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【飲食店経営の新しいモデル登場!?】店舖の遊休スペースを有効活用したクラウドキッチンが注目

新型コロナウイルス感染拡大により4月〜5月、飲食店は休業を要請されました。またその後も感染拡大の第2波の可能性もあり、日常の外食重要はまだまだ改善の見通しがたちません。このコロナ禍の中で新しいビジネスが生まれていますが、飲食業界では店舖の遊休スペースを有効活用したクラウドキッチンが注目されています。

コロナの影響で店舖出店のハードルが上がったものの、お店を持ちたい独立希望者の要望を答える新しい働き方として今注目されています。今回はwithコロナ、そしてアフターコロナの新しい飲食ビジネスモデルとして注目が集まる『クラウドキッチン』についてご紹介したいと思います。

クラウドキッチンとは?

●概要

『クラウドキッチン』とは、飲食スペースを持たず、持ち帰りでの商品提供も行わない、デリバリー専業のビジネスモデルを指します。最近では『ゴーストレストラン』『バーチャルレストラン』とセットで使用されることが多いです。「Uber Eats」「出前館」などのデリバリーアプリの普及と共に、配送を業務委託した個人に任せ、調理に専念する業態が実現可能になりました。これまで飲食業界では店舖出店とは1つの物件を取得し、開業することがお店を持つことを指していましたが、シェアリングエコノミーが普及した現代では、クラウドキッチンとデリバリーサービスを組み合わせた店舖出店という新しいお店のかたちが浸透しつつあります。

●クラウドキッチンのメリット

クラウドキッチンの大きなメリットは初期投資及び運転資金の圧縮になります。飲食店出店には賃料や内装にかかる費用が大きく、損益分岐点を引き上げてしまい、初期費用の回収に何年も費やすことになります。現在の飲食業界ではトレンドの変化も激しく、業態の飽きも早く、初期費用回収することもままならなケースも多くあります。

そのため、デリバリーアプリが普及した都市部において、店舖にかかる高い費用が削減できるのは出店・運営費用を大きく削減した店舖運営が可能になります。また削減したコストによって、商品の価格を下げたり、料理の質を上げたりすれば、競争力を高めることも可能になります。これまで店舖繁盛の要素として立地が重要でしたが、ネット・SNSの普及によりユーザーに支持される料理を提供することで、集客は十分可能な時代になります。

●クラウドキッチンのデメリット

集客面をデリバリーサービス提供側に依存してしまうことが挙げられます。現在デリバリー サービスを提供する「Uber ests」「出前館」などへの手数料はおよそ35〜40%となります。この手数料の負担はとても大きく、デリバリーでは別に容器代などもかかるため、イートインを主体にした店舖ビジネスと比較すると利益を出すことが難しくなります。

以上のことを踏まえると重要なことは、これまでの飲食店ビジネスとデリバリービジネスは全く異なるものと考え、提供するメニューなども一新する必要があります。

クラウドキッチン関連ビジネス

●【デリバリー専門】ゴーストレストラン

冒頭でも取り上げた飲食スペースを持たずに、デリバリー専門で料理を提供するレストランビジネスを指します。

コロナ禍の中で、通常のイートイン主体の飲食店では売上確保が難しい中で、デリバリー専門のバーチャルレストランを立ち上げ、リアル店舗の全く異なるメニューを提供することで売上をつくる動きが活発となっています。ゴーストレストランのかたちとしては、通常の飲食店がデリバリー専門のサブブランドを立ち上げる形と店舖は持たず、シェアキッチンスペースでゴーストレストラン を立ち上げるパターンがあります。

●【フードコート型】シェアキッチン

ゴーストレストランに「テイクアウト」や「イートイン」機能を持たせたレストランモデルになります。デリバリー専業とは異なり、持ち帰りやその場で食事ができるスタイルも提供することで、顧客接点を持つことができ、これまでの飲食店とゴーストレストラン の中間的なモデルになります。

●【デリバリー専用】フランチャイズ

デリバリーサービスに特化したメニューを開発、レシピ提供を行うことで通常の飲食店の副業的な営業を可能とするフランチャイズビジネスになります。デリバリーで売上をつくるためには、デリバリー専用のメニュー開発や販売手法が必要となります。これまでの飲食店にはなかなか蓄積できていないノウハウをパッケージとして提供し、短期間で売れるデリバリーをスタートする仕組みになります。

クラウドキッチン事例

ここではクラウドキッチンに関連したビジネスを提供する企業やサービスをご紹介します。新型コロナウイルスの収束が見えない中で、今注目されているクラウドキッチンビジネスを把握し、今後の営業のヒントになればと思います。

●クラウドキッチン提供サービス

KitchenBASE(キッチンベース)

引用元(KItchenBASE https://kitchenbase.jp/)

デリバリーに特化したゴーストレストラン運営のためのキッチンを提供するシェア型クラウドキッチン サービスになります。中目黒や新宿にクラウドキッチン(施設)を持ち、ゴーストレストラン 開業サポートもあります。

KitchienBASEについて

& Kitchen(アンドキッチン)

引用元(& Kitchen https://andkitchen.tokyo/)

「大人のフードコート」をコンセプトにしたシェア型クラウドキッチン。浅草エリアを中心にクラウドキッチンを提供しています。

& Kitchenについて

●デリバリー専用フランチャイズ

ククピー

引用元(ククピー https://cook-happy.com/)

デリバリーに特化した飲食ブランドを提供してくれるサービスになります。デリバリー版のフランチャイズシステムです。現在ハンバーガー、サラダ、カレーなどのデリバリーブランドを提供しており、今後もデリバリー用ブランドを拡充していく予定のようです。

ククピーについて

CLOUD FRANCHISE(クラウドフランチャイズ)

引用元(クラウドフランチャイズ http://cloudfranchise.jp/)

フードデリバリー専門のコンサルティングサービスを提供する企業になります。ゴーストレストランを初めた店舖は多いものの、目標とした売上をつくることは難しいのが現実です。そこで、ゴーストレストランの成功ノウハウを提供してもらうことで、フードデリバリー事業の売上確保を行います。

CLOUD FRANCHISE(クラウドフランチャイズ)について

最後に

7月に入り、新型コロナウイルスの感染者数増加の報道が増えたこともあり、飲食店需要がまた落ち込みつつあると感じています。今後もこのような状態が続くことが予想され、コロナ収束の見通しは立ちません。その中で、ゴーストレストラン という飲食ビジネスモデルに取り組む企業が増えました。今後も外食需要の改善が見えない中、デリバリーやテイクアウト、ECなどのビジネスモデルを飲食店がどのように活用していくのかは課題となります。

また、クラウドキッチンという形で身軽に店舖をオープンできる手段も確立されることで、さらに新しい飲食ビジネスが誕生する可能性もあります。withコロナでの飲食店の生き残り戦略、そしてアフターコロナの飲食ビジネスについて今後もリサーチ、情報をお届けしていきたいと思います。

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