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今Z世代に昭和レトロな喫茶店・カフェが大人気。メディアやSNSでも話題になっており、連日行列ができる人気店もあります。
そこで今回は東京都内にある今話題のレトロ喫茶をカテゴリー別にご紹介します。また、Z世代でもある筆者が、なぜ今「レトロ喫茶」が流行っているのか、人気の理由も探っていきますので、飲食店の方もぜひ最後までご覧ください。
懐かしい味!オムライスやナポリタンなどの王道の軽食が楽しめる東京のレトロ喫茶3選
ここからは、軽食メニューが人気のレトロ喫茶を3選ご紹介します。
オムライスやナポリタンなど、喫茶店ならではの軽食メニューは多いですよね。サラリーマンの方もランチに利用したりと、さまざまな方に愛されているメニューもあります。ぜひ参考にしてみてください。
喫茶 you(東銀座)
公式サイト:https://www.instagram.com/kissa_you/?hl=ja
歌舞伎座の近くに位置し、連日行列が絶えない大人気店「喫茶 you」は、銀座を代表する喫茶店のひとつです。お店のトレードマークでもある緑色のネオン管に惹かれる人も多いはず。
行列に並んでいる方のお目当ては、「喫茶 you」の人気メニューの「オムライス」です。ぷるぷる・とろとろで卵に混ぜられた生クリームの甘みを感じられるのが特徴。ケチャップライスの上に乗せられた美しいオムレツに、太く絞られたケチャップで可愛らしく波模様が描かれています。
珈琲 王城(上野)
公式サイト:https://twitter.com/coffeeoujyou
昭和50年創業、シックでありながら、きらびやかでゴージャスな店内はさまざまな映画やドラマのロケ地としても有名です。そんな店内で食べる「ナポリタン」はまさに絶品。コーヒーに合うように、少し酸味を利かせた味は、先代から受け継がれる懐かしい味。レシピを変えず、今も懐かしい味を味わうことができます。
高さが20cm以上もあるチョコレートパフェも「喫茶 王城」の大人気メニュー。シックな雰囲気の中、高く積み上げられたホイップクリームの頂点に、赤く輝くサクランボを乗せたチョコレートパフェを頬張れば、貴族になったような気分になります。
カフェーパウリスタ(銀座)
公式サイト:https://www.paulista.co.jp/
「カフェーパウリスタ」は明治43年創業、110年以上の歴史を持つ老舗喫茶店です。約100年を超える歴史の間には数々の文化人がこの店を訪れたそう。そんな文化人たちも頼んだかもしれないメニューが、「キッシュ」です。
さくさくのパイ生地と、まるでスクランブルエッグのようなとろとろとした口当たりの卵が、名物の「森のコーヒー」によく合います。
今では広く「カフェーパウリスタ」のコーヒーを届けるため、業務用コーヒーの販売も行っています。ぜひチェックしてみてください。
クリームソーダやコーヒーフロートでノスタルジックな雰囲気を味わえる東京のレトロ喫茶3選
ここからは、ドリンクメニューが魅力的なレトロ喫茶を3選ご紹介します。
クリームソーダやコーヒーフロートを味わえるのはレトロ喫茶ならでは。ノスタルジックな雰囲気を作る大事な要素でもあります。
さぼうる(神保町)
公式サイト:https://www.instagram.com/sabor_jimbocho/
秘密基地のような外観の「さぼうる」。店内も暗くひっそりとした落ち着いた空間が魅力的です。店内に飾られている味のある置物はすべてお客さんのお土産だそう。
そんな落ち着いた空間のなかで飲む「クリームソーダ」は、「さぼうる」の定番メニュー。なんと7色も展開されており、ブルー、グリーンのほか他店ではお目にかかれないような珍しい色を選ぶことができます。薄暗い店内で一層その色鮮やかさが映えることも、人気の理由のひとつかもしれません。
喫茶 gion(阿佐ヶ谷)
公式サイト:https://www.instagram.com/gion_asagaya/
緑のネオンが輝く外観からなかへ入ってみると、たくさんのアンティークのランプが暗い店内を照らしています。とくにピンクの壁を背景に、ブランコが座席となっている「ブランコ席」は目を引きます。このように、ムーディーでありながら、おとぎ話の世界のようなメルヘンな雰囲気を持つ「喫茶 gion」では、思わず時の流れを忘れてしまいそうな非日常感を味わえます。
「喫茶 gion」では、「ソーダ水」にアイスクリームを追加することでクリームソーダが完成します。また、アイスコーヒーにアイスクリームを追加してコーヒーフロートにするのも人気。すべてのドリンクメニューにアイスクリームのトッピングができるので、オリジナルのドリンクを作れるのが楽しいですね。まあるい形が特徴的なグラスもかわいいです。
しゃん(浅草)
「しゃん」は浅草・千束通り商店街にある自家焙煎のコーヒーが楽しめる老舗喫茶店です。昭和50年創業当時から人気の「のりトースト」は、のりとバターの香ばしい風味に、間に挟まれているきゅうりが口のなかを爽やかにしてくれる粋なメニューです。
また、今SNSでとくに話題となっているのが、目の前で豪快にミルクを注いでくれる「アイス・カフェラテ」。高い位置からコーヒーに泡立てたミルクを注ぐことで、よりふわふわに泡立ち、クリーミーで濃厚なミルクを堪能できます。
今話題の理由は、目の前で見れ、かつインパクトがあるというところが、ショート動画が人気の昨今の需要にぴったりと合っているからでしょう。
レトロな店内で味わうプリンやパフェはZ世代の憧れ!スイーツが魅力的な東京のレトロ喫茶4選
ここからは、スイーツが人気のレトロ喫茶を4選ご紹介します。
目にもおいしいスイーツを楽しめるのは、喫茶店選びで大事なこと。喫茶店のスイーツは自家製のものも多く、喫茶店メニューのなかでも、とくにその喫茶店の個性を感じられるものです。そんな個性に注目して見てみましょう。
喫茶サテラ(渋谷)
公式サイト:https://satella.coffee/
「喫茶サテラ」は、48年間続いた老舗喫茶店「青山茶館」を改装し、古き良き面影を残したままリニューアルしたニューレトロな純喫茶です。慌ただしく変化していく渋谷の喧騒のなかにひっそりと立つ「喫茶サテラ」は、まさに都会の隠れ家。
改装以前の「青山茶館」でも人気だった、「プリン」は「喫茶サテラ」になった今でも不動の人気メニュー。喫茶店らしく固めの感触は食べてみると程よくむっちりとして、濃厚さが歯ざわりからもよくわかります。シンプルな見た目でありながら、濃厚で優しい甘みのある「プリン」にファンも多いです。
欧風菓子 白鳥(板橋)
黄色いタイルに緑のソファがモダンな印象を与える店内。そこでいただけるのは名前の「白鳥」にちなんだスワン型の「シュークリーム」です。スワンの羽と頭には、粉砂糖がふりかかっており、上品なたたずまい。クリームも軽く、コーヒーに合う上品な甘さを楽しめます。
先代のレシピのまま、型を使わず作られているので、ひとつひとつ個性が表れたスワンと出会えるのも楽しみ方のひとつです。さらに、「シュークリーム」を含めて、すべてのお菓子は添加物を使わずに作られています。
チェリー(蒲田)
「チェリー」に来たほとんどのZ世代が注文するというのが「プリンアラモード」。メニューに載っていないのも、裏メニュー感があって特別感を増幅させます。
「プリンアラモード」というとプリンの周りをフルーツが囲むような見た目をしていますが、「チェリー」の「プリンアラモード」は日替わりのフルーツがメロン模様の器にこれでもかと上に乗せられ、「プリンアラモード」の主役であるはずのプリンが完全に隠れてしまっています。しかし、食べ進めていくと、バニラアイスに包まれたプリンが顔を出し、一皿で何度も驚かされ、何度も贅沢な気持ちになります。
赤が基調の店内に高くそびえたつ「プリンアラモード」。飾り切りされたフルーツたちはどこから見ても華やか。季節や日によって変わるフルーツで、何回行っても新しい姿を見れるのが魅力です。
マーガレット(池袋)
落ち着いた色合いの店内は、店名の「マーガレット」に似合う、花びらのような形の可愛らしいペンダントライトが一席一席を照らしています。そんな「マーガレット」で人気なのが「フレンチパフェ」です。
バニラアイスと生クリームが高く盛られ、パフェグラス越しにフルーツソースが混じっているのがわかるものの、実にシンプルな内容。しかし、シンプルながらスプレーチョコでカラフルにデコレーションされた、インパクトのあるパフェになっています。思わず心がときめく、ポップでキュートなパフェがSNSでも人気です。
ネオンやステンドグラスが輝く!異世界のような内装が特徴的な東京のレトロ喫茶2選
最後に、ノスタルジックな雰囲気の内観が特徴的なレトロ喫茶を2選紹介します。
一歩踏み入れるだけで、まるでタイムスリップしたような気持ちになるでしょう。もちろん写真映えすることはZ世代にとって今やマストの要素になっているのかもしれません。思わず写真に残したくなる素敵な空間づくりをされている喫茶店をご紹介します。
喫茶 古城(上野)
公式サイト:https://twitter.com/kojyo_kyoko?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
入口を入ってすぐに出迎えてくれるのが、アンティーク調のシャンデリアと騎士が描かれたステンドグラスの絵画。その下に続く階段に導かれるまま地下へと降りていくと、壁一面に飾られているロシアのエルミタージュ美術館をモチーフにしたステンドグラスが一際目を引きます。ステンドグラスの前にはエレクトーンが置かれており、過去には演奏会が行われていたそうです。
フロアを淡く照らすランプや大理石の壁にも注目。化粧室の床まで細かい模様が彫られておりこだわりを感じます。ステンドグラスのほかにも、暖炉や時計など、美しい美術品や珍しい調度品に目を奪われる時間も素敵かもしれません。
喫茶 銀座(恵比寿)
恵比寿にある「銀座」。店内に入ってすぐ目に入るショーケースはずっと眺めていたくなる、「喫茶 銀座」のシンボル的存在です。全体的には赤を基調とした店内で、夜になると輝くミラーボールがムードを演出してくれます。
レトロなうえに、どこかアジアっぽさを感じさせ、海外旅行に来たような気分を味わえます。
まとめ
ここまで東京都内にある今話題のレトロ喫茶をカテゴリー別でご紹介してきました。
レトロ喫茶の流行を加速させたのは間違いなくSNSだと思いますが、それ以前に、SNSによって喫茶店は入りやすくなりました。「喫茶店」と聞くと、「静かで落ち着いている、大人の雰囲気のお店で敷居が高く、気になるがどのような場所か一目では詳しく分からない場所」となんとなく考える人も、喫茶店に不慣れな若い世代では多かったはずです。しかし、動画や画像、同じ世代たちが体験した生の言葉でその場所のことを知れることで、「喫茶店」のハードルが下がり、今や行列ができる喫茶店も増えるようになったのだと感じます。
また、ご紹介した喫茶店を見てみても分かる通り、昔からある喫茶店はとても個性豊かで同じメニューを置いているはずなのに、全く違うものと出会えます。近年、どんな飲食店も若者の客層やSNS映えを意識したメニュー作りを避けられなくなっていると感じます。それが逆に今の若い世代には身近になりすぎてしまったと感じることもしばしば。
しかし、昔からある喫茶店はSNS映えなど一切お構いなしに、経営者やオーナーの自由な個性の表現と優しさで作られています。個性的なインテリアも、山盛りに盛られたクリームなども、今の飲食店で再現しようとしても、高度経済成長期に爆発的に流行した喫茶店とは時代の事情が違うため、どうしても困難でしょう。そんな唯一無二の存在にZ世代などの若い世代は惹かれるのだと考えます。
SNSで身近なものになった「喫茶店」という存在は、今の時代にはない独自の個性とメニューからも感じる優しい雰囲気に、居心地の良さを感じることから、今Z世代に人気が出ているのでしょう。そして今新たに、若い世代がお店を引き継いだり、新しい喫茶店の形を模索したりといった動きもあります。今後も喫茶店のトレンドには目が離せません。
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