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【イベントレポート|澤乃井×ろばた焼玉河】クラファン発の“仲間と育てる店”で味わう東京の地酒。立川と奥多摩がつながる一夜

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「東京の酒を、東京で味わう。」そんなコンセプトを掲げた一夜限りのイベント『澤乃井な夜@玉河』が、2026年6月17日(水)、立川の「ろばた焼玉河」で開かれました。奥多摩の老舗酒蔵・小澤酒造「澤乃井」と、立川とともに歩んできた玉河がタッグを組んだこの夜。クラウドファンディングから始まった一つのプロジェクトの実りでもあります。

「もう一つの東京」を再発見する一夜


東京と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、高層ビルの並ぶ都会の風景。ですが、西へ足を延ばせば、豊かな森林、清流が流れ、酒蔵があります。今回のイベントは、その「もう一つの東京」を、酒と料理を通じて体感してもらうために企画されました。

立川は、多摩地域の玄関口ともいえる街。その立川と奥多摩の酒蔵をつなぐことで、東京西部の食文化・酒文化を一本の線で結びます。地域に根ざした店だからこそ描ける、地域貢献のかたちといえるでしょう

立川とともに歩み、令和に甦った「玉河」


玉河の歩みは戦後すぐ、立川駅前に生まれた「今川焼き」の店を原点とします。やがて多摩地域で初めて生ビールを提供する居酒屋へと姿を変え、人々が集い、語らう「居場所」として親しまれてきました。

炉端を囲む「ろばた焼き」のスタイルもまた、立川で長く愛された看板のひとつ。時代の流れのなかで一度はその形を変えましたが、「ここでしか味わえない時間」「人と時間を分かち合う豊かさ」が見直されるなか、「ろばた焼玉河」は2026年3月、現代の感覚で再構築され、立川の街に甦りました。運営する玉河グループ(有限会社野村興業)が掲げるのは、「呑んで、笑って、腹を割って語れる居場所」という、創業以来変わらない想いです。

300年続く東京の酒蔵「澤乃井」


小澤酒造の創業は元禄15年(1702年)。300年以上にわたり、奥多摩の自然と多摩川上流域の名水に育まれながら酒を醸してきた、東京を代表する酒蔵です。

代表銘柄の「澤乃井」は、厳選した酒米と名水から生まれ、東京の風土を映す酒として長く愛されてきました。普段「東京の地酒」を意識する機会は、そう多くありません。だからこそ、その存在を知ってもらうことが、今回の大きな狙いのひとつでもあります。

クラウドファンディングから始まった「仲間と育てる店」


この「ろばた焼玉河」の復活は、2026年1月から2月にかけて実施されたクラウドファンディングが出発点でした。プロジェクトのタイトルは「立川の老舗『ろばた焼玉河』街の記憶と人々の想いをつなぐ特別な場所」。玉河の言葉でいう「不真面目の補給」と、店を続けるための効率化とを、どう両立させるか。その問いに、実際の店舗で挑む試みです。

特徴的なのは、これを「支援」ではなく「仲間になってもらう」プロジェクトとして設計した点です。リターンの多くは商品ではなく、来店者の声を店づくりやメニューに反映していく参加型のもの。お客様と一緒に店を育てていく、という姿勢が貫かれていました。最終的に122名の「仲間」が集まり、3月5日のオープンへとつながっています。

そして、このクラウドファンディングが掲げたもう一つの目標が、「立川と多摩の体験型アンテナショップ」になること。地域の企業や生産者とつながり、多摩の食と酒をその場で味わえる場所を目指す。今回の「澤乃井な夜」は、まさにその構想を形にした一夜でした。

造り手・小澤社長による貴重なトーク


小澤酒造株式会社 代表取締役社長 小澤幹夫氏

当日は、澤乃井を醸す小澤酒造の代表取締役社長・小澤幹夫氏がゲストとして参加されました。季節のおすすめを中心に7銘柄を用意。参加者の席を回りながら、それぞれの酒の魅力や、味わいを引き出す飲み方、酒造りへのこだわりを直接語ってくださいました。

爽やかな飲み口の「さわ音」、冷えた竹酒で楽しむ「澤乃井 湧水仕込」、ぬる燗の「東京蔵人」などなど、同じ蔵の酒でも、温度や器ひとつで印象が大きく変わります。造り手本人から直接話を聞き、目の前で注がれた一杯を味わう。

なかでも印象に残ったのが、二種類の仕込み水の話です。硬水の「蔵の井戸」と、軟水の「山の井戸」。前者からは江戸時代から続く伝統的な辛口が、後者からは華やかで柔らかな酒が生まれます。すっきり系から柔らか系まで、味わいの幅広さの理由がここにありました。

一杯の背後にある物語まで含めて楽しめる、貴重なひとときとなりました。

立川食べ歩き隊や地元企業も集結

会場には、立川食べ歩き隊や地元企業の関係者など、地域を担うさまざまな顔ぶれが集まりました。小澤酒造も立川食べ歩き隊も、クラウドファンディングの段階から協力者として名を連ねていた、プロジェクトの「仲間」たち。立場や肩書きを越えて杯を交わす光景は、玉河が思い描く「人と人がつながる場」そのものでした。

酒の味わいは、一緒に飲む仲間によってさらに豊かになります。初対面同士の語らいが生まれ、立川という街のつながりが一段と濃くなる。そんな温度が、終始会場を満たしていました。

当日のお品書き


お酒はもちろん澤乃井の多彩なラインナップ!料理に合わせて振る舞われました。

  • さわ音
  • 東京蔵人
  • なるくちの酒
  • 蒼天
  • 澤乃井 湧水仕込
  • 純米大吟醸
  • くらもり熟成酒

軽やかな一杯から熟成酒まで、味わいの幅広さそのものが、奥多摩の酒造りの奥行きを物語っていました。

お料理

多摩の食材を軸にした、炉端ならではの特別コースです。店ではまだ提供していない、この夜だけの一品も並びました。

  • 先付:立川産 焼枝豆
  • 前菜:蛸、帆立、立川野菜の酢の物
  • 酒肴:豆腐の味噌漬け 有明海苔添え/入梅いわしと鮮魚のなめろう 有明海苔添え/澤乃井に漬けたエイヒレ
  • 冷菜:東京X(TOKYO X)の冷しゃぶサラダ
  • 焼物:鴨の西京焼き
  • :真鯛の出汁しゃぶ
  • 食事:ヤマメの羽釜飯
  • お椀:鱧のお吸い物(梅肉・三つ葉)
  • 甘味:今川焼きをアレンジしたデザート

立川産の枝豆や野菜、ブランド豚「TOKYO X」、奥多摩のヤマメなど、地元の恵みをふんだんに使った料理が、澤乃井とのマリアージュを引き立てました。なかでも「澤乃井に漬けたエイヒレ」は、酒蔵とのコラボだからこそ実現した一品です。

そして締めの甘味は、玉河の原点である「今川焼き」をアレンジした一皿。戦後の今川焼き店から始まった玉河の歴史が、最後のデザートで感じられる。そんな心尽くしの構成に、この一夜の意味が凝縮されていました。

立川・東京西部の「アンテナショップ」へ

左:有限会社野村興業 代表取締役 西川洋右氏

クラウドファンディングが掲げた「立川と多摩の体験型アンテナショップ」という目標は、この夜、少しずつ現実のものになりつつあります。澤乃井をはじめ東京・多摩の地酒を幅広くそろえ、地域の生産者やつくり手と手を組みながら、多摩の食と酒をその場で体感できる場所をつくる。店そのものが、地域の魅力を映す場所になっていきそうです。

次回は10月27日に、福生の石川酒造とのコラボイベントが予定されています。立川と多摩の酒蔵をつなぐ取り組みは、これからも続いていきます。「仲間と一緒に育てる店」という出発点のまま、東京の「西」が秘める豊かさを、味わいながら知っていくそんな場が、立川の地に確かに育ちつつあります。

店舗情報


店名:ろばた焼 玉河
住所:東京都立川市曙町2-7-5 ピタゴラスビル 地下1階
営業時間:16:00〜23:00(L.O.22:30)

公式サイト:https://robata-tamagawa.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/robatayaki_tamagawa/
Google:https://share.google/yJhoEwrYw04jL1gwT

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