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次々と新しいスタイルが生まれているドリンク類。飲食店でもオリジナリティーのある個性派ドリンクが求められるようになっています。そこで、素材や生産者の思い、ストーリーなどで差別化を図りやすいのが、クラフトドリンクです。既にキーワードとしてクラフトビール、クラフトジンといったドリンクが流行していますが、実は、まだまだあるんです、「クラフト◯◯」。
定番のアルコール飲料から、コーラにコーヒー、エナジードリンクまで!大注目のクラフトドリンクをご紹介します。
「クラフトドリンク」とは?どんな種類があるの?
そもそもクラフトドリンクの定義とは何なのか、ご存知でしょうか?
実は、明確な定義はないのです。手工芸の意味を持つ「craft(クラフト)」から、食品におけるクラフト◯◯は、多くの場合が原材料や製造工程にこだわって丁寧に作られているもののことを指します。つまり、クラフトドリンクとは、「丁寧に造られた飲料」のことなのです。そこに、自然由来である素材や生産工場の規模、製造工程などの要素が加わって、ドリンクの個性となっています。かつては家具や玩具に対して使われることの多かったクラフトという言葉ですが、近年ではクラフトドリンクをはじめ、クラフトチョコ、クラフトドーナツ、クラフトピザ…等、飲食業界でもよく耳にしますね。新しいものと言うよりは、これまで慣れ親しんで口にしていたものに対して「大量生産ではなく職人によって丁寧に造られたもの」を求める人達が増えているのです。
丁寧に造られた、という点で言えば、ドリンクの種類だけそれに付随してクラフト◯◯が有り得るということになります。今回は、特に個性豊かで既に競争が始まっているジャンルを中心に取り上げていきます。
クラフトコーラ
家でも作れる手作りコーラから、日本のハーブを配合したジャパンクラフトまで…もはやコーラと一言で言うには、あまりにも奥が深すぎます。
伊良コーラ
連日テレビや雑誌等のメディアで紹介されている「伊良(イヨシ)コーラ」は、世界初のクラフトコーラ専門メーカーです。昨今のクラフトコーラブームの火付け役と言っても過言ではありません。これまでのコーラの概念を覆す、まろやかながらスパイスの効いたフレーバーを展開しており、定番の「魔法のシロップ」はボトルでも販売しているので自宅で炭酸で割って楽しむことが出来ます。スタイリッシュでオシャレなパッケージが、ジャパニーズモダンとコーラの親和性を立証させています。
伊良コーラ IYOSHI COLA | クラフトコーラ専門店
ともコーラ
原材料からコーラの歴史に着目し、嗜好品としてよりも薬膳飲料としての元々のコーラの存在意義に寄り添って立ち上げられたブランドが「ともコーラ」です。とことん素材にこだわり、国産材料とコーラの良いところを融合させて生み出される優しい味わいは、他のコーラでは経験することは出来ません。調香師の方がブランドを立ち上げたというヒストリーにも納得です。ブランド理念が共感を呼び、取り扱い店舗がじわじわと増えています。
UMAMI COLA
「UMAMI COLA」は、健康飲料として人気の高まっているクラフトコーラです。米麹をベースに様々なスパイスを配合して作られており、美容やダイエットにも効果的と評判が上がっています。これまでのコーラの立ち位置からはなかなか想像できませんが、もはやコーラは子供向けのジュースではありません。
UMAMI COLA(クラフトコーラ) – 世界で一番体に良いクラフトコーラを目指して
日々乃コーラ
罪悪感なし!がキャッチコピーのクラフトコーラブランド。炭酸だけでなくワインやビールで割っても美味しく楽しむことが出来ます。素材の旨味が凝縮されていて、料理の際に調味料としても活躍してくれます。個性的でアーティスティックなロゴイラストは、Tシャツなどのグッズも展開されています。
日々乃コーラ | ORGA WORKS オルガワークス株式会社 (orga-works.co.jp)
三ツ矢クラフトコーラ
サイダーでおなじみの三ツ矢もクラフトコーラを販売しています。大手メーカーの商品ラインナップがまだ少ない中、缶やペットボトルで手に取りやすい形を三ツ矢がいち早く実現しました。原液ではなくそのまま飲める炭酸飲料なので、これからクラフトコーラを極めたいという方には味も値段も優しくなっています。
三ツ矢|商品情報|アサヒ飲料 (asahiinryo.co.jp)
手作りコーラ
実は、コーラって水やスパイス等の材料を煮詰めるだけで、家でも作れるんです。もちろん全ての材料がスーパーで購入可能です。基本の分量から調整して味の濃さを変えたり、苦手なスパイスを除いたり、自分だけのオリジナルコーラとしてSNSでは少し前から盛り上がりを見せています。作成動画をアップするユーチューバーも多いですね。原液と炭酸水を別で提供し、お客様に混ぜてもらうことで完成するコーラをメニューとして扱うお店も増えています。
クラフトビール 〜ラガーとエールの違い〜
ビールにおける「クラフト」は、主に醸造所の規模で判別されています。大量生産ではない丁寧に作られたビール、として今や発泡酒やノンアルコールに次いで多くの種類が展開されているクラフトビールについて、味わいや特徴別に代表的な種類をご紹介します。
ちなみにビールの種類は大まかに言うと「ラガー」と「エール」二つに分かれますが、この二つの違いはズバリ発酵のさせ方の違いです。
「ラガー」は低温で長期間発酵させる下面発酵という方法で造られたもので、低温で発酵させることで雑菌の繁殖をおさえ、品質を一定に保つことが出来ます。飲みやすさが特徴で、大手メーカーからもたくさんの種類が発売されています。
一方「エール」は上面発酵という方法で造られています。上面発酵は下面発酵よりも歴史が古く、高温短時間で発酵させる方法です。技術が必要なため大量生産されることはあまりなく、深い味わいと苦みやコクを楽しむことが出来ます。
種類の名称と共に発酵方法も記述致しますので、是非ご参考ください。
ピルスナー(ラガー)
明るい黄金色のボディにスッキリとした味わいで飲みやすく、世界中で飲まれているビールの約7割がこのピルスナーだと言われています。発祥の地はチェコで、日本の多くのメーカーが商品開発のお手本にしてきたため、日本人にはとても馴染み深い味のビールと言えます。一般的には香りが高くないものが多いですが、飲みやすさはそのままに芳醇な香りを楽しめるのがピルスナーのクラフトビールです。苦みがしっかりときいているものも多いですね。いつものビールよりもう少しビールの濃さを楽しみたい、という方にオススメです。
シュヴァルツ(ラガー)
ドイツ生まれの黒いラガービールです。意外にもスッキリとした味わいが特徴。苦みはカカオやコーヒーに近く、クラフトビールとして生産されているものは、メーカーによって苦みの感じ方がかなり変わってきます。ワインのように飲み比べて、おつまみに合わせて選ぶ…なんて楽しみ方も出来ますね。
ペールエール(エール)
エールビールの中でも淡い(=ペール)色のビールとして分類されるのがペールエールです。香り高いのが特徴で、クラフトビールでは銘柄によって様々な香りを堪能することが出来ます。苦みの広がり方も銘柄によって異なりますが、総合して控えめなので、是非気軽に試してみてください。
IPA(エール)
インディア・ペール・エールの略称です。イギリスからインドへ送るために造られたという歴史があり、輸送時間を耐えるために大量にホップが投入されたことから、非常に苦みが強くなっています。クラフトIPAも様々な種類が造られていますが、どれも強烈でインパクトのある味です。上級者向けではありますが、ハマるとクセになる美味しさです。
クラフトジン
普通のジンとクラフトジンについて、明確な定義の違いはないものの、ビールと同じく小規模な蒸留所で造られたものをクラフトジンと呼ぶことが多いです。度数の高いものが多くなかなかチャレンジしにくい側面もありますが、色々な割り方を楽しめるのもジンの特徴。国内の人気銘柄と、オススメの割り方をご紹介します。
HOLON
ジンとしては低めのアルコール度数(40度未満程度)で造られているので、飲みやすく口あたりがまろやかです。厳選したスパイスを配合しており、香り高いのが特徴です。オススメの割り方はお茶割り。日本茶やウーロン茶等、お好みのお茶2:HOLON1で割ってみてください。HOLON特有の香りはお茶と相性が良く、和菓子にも合うんです。
HOLON | A HANDCRAFTED GIN FOR HOLONIC THOUGHT AND LIFE. – HOLON GIN
ROKU
桜や柚子等の日本を代表する素材を使用し、繊細な味わいに仕上がっています。オススメの割り方はシンプルにソーダ割り。素材の味わいを充分にご堪能ください。
ジャパニーズクラフトジン ROKU<六ジン(ロクジン)> サントリー (suntory.co.jp)
油津吟(ゆずぎん)
「油津吟」最大の特徴は、ベースに芋焼酎を使用していることです。焼酎の蔵元である京屋酒造によって、昔ながらの焼酎造りの技術を活かして造られています。オススメの割り方は水割り。丁寧な技法で抽出されている素材の香りを楽しみましょう。
京屋酒造公式ショッピングサイト / 油津 吟 YUZU GIN (kyo-ya.com)
よきつき
日本酒をベースにしているため、他にはないお米の甘さが広がるのが特徴です。水割りがオススメ。いちごやみかん等、食べ慣れた素材とお米が生み出すハーモニーに酔いしれます。
長崎のクラフトジン「よきつき(令月)」40度720ml|佐世保ふるさと市場サセボーノ!! (sasebo-bussan.com)
様々なクラフトドリンク
コーラやビール、ジンといったメジャーなクラフトドリンクをご紹介してきましたが、知る人ぞ知るクラフトドリンクがまだまだあります。
クラフトコーヒー
近頃ではペットボトルでも販売され、その売り上げを伸ばしているクラフトコーヒー 。従来のコーヒーより薄味に感じるのが特徴です。ビジネスシーンに登場することの多いコーヒーを、長い時間飽きずに楽しめるようにと、薄味になっているんですね。
エナジードリンク
生姜やはちみつ等の身体に良い素材をたっぷりと独自配合したエナジードリンク、「レイセンス・ドラフト」が健康志向の三〜四十代の間で話題になっています。これまでのエナジードリンクと違い、身体を根本から元気にして健康良好状態の持続を目指します。まだまだ開発途中の分野ですが、エナジードリンクの概念も変わってきそうです。
THE MID
食事と一緒に楽しむ、ミドルドリンクという新しい発想のクラフトドリンクが「THE MID」です。ジュースのように甘くないから、幅広い食事に合います。ノンアルコールなので、アルコール値を気にしている人にぴったりなスタイルですね。
ミドルドリンク THE MID(ザ ミッド) (themid-drink.com)
KIMINO
フルーツジュースと言ってしまえばそうなのですが、KIMINOは自然環境保護の理念を持ち伝統的な収穫方法で収穫された決して大きくはない農家の果物を使用しています。市場に滅多に出回らない質の高い素材で造られた、フルーツジュースのクラフト飲料です。
まとめ
クラフトドリンクには様々な種類がありますが、共通しているのは「丁寧に造られていること」。
お気に入りのドリンクを見つけたら、その背景やヒストリーを追求して、生産者に思いを馳せながら飲めば美味しさもより一層際立ちます。個性豊かなクラフトドリンク、これからも新ブランドの登場が楽しみです。
「hibana」では、今後も飲食業界のトレンドに注目していき、情報を発信していきますので、宜しくお願い致します。
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