この記事の読了は約6分です。
サステナブルやSDGsが主流となりつつある2024年、飲食事業にも関連する活動が求められています。この記事では、サステナブルレストランのフードや取り組みについて6つ紹介します。環境や人に配慮したメニューとは何か、具体的にどのように取り組めばいいかを知りたい人は、ぜひチェックしてください。食事は生きるうえで欠かせない要素で、飲食店が食という分野でサステナブルに貢献できると、SDGsにも大きな影響を与えられます。時代に貢献できるレストランを経営して、2024年以降も注目されるお店にしましょう!
そもそもサステナブルレストラン・フードとは?
最初に、サステナブルレストラン・フードについて解説します。運用元やメリットを把握し、自社でも取り入れるかどうか検討しましょう。
「サステナブル」とは?
そもそもサステナブルとは、別名「サスティナブル」「サステイナブル」とも呼ばれるワードで、日本語では持続可能なという意味です。
労働や環境などにおいて持続可能なシステム・製造過程を目指すためのワードで、今までの健康や環境汚染を度外視した風潮を変えていくことを目的としています。
たとえば、二酸化炭素の排出を抑えた製造過程は、サステナブルな取り組みと言えるでしょう。
食品や自然などに大きく関わりのある飲食業界は、昨今サステナブルな取り組みが求められています。
日本サステイナブル・レストラン協会が推奨している
一般社団法人である日本サステイナブル・レストラン協会は、サステイナブル・レストランに関心の高いイギリスと連携し、食の持続可能性を推進しています。
食品ロスや製造にかかわる人たちの問題に対して、他国のように日本でも積極的に取り組みの輪を広げていけるよう、サステイナブル・レストランの活動を支援し、消費者の外食活動についてもサステイナブル・レストランを訪れてもらえるよう促しています。
つまり、日本サステイナブル・レストラン協会は、日本でも食品問題解決の“ハブ”となる飲食店がサステナビリティを牽引できるよう活動しているのです。
公式サイト:https://foodmadegood.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/foodmadegoodjp/
サステナブルレストラン・フードを取り入れるメリット
飲食店がサステナブルレストランやフードを取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
メリットのひとつとして、世間からの注目度・関心が挙げられます。昨今SDGsやサステナブルは世間の大きな関心事となっているので、積極的にサステナブルに取り組んでいるレストランは注目されやすいうえに、評価も高くなるでしょう。
また、地産地消の食材を使用するようなサステナブルの取り組みであれば、食材・料理ともにクオリティが高くなります。
ただし、サステナブルな食材や製造は通常のものよりもコストや手間がかかる傾向にあるので、自社の金銭的・人員的な事情と照らし合わせて取り組む必要があります。
サステナブルレストラン・フード関連市場の現状・今後の動き
今からサステナブル・レストランやフードに取り組もうとしても、これから先どのような動きになるか心配という人もいるでしょう。
ここでは、サステナブルレストラン・フード関連市場の現状と今後の動きについて解説します。
サステナブルレストラン・フード関連市場の規模は2023年で1,722億円
2021年が1,383億円だったのに対し、2023年は1,722億円と拡大しており、2030年には3,000億円前後の規模になるかもしれません。
日本だけでなく世界中において環境や気候などが変化しており、農業や水産業などの状況は大きく変化しています。オーガニックやSDGsを意識した食品は注目されており、サステナブルな選択はもはや個人ではなく全体の課題とも言えます。
サステナブルレストラン・フード関連市場の規模は今後も拡張する可能性が高い
サステナブルフードの市場は、今後も伸び続けると予想されます。
その要因として、以下の2点が挙げられます。
- エシカル消費への意識の高まり
- 生産工場の省力化
消費者の中でも、持続可能な生産や消費に対する意識は高まっています。食品を無駄に廃棄しないという自主的な動きだけでなく、もともとSDGsに特化した食品を選択するような動きなどでエシカル消費に貢献したいと考えている人は、今後も増えていくでしょう。
そして、生産側にとっても、サステナブルフードはメリットがあります。たとえば植物工場産野菜は天候にかかわらず安定した量・質で生産できるため、売上の見通しが立ちやすいです。
現代ではオーガニック食品=高級品というイメージがあるかもしれませんが、今後流通量が増えるにつれて価格も下がっていき、誰にとっても手に入れやすくなるでしょう。
サステナブルフード3例
ここではサステナブルフードについて3つ紹介します。
自店で取り入れる際の参考にしてください。
プラント・ベースド・ミート
プラント・ベースド・ミートとは、植物からできた代替肉の一種です。原材料は大豆や小麦、エンドウ豆などの大豆由来のものがメインです。健康や宗教の問題から肉が食べられない人でも、安心して肉を食べられるでしょう。
また、家畜の数を制限することで、環境や動物を守ることにも繋がります。
家畜を育てるには多くの水や耕地が必要となるだけでなく、呼吸やげっぷに含まれる温室効果ガスの排出についても注意しなければなりません。
プラント・ベースド・ミートは人だけでなく、環境にとってもメリットがあるサステナブルフードです。
サステナブル・シーフード
サステナブル・シーフードとは、MSC(海のエコラベル)という「水産資源と環境に配慮した漁業で獲られた天然の水産物の証」を取得したシーフードです。
水質の安全性にくわえ、長期的な漁獲が可能な点・生態系への影響が少ない点などもチェック項目として見られており、未来の安全な魚介類を守ることに繋がります。
MSC認証を受けたシーフードを積極的に選んで購入することで、未来の海の資源を守れるでしょう。
フェアトレードコーヒー
フェアトレードとは「公平な取引」を意味し、生産者の利益を守ったうえでやり取りされるコーヒーをフェアトレードと呼びます。
コーヒーは発展途上国が生産している場合が多く、生産者の利益や健康が守られていないケースも珍しくありません。
フェアトレードではコーヒー豆の価格にかかわらず、最低価格以上を保証して生産者に還元します。
フェアトレードコーヒーの購入は、生産者の生活や人権を守ることに繋がります。
サステナブルレストランの取り組み例3選
最後に、実際のサステナブルレストランの取り組みについて3つ紹介します。
PIZZERIA GITALIA DA FILIPPO・三つ星受賞
PIZZERIA GITALIA DA FILIPPOは石神井の人気ピザ店。サステイナブル・レストラン協会が開催した「FOOD MADE GOOD」の調達部門で三つ星を受賞しました。
オーナーの岩澤氏の調達のこだわりは“横のつながり”。
地元である石神井の地産地消に取り組むだけでなく、同じく地元のサステナブルに貢献したい仲間とのつながりを大切にしています。魚介類は50年間ずっと信頼している鮮魚店に一任しており、お互いの信頼の元やり取りをしています。
「地元という小さな単位から」という岩澤オーナーの想いが、サステナブルの貢献に繋がっています。
地元を大切にしている飲食店が再現しやすい点でも、PIZZERIA GITALIA DA FILIPPOは貢献度が高いと言えるでしょう。
アマムダコタン・サステナブレッド便
芸術性が高く個性的なパンで人気のアマムダコタン。
アマムダコタンのパンをお得にたくさん食べたい人にも環境にも嬉しいサステナブレッド便が登場しました。
サステナブレッド便は食品ロスを減らすために誕生した商品で、その日に余ったパンを詰めた1,080円(税込)のお得なセットです。
どのような内容になるかはその時々のお楽しみ。当日冷凍しているので、翌日以降でもおいしく食べられます。
当日15時からの予約受付となり、発送は翌営業日です。
自分にも自然にも嬉しいサステナブレッド便。超人気商品なので、お店側も安心して提供できるメリットがあります。
IKEA
インテリアでおなじみのIKEAは、食品にも力を入れています。
特に健康的・サステナブルな食品にこだわっており、お手頃価格でサステナブルなメニューのラインナップが豊富です。
ちょっと敷居が高いと感じられる代替肉やプラントベースメニューも、IKEAでなら気軽に手に取りやすいはず。
毎日の食事に取り入れるだけで簡単に自分もサステナブルに貢献できてしまう……このお手軽さが、IKEAの取り組みのポイントと言えるでしょう。
サステナブルレストランは“消費者も気軽に貢献できる”がポイント
この記事では、サステナブルレストランのフードや取り組みについて3つ紹介しました。
食品を取り巻く環境が変化している昨今では、飲食店にもサステナブルやSDGsへの貢献が求められています。人々の健康や環境へ配慮した仕入れ・調理法などは、今後も飲食店の課題となるでしょう。
サステナブルレストランになるには、飲食店だけでなく消費者が気軽に取り入れやすいという点も大切です。
普段の食卓に取り入れやすい・コストがかからない・健康に気を遣えて嬉しいなど、消費者目線でのサステナブルレストランを意識しましょう。
こちらの記事も読まれています。
こちらの記事も読まれています。