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「チラシを自作したけど写真がイマイチ」「あのお店のインスタグラムの写真はどうしてきれいなんだろう」……。飲食店に行くとそんな悩みの声をよく聞きます。販促物に使う写真の中でも、プロのカメラマンに頼むほどのクオリティを必要としなければ、お店のスタッフが撮影してどんどん料理をアピールしたいもの。ちょっとした手間と工夫を凝らせば、美味しそうな写真が撮れるようになります。まずは、基本的な知識を知るところから始めましょう。
撮影前に撮影場所をよく見る
近年、スマホに搭載されたカメラの機能が非常によくなっています。一眼レフカメラを持っていなくても、使い方次第ではスマホに搭載されているカメラで、販促に使える料理写真を手軽に美味しそうに撮っているお店もあります。
ただし、スマホで美味しそうな料理写真を撮るには、ちょっとした知識や前準備と工夫が必要。それほど難しくはありません。
まずは、光の種類や店内の環境を確認し、撮影場所を決めるところから始めましょう。
窓の位置と日当たり具合をチェック
美味しそうで綺麗な料理写真を簡単に撮る第一のコツは、自然光を上手く利用する事です。店内に自然光の入る場所があれば、そこを撮影場所にします。例えば、テラスがある場合はテラスで、店内に窓がいくつかある場合はなるべく大きい窓がある場所で撮影します。
ただし注意しなければいけないのは、自然光は時間や季節、天候によって明るさや光の差し方がまちまちだということ。テラスや大きい窓の隣でも、真夏は直射日光が当たって影が強く出る、曇りの日はやわらかな光で影がほとんど出ない、朝の光は右から、夕方の光は左からというふうに変化します。最初は自然光が変化するということが目で認識できないかもしれないので、時間や日にちを変えて撮影してみるといいでしょう。
自分のお店の照明をチェック
自然光が全く入らない飲食店の場合は、お店の照明環境を確かめましょう。ただ単に明るいか暗いかだけではなく、どんな色の照明か、光がどれくらいの広さに拡散しているか、高いところにあるのか低い場所にあるのかなども確認します。
ちなみに、蛍光灯の下で写真を撮るとやや緑色の写真になり、電球色の照明ではオレンジ色、電球でも昼光色の照明の場合は太陽に近いナチュラルな色に仕上がります。
蛍光灯の光では料理がおいしそうに見えず、電球色の光ではオレンジ色が強すぎて料理のディテールが分かりにくくなってしまいます。店舗で使われる照明のなかで写真がきれいに仕上がるのは、昼白色や昼光色になります。
壁の色、天井の色をチェック
お店の壁や天井の色は何色でしょうか? 実は壁や天井の色は光の色に影響を及ぼし、料理写真の出来栄えにも影響します。例えば、赤い壁で囲まれたお店で撮影すると、壁の色が光を受けて写真全体が赤っぽくなり、緑色の壁で囲まれたお店で撮影すると、写真全体が緑色っぽくなります。壁も天井も黒の場合は、全体的に暗い写真ができあがります。もっとも美味しそうに撮れるのは、店内が白壁と白天井で囲まれている場合。ただし、白壁&白天井のお店はむしろ少ないのが現実です。
もし、部分的に白壁の場所があれば、色付きの壁の近くを避けて白壁の近くで撮影するのもひとつの方法です。
撮影のための小道具をそろえる
スマホに搭載されているカメラで撮影する場合、ちょっとした小道具を使うことでグンと完成度が変わることがあります。小道具と言っても高価な機材を購入するのではなく、店内にあるものや、手軽な文房具を使えば自分で作れるものです。それらの小道具を使って、ただシャッターボタンを押すだけからワンランクアップした写真を目指しましょう。
テーブル(撮影台)や背景をコーディネート
小道具としてまず必要なのは撮影台です。飲食店ではテーブルを使うことが多いですが、テーブルの天板の色、使っているテーブルクロスの色、ランチョンマットなどをイメージに合わせて変えてみると、それだけで写真のイメージが大きく変わります。
わざわざテーブルクロスやランチョンマットを買わなくても、色画用紙でも代用可能です。布のテーブルクロスを敷く場合は、アイロンをかけてから使うと写真の仕上がりが確実に変わります。
また、高さのあるカウンターテーブルは、料理を上から撮影する時などに使いづらい場合があります。一般的に使われている飲食店のテーブルは70㎝程度、この高さであれば真上からや真横からなどアングルを変える時に便利です。
プロは使っているけれど、三脚は必要?
撮影用の機材として知られている三脚、すでにスマホ用の三脚を持っているという方もいるかもしれません。三脚を使うと「何となくいい写真が撮れそう」に見えますが、実は必ずしも必要なものではありません。例えばバーのようなお店で店内がとても暗い場合は、手ぶれを無くすために三脚は必需品ですが、そうでない限りは三脚はなくても撮影できます。まずは、三脚なしで撮影してみてはどうでしょうか。
レフ版は絶対に使いたい小道具
プロのカメラマンが必ず持っているのが、撮影の必需品ともいえるレフ版です。光を反射させるボード(板)のことで、カメラ機材売り場で市販されていますが、わざわざ買わなくても自分で簡単に作れます。
ボード(板)状の形をしていて色が白であればOK。例えば、段ボール紙に白画用紙を貼るだけでもレフ版になります。サイズは、テーブルの上に乗せることができる程度の大きさで十分です。テーブルに乗らないほど大きいと扱いづらく、皿程度の小ささだと反射する光の量が少なくて、料理を明るくするというレフ版の役目を果たさなくなってしまうので気を付けましょう。
撮影用の照明を買うべきか?
自然光や店舗に備え付けの照明で撮影できれば、別途撮影用の照明を用意する必要はありません。ただし、店内が暗すぎてどうにもいい写真が撮れないという場合は、昼白色や昼光色と書かれている電球を使ってみるのもひとつの方法です。ただし、撮影用の照明は使い慣れるまで経験が必要です。まずは、店舗の照明を使っていろいろ試してみましょう。
また、スマホに搭載されているカメラにフラッシュ機能がありますが、このフラッシュ機能ではなかなか美味しそうな写真にならないことも知っておきましょう。
料理を美しく仕上げる小道具
撮影用の料理を美しい状態で用意するというのも、撮影の大事な要素です。盛り付けた後に器が汚れていたら、フキンやティッシュで必ずふきましょう。この小さなひと手間で、写真の仕上がり具合は大きく変わります。器によっては指紋が浮き出ていたり、拭きムラが筋になって見えたりすることもあります。
また、料理を艶やかにするために、霧吹きで水を吹きかけたり、サラダ油をハケで塗ったりしてシズル感をだすと、一段と美味しそうに仕上がります。霧吹きやハケがない場合は、指先に水を付けて散らすだけでも効果が出ることがあります。
撮影は事前の準備が大事
撮影場所をチェックし撮影用の小道具をそろえたら、撮影の準備はほぼ整ったようなものです。特に、撮影用の小道具は撮影のたびに使えますので、セットにして保管しておき、次の撮影時に再度利用すると便利です。また、レフ版などはサイズを変える必要が出てくるかもしれませんので、数種類用意しておくといいでしょう。
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