2021年10月で緊急事態宣言が解除され、巻き返しを狙っていた飲食店も多いと思いますが12月の集客人数が伸び悩んでいるお店も多いようです。
約2年間のウィズコロナでお客様のマインドが「飲みに行かなくてもいいや」「外食よりステイホーム」と言った具合に変化してきているように感じます。
東京商工リサーチによると今年1月~11月の時点での飲食倒産件数は過去2番目の水準に達しています。
そんな厳しい状況の中でも貸切・個室といったキーワード検索は伸びている事から、忘年会・新年会や春の歓送迎会までを見据えて今から準備を進めて頂きたく思います。
実際に貸切営業を始めようとした時、集客はsns?グルメサイト?等の疑問があると思われます、そこで今回は貸切予約を取れるコツをまとめましたので参考にして頂けたら幸いです。
ウィズコロナ、2022年の外食動向予想
この二年間飲食店を取り巻く環境は大きく変わりました。正解のない時代と言われ今までの経営ノウハウを大きく見直す機会になりました。
このような状況があとどれくらい続くのでしょうか…そこで2022年の飲食業界の動向を大手リサーチ会社の記事を基に考えてみたいと思います。
コロナで外食産業の何が変わった?
ある調査会社のレポートを見ると2021年8月統計でコロナ前より外食の機会が減ったと答えた人が約70%、今後の外食頻度は「控える」「変わらない」と答えた人が90%近くに上りました。
外食を控える理由は、感染しないか心配だから・家族や友人に移してしまうリスクが怖いからに続き一緒に外食する相手に気を遣う為となっています。
昨年の段階では「コロナが終息したら外食を楽しみたい」と答えた人が過半数を超えていました。
やはりコロナの感染者の推移とこの2年間のステイホームという習慣がお客様のマインドの変化をもたらした事は否定出来ません。
参照:【飲食業界向け】コロナ禍での外食頻度はどう変わった?2021年8月調査レポート | 人事採用情報なら【ヒトクル】 (atimes.co.jp)
今後は宴会需要は無くなるのか?
これまでの様な大規模な宴会需要は思うような回復は見込めません。では全く無くなるのかと言うとその様な事はありませんが、これまでウェディングや企業パーティー等で需要のあったホテル等の大規模な施設が価格を下げてでも宴会予約を取ろうとする事が容易に予想されます。
当然お客様も密になりづらい大きな施設の利用を望まれる為、50名を超える貸切を狙うにはそれなりの店の広さと感染症対策が求められるので中小企業・個人店がこのラインを狙うのは得策ではありません。
では中小企業・個人店での宴会予約はどうすればいいのか…キーワードは親しい人・間柄で利用する「ハレの日」にあります。
コロナ渦でも様々な記念日はやってきます、緊急事態宣言が解除され外食が容易になってきた事で記念日は外食をという流れが戻りつつあります。
また様々な企業で忘年会は行わないがグループ単位・部署単位での宴会需要はあります。
普段の外食が減った分1回当たりの外食費用は多少多くなっても構わない、会社が1部負担してくれる等、単価が上がっているお店もありますので中小企業・個人店では「ハレの日」に選ばれるコース作り・メニュー作りが必要になります。
また個室でのご案内やブラインドで仕切る等の工夫も必要です。
参照:コロナ禍の外食行動変化ランチ、テイクアウト、ネット予約市場が拡大|株式会社TableCheckのプレスリリース (prtimes.jp)
貸切利用は必要とされてる?
貸切利用はズバリ今一番必要とされています。宴会需要については先ほど述べましたがその中でもミニマムで貸切利用出来るお店特に個人店では、お客様が選ぶ理由として優先順位が上がってきています。
実際に貸切利用は予約を頂いた方がいい?
貸切をすると常連様が入れなくなる、一見のお客様も大切にしたい等の貸切に対してネガティブな意見もあります。貸切で起こりうるメリット・デメリットをまとめてみます。
貸切を行うお店側のメリット・デメリット
- フード・ドリンクの予想発注がし易くなる
フードはコースにすれば食材発注が楽になります。ただ当日に多少の人数変更はあると予想して通常メニューで使える食材等は少し余裕を持って発注しておきたいです。
ドリンクに関しては長期保存が出来る物が多いので多めに発注し、翌日以降の通常営業で生ビール・栓の開いたワイン等、味の劣化が早い物から消費していけるように工夫して月末の棚卸しで調整出来るようにしましょう。
- スタッフのシフトが組みやすくなる
貸切プランにもよりますがお客様におおよその人数を伺っておけば来店人数が分かりますのでスタッフのシフトが組みやすくなります。
また貸切パーティー等、通常営業とは異なったスタイルでの営業はスタッフのトレーニングにもなりますので、新人スタッフを積極的にシフトに組み込みたいです。その際の注意点は一人の新人にベテラン指導係が一人付けるくらいでフォローが出来る体制を組みましょう。
- 売上の確保が出来る
貸切を行う際は終日貸切か時間貸しかによって金額設定は変わってきますが、時間貸しを行う時はその予約1件で1日の最低売上は確保出来るようにしましょう。
貸切時間外でご予約が入った場合はお客様双方にご迷惑が掛からない範囲でご予約を受け、売上を積み重ねていける形が理想になります。
- 予約なしフリーのお客様を断る事になる
貸切時間中にフリーのお客様がご来店される場合もあります。貸切営業である事を丁寧にお伝えしてお断りしましょう。ただ折角お店まで足を運んで頂いたのでサービス券等をお渡しして再度ご来店頂けるように促しましょう。
例えば貸切だけど使ってない個室があるからと、そちらへフリーのお客様をご案内するのはタブーになります。お客様には貸切というご案内でご来店頂いてますのでお客様との約束を破る形になります。また、常連のお客様が入れなくなる等の問題も発生します。常連のお客様にはlineビジネス等をフォローして頂き貸切情報を発信しましょう。そうすれば常連のお客様がお店までいらしてから貸切を知る等のトラブルを回避出来ます。
貸切を行うお客様のメリット
- 周りの目が気にならない
他のグループが近くに居ると何かと気になる事があります(他のグループが騒いでいてうるさい・仕事の話しが聞こえてきて自社と関係のある話しをしている等)貸切ですとそれらの事がなくなるので喜ばれます。
- 感染症対策が求められる中、不特定多数の人と接しなくてよい
やはりコロナ渦で感染症対策が求められます。トイレ利用等も含めて不特定多数の人とその場を共有しなくて良いのはこの時代にマッチしたサービスになります。
- 貸切というブランド・優越感
ただ外食するのではなくお店を貸切という優越感があり、それはそのまま貸切というブランド価値になります。
貸切予約を取るには①
実際に貸切予約を取るにはどうすればいいのか?今選ばれて居るお店のどこがストロングポイントになっているか分析しました。
- 立地でアピール
分析サイトで「貸切」と検索すると「○○ 貸切」と多く出て来ました○○は場所が入るのですが(渋谷・福岡・大阪等)お店の立地が利用客の多い駅の近くにある場合や、有名な結婚式場の近く、コンサートホール・野球場等人が多く集まる(集まりやすい)場所にある場合は「○○から歩いて3分」等のようにアピールし易いポイントになります。
- 価格でアピール
現在貸切の問い合わせが多いのは一人あたり5,000円~10,000円に集中しています。勿論グレードが落ちないのならばお客様としては安い方が良いのですが、注意したいポイントは追加料金なしの明朗会計になります。
お客様の方でご納得頂いた上で延長料金・メニュー以外のシャンパン等の追加は構わないのですが分かり辛い、貸切設定・チャージ等は避けましょう。以外と高かったという印象をお客様に持たれます。
また団体の場合は幹事に集金して貰う事が多いので、出来れば税込価格を提示して千円単位で割り切れてお釣りがない事が喜ばれます。
この場合は1万円札を用意してくるお客様が多いので両替出来るようにお店では千円札を多めにストックしておきましょう。
- 店内写真でアピール
店内写真は具体的にお客様がイメージを作り易いので必ず掲載しましょう。今はgoogleストリートビューで店内写真が掲載出来ます(料金はご確認ください。)
- 料理・ドリンクでアピール
最近の貸切では飲む事が前提ではなく、食事に重点を置いた「食事会」「懇親会」という名目が多いので簡単につまめる物だけでなく、お店自慢の料理を提供すればお客様の中には別の機会に利用しようと思って頂けるお客様もいます。
貸切は新規開拓の絶好の場となります。
料理・ドリンクに関してもサンプル用の写真をいつでもお客様に見せれる準備をしておきたいです。
- オプションの充実
プロジェクター・ゲーム(ビンゴ等)などのオプションが充実しているお店も喜ばれます。
最近ではDJブースがあるお店も増えています。
- キャンペーンを張る
忘年会・新年会・歓送迎会や季節の変わり目などでキャンペーンを張るのも有効です。
他店に比べて自店が魅力的なポイントをアピールしましょう。
- 非日常の演出
外食そのものが非日常ですが、貸切でしか味わえない非日常の空間を演出して顧客満足度を上げたいです。
貸切予約を取るには②
貸切予約を取る為のコツをまとめてみました。
SNS(facebook/instagram/twitter/tiktok)
フェイスブックで貸切をアピールする際には店内写真・料理写真がトップに来るように設定し文章も分かりやすく明朗会計である事を伝えましょう。またフェイスブックはユーザー層が高めの為、お客様がある程度の社会的地位・家庭を持っている等と予想出来ます。
併せて感染症対策等もアピールしましょう。
ホームページ又はお店の電話番号が分かるようにしましょう。
インスタグラムは映える店内写真でアピールしましょう。インスタグラムでは文章を読んで貰える事が難しいので店内写真に「貸切や価格・立地」等が一目で分かるように加工し、興味をもったお客様がリンクされたホームページにとぶ事が目的です。
ツイッターはリアルな繋がりよりも、自分の好きなお店・アイドル等をフォローする傾向にあります。ツイッターから直接貸切予約を取るというよりは、一度下見に来て頂きその場で交渉するイメージです。
- tiktok
ティックトックは動画ですのでお店側が発信したい情報を多く発信出来ます。但しユーザー層が若く動画慣れしているので、動画そのものが面白くなければ見られる事がありません。
貸切ではありませんが最近では仕込み・調理動画をtiktokで発信しているお店も増えました。ユーザーとしては普段お店で食べている物がどの様に作られているか等は興味を引く所なので人気が出ています。
- グルメサイト
グルメサイトで貸切予約を取る為には近くの競合店の中でも検索上位にこなければなりません。また価格・内容等を比較されやすくなります。
狙った客層を獲得するというよりは幅広く見て頂き選んで貰うという形になります。
- 口コミ
飲食店の理想の集客は口コミです。一度来て頂いたお客様が「また来たい」「友人を紹介したい」と思って頂ける様なお店作り・コース作りを心掛けておきたいです。
- Google口コミ投稿
貸切利用頂いたお客様にgoogleの口コミ投稿を書いて貰えるように促しましょう。(もちろん書いて頂いたお客様へのサービスを忘れずに)
お店の評判を見る時、最近ではgoogleの口コミやオーナーからの返信を見ているお客様が増えました。
2022年飲食業界のキーワードはnew born
一年は早いものでもう2021年も終わろうとしています。飲食従事者のみならず日本中が大変な1年になりました。
大手リサーチ会社の記事を読むと2022年上半期で相当数の飲食店が閉店に追い込まれるのではないかと書かれていました。
既存のやり方では通用しなくなりました「破壊と創造」が2022年以降のテーマになりそうです。