食事の進行に合わせて提案してくれる日本酒は、まさに“味の旅”。料理の余韻とともに、香りや酸味、甘みの変化を楽しむことができます。
笹吟で“季節と日本酒”を愉しむという贅沢
29年間続いた歴史を受け継ぎ、二代目店主・田中さんとともに新たな時代へ進む『笹吟』。
「和食と日本酒を通して、季節を味わう歓びを届けたい」
そんな田中さんの想いは、料理一皿一皿に表現されています。
どの一品も旬の素材と手間を惜しまない丁寧な仕込みが詰まっており、日本酒の提案と共鳴しあう体験は、この店ならではの特別な時間を生み出します。
代々木上原という落ち着いた街の中で、ふと足を止め、自分だけの一杯と出会う。そんな贅沢な時間を、あなたも体験してみてはいかがでしょうか。
店舗情報
店名：笹吟
住所：東京都渋谷区上原1-32-15 第二小林ビル1階
電話：03-5454-3715
営業時間：17:00 – 23:00（フードL.O. 21:45、ドリンクL.O. 22:30）※焼き物・煮物・土曜限定メニューはL.O. 21:00
定休日：日曜・祝日
席数：37席（カウンター10席含む）
Googleマップ：https://share.google/unKJkrJy3MJBmdjFt
食べログ：https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131811/13004599/
Instagram：sasagin_yoyogiuehara
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