【記事引用】日経MJ 2/15①
内閣府が発表した2016年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値で、個人消費は物価変動の影響を除く実質の季節調整値で前期比0.01%減と1年ぶりのマイナスだった。天候不順による野菜高騰で節約志向が広がったほか、衣服の売れ行きが低調だった。内需関連では、住宅投資の伸び率に失速感が出てきた。前期比0.2%増と4四半期連続のプラスだが、16年4~6月期の3.3%増、同7~9月期の2.4%増より鈍化。相続税対策などのアパート建設がけん引してきた住宅着工も一服し始めた可能性がある。
【記事引用】日経MJ 2/15②
消費者心理の冷え込みが目立ってきている。博報堂生活総合研究所が発表した消費予報で、2月の消費意欲指数は41.5点と前年同月比1.7ポイント低下した。2012年4月の調査開始以来、最低値となった。主な商品・サービスの16分野について「買いたい、利用したい」との回答数をみると、腕時計などの装飾品や衣料品などのファッション、外食で落ち込みが目立った。増加は食品、パソコン・タブレット関連、スマートフォン関連の3分野のみだった。
【記事引用】日経MJ 2/15③
企業倒産の小康状態が続くなか、飲食業の経営破綻が目立っている。東京商工リサーチがまとめた1月の倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年同月比10.3%減の605件だった。その中で飲食業は20.7%増の64件と直近1年間で最も多かった。パチンコホールなど娯楽関連の増勢も目立ち、人手不足や消費の節約志向がじわりと響いている。飲食業ではファストフードや居酒屋の大手チェーンが事業を立て直す一方、個人経営の店や中堅企業は人件費や食材コストの上昇に直面している。1月は弁当店「たいこ弁当」を運営する本陣(兵庫県加西市)などの経営が行き詰まった。
ここ最近の消費に関しては、GMS、百貨店、アパレル、飲食店(居酒屋)関連の厳しいニュースが絶えないかと思います。
GMSや百貨店はこれまでのビジネスモデルが現在のカスタマニーズとのギャップが顕著になり、ビジネスモデルの見直しが開始されています。アパレル企業に関しても、これまで二人三脚でビジネスをしてきた百貨店の煽りを受けています。また、ここ最近のライフスタイルの変化もあり、ファッションの楽しみ方の多様化も要因かと思います。居酒屋業界に関しても、80〜90年代のアルコールの大量消費時代から志向が変わり、アルコール消費量も減り、またお酒の楽しみ方が多様化しているというのも、ビジネス環境が厳しくなっている要因かと思います。
今回は、厳しい業界における現在のビジネス展開をご紹介していきたいと思います。
GMS改革(イオン、テーマ別売り場に再編)の紹介
*記事引用 日経MJ 2/10〜
GMSが苦戦しているのは、イオンもイトーヨーカ堂と変わらない。GMS事業は16年3~11月期に350億円の営業赤字だった。イオンは、グループ全体の売上高に占める割合でGMS事業が36%と最大。急激に縮小するわけにもいかず、膨大な店舗資産を生かすため「聖域なき改革」に踏み出している。「もうGMSが”重箱”である必要は無い」。SC運営会社、イオンモールの吉田昭夫社長はそう話す。重箱とは、衣食住の商品がフロアごとに何層にも重なっているGMSの売り場の例えだ。
例えばGMSの子供用品を同じ館のトイザらスの近くで展開したり、食品をレストランやフードコートと組み合わせたり。立地にもよるが「GMSの売り場を切り出して、テーマごとに再編すれば魅力を高められる」(吉田社長)。
GMSといビジネスモデルは現代のライフスタイルに合わせて変化する必要がある。流通業界では、いかに効率的に多くの商品を販売するかが重要であったかと思うが、現代の成熟した社会においては、本当に必要なもの(価値が見出せたもの)しか売れない時代になっています。商売に関しては、特に一般消費者の視点に立っていかに、モノやサービスを魅力的に訴求していくか重要であるかが顕著になっています。
これから生まれてくる商業施設には注目かと思います。
アパレル業界参入(RIZAP、ジーンズメイトどう活かす)の紹介
*記事引用 日経MJ 2/12〜
RIZAPは1月にカジュアル衣料専門店のジーンズメイトの買収を発表。これに先立ち、補整下着のマルコ、パスポート、女性ファッション通販の夢展望などアパレル・雑貨事業を立て続けに買収してきた。一方で、ゴルフ教室や英会話など新規事業も始めている。これらの事業は関連性がないように見えるが、瀬戸社長は「自分への投資」というキーワードでくくろうとしている。ジムで理想の体形を手に入れた消費者は自分に自信がつき、オシャレをしたいといった自己投資意欲が芽生えるという。「ジムで取り込んだ顧客を他のサービスに導く」狙いだ。
今後も引き続きM&A(合併・買収)を通じた事業拡大をめざす方針で、「これまでより大規模なM&Aも進める」。明言を避けたが、アパレルのほか、日用品なども対象になるとみられる。
ここ最近の変化として、他業界からアパレル分野への新規参入、またはアパレル分野から雑貨、日用品の強化・進出などの動きが見られます。直近では日用家具大手のニトリもアパレル分野への参入も視野に入れているとのニュースもありました。この業界で明らかなのはアパレルという分野の市場拡大が見込みづらいということ、また、ライフスタイルという大きなくくりでカスタマと接点を持たないと変化に対応するのが難しくなったと考えられます。今後、各企業は得意分野から多角化を行い、ライフスタイルの提案という形でビジネスを展開していくことになるでしょう。この分野においてもビジネスモデルの見直しが行われているため、各企業の今後の行動が楽しみかと思います。
飲食・居酒屋業界の紹介
プレミアムフライデーで飲み歩きや自分磨き
*引用記事 日経MJ 2/12〜
【秋田、静岡】地方都市でも、月末の金曜日に仕事を早く終えて消費や余暇需要につなげるプレミアムフライデーの試みが出てきている。 秋田市中心部では今月24日、飲食店を飲み歩ける「冬バール プレミアムフライデー」が開かれる。秋田テレビ(秋田市)が主催し、NPO法人あきた地域資源ネットワーク(同)とアキタ・バール街実行委員会(同)が共催する。
老舗居酒屋を再生 3割が一人飲み女性客
*引用記事 日経MJ 2/10〜
一見すると昔ながらの大衆居酒屋「煮込 蔦八」(東京・大田)は、実はリノベーションで復活した店だ。店舗面積46平方メートルの店内は、コの字形のカウンターとテーブル合わせて26席でありながら、月商は300万円を記録する。昨今、新規物件ながら古い大衆居酒屋の感じで売り出す「ネオ大衆酒場」という業態がはやっている。この場合、老舗感を出すために「エイジング」という加工を店内に加えて古めかしい雰囲気を出すが、「煮込 蔦八」は費用をかけずに本物の”時代感”を手に入れたわけだ。
「後継ぎがいなくて閉店しそうな居酒屋は多いし、これからももっと増える。いったん絶やすと、復活が困難になってしまう。でも、スタッフを確保し、効率的に運営すれば、存続できる店は少なくない。店の文化を継承する仕事はやりがいを感じるし、やる価値がある」と話す。今後も名店や老舗店のリノベーションに挑戦する心づもりだ。
テキーラ、サワーで飲もう
*引用記事 日経MJ 2/10〜
サントリースピリッツはテキーラをソーダで割る飲み方を飲食店を通じて売り込む。専用のボトル容器を店に用意し、果物などを加えて「テキーラサワー」として食事にも合わせて飲んでもらう。すでに一部の飲食店でテスト展開を始め、2017年中に2000店まで広げたい考えだ。若い女性を中心にテキーラの新たな需要を開拓する。酒の嗜好が多様化してきたことを映し、国内のテキーラ市場は拡大傾向にある。15年は19万5千ケース(1ケースは8.4リットル換算)で、11年に比べ1割超伸びたもよう。ただ、ショットグラスで飲まれることが多く、飲み方は限られている。
同じ蒸留酒でも、ウイスキーはソーダで割るハイボールなどが浸透した。サントリースピリッツは、テキーラでも新しい飲み方を提案することで需要の喚起につなげる。17年のサウザブランドの販売も4万2千ケースと16年比で3%伸ばしたい考えだ。
飲食業界でも常に新たなビジネスが生まれている。2月24日から始まる「プレミアムフライデー」は新たに消費を生み出すか注目されている。各サービス業はイベントを開催し、消費を促そうとしています。日本人はトレンドや号令に合わせて動くことに慣れているので、国を挙げて消費しましょうといえば、動くような印象はあります。クールビスが定着したように、ぜひプレミアムフライデーも定着させ、日本の新しい文化になってくれると面白いなと思います。
老舗居酒屋の再生に関しては、私個人も注目しています。空き家や古民家の再生はいまも注目かと思います。今後は古き良き日本文化を再生させようとあらゆる分野でも活発化するのではないでしょうか。居酒屋に関しても「大衆酒場」は人気の業態の1つかと思います。歴史を感じつつも、提供するサービスは現代風というところが幅広い世代に支持される要因かと思います。
テキーラの新しい飲み方もアルコール市場の活性化として面白いと思います。現在はクラフトビールをはじめ、ワイン、日本酒、チューハイ、サワーなど自分流でお酒を楽しむことが一般的となりました。その多様化の1つの提案として、新しいお酒の飲み方は注目されるのではないでしょうか。メイソンジャーというおしゃれな容器も流行しましたので、味、見た目も楽しめる要素がしっかりあるとSNSを通して拡散されると思います。
まとめ
改めて、ビジネス環境の変化が早いと感じました。また、スマホが普及し誰でも簡単に情報が発信できるようになったため、新たなトレンドが生まれては消える時代になり、カスタマの興味関心を把握することが難しい時代かと思います。各業界、各企業は過去の成功モデルにとらわれずに、日々新しいことにチャレンジすることが重要だと思います。
今後も老舗企業の改革、また新興サービスの発展について同行を見ていきたいと思います。