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「割れない器」を超えて、食卓の未来をデザインするブランドへ

「1000回落としても割れない器」として多くの家庭や飲食店から支持を集める「ARAS(エイラス)」が、2026年6月24日に新商品発表会を開催しました。
今回発表されたのは、電子レンジ対応シリーズ「HC(ヒートコレクション)」の新商品4アイテム。新たな質感とカラーを採用し、機能性だけでなくデザイン性も大きく進化したシリーズです。
しかし、この日の発表会で印象的だったのは新商品の紹介だけではありません。
石川樹脂工業株式会社 専務取締役の石川勤氏が語ったのは、「Designing the Future of Food Experiences(食体験の未来をデザインする)」というARASのミッションでした。
器は料理を盛るためだけの道具ではなく、人の暮らしや食文化そのものを豊かにする存在。その思想のもと、石川県加賀市から世界を目指すブランドの挑戦が、新たなステージへ進もうとしています。
伝統工芸の町・加賀から生まれた、新しい器ブランド

ARASを展開する石川樹脂工業株式会社は、1947年に石川県加賀市で創業したものづくり企業です。
加賀市といえば、「山中漆器」や「九谷焼」といった日本を代表する工芸文化が根付く地域。そうした伝統を受け継ぎながら、樹脂という新たな素材に挑戦し、現代のライフスタイルに寄り添う器づくりを続けています。
発表会では、石川氏が「工芸の歴史を受け継ぐだけでなく、その先の未来をつくりたい」と語り、日本の食文化を支える新たな器ブランドとして世界へ挑戦するビジョンを紹介しました。
「赤字会社」から生まれたARASという挑戦

石川樹脂工業株式会社 専務取締役 石川 勤氏
石川氏は、自身のキャリアについても率直に語りました。
東京大学卒業後、世界的消費財メーカーP&Gで約10年間、経営戦略や財務管理に携わり、その後、家業である石川樹脂工業へ入社。
しかし、そこで待っていたのは決して順風満帆な状況ではありませんでした。
- 赤字経営
- 地元・加賀市は消滅可能性都市
- 顧客の倒産
- 営業部門・幹部社員の退職
- 社員による不正
など、会社が数々の困難に直面していたことが紹介されました。
そうした状況の中でも、「うつわの産地としての誇り」と「樹脂の可能性」を信じ、素材・技術・デザインを一から見直して誕生したのがARASです。
現在では累計販売枚数300万枚を突破し、Instagramリールの総再生回数は1億回を超えるなど、多くのユーザーから支持されるブランドへと成長しました。さらに、2025年には加賀市のふるさと納税寄付額の約3分の1をARASが占めるまでになっています。
目指すのは「新しい食器カテゴリー」の創造

ARASが目指しているのは、「割れない器」を販売することではありません。
発表会では、陶磁器や漆器に続く新しい食器カテゴリーを創り出したいというビジョンが語られました。
ガラスと樹脂を組み合わせた独自素材によって実現した、
- 1000回落としても割れにくい耐久性
- 軽さ
- 美しいデザイン
- 長く使えるサステナビリティ
これらすべてを兼ね備えた器は、従来の樹脂食器とは一線を画す存在です。
「丈夫だから選ぶ」のではなく、「美しいから毎日使いたくなる」。
そんな新しい価値を提案していました。
電子レンジ対応「HC(ヒートコレクション)」がさらに進化

今回発表された新商品は、電子レンジ対応シリーズ「HC(ヒートコレクション)」の新ラインアップです。
新たに発売されるのは、

- 深皿スクープ HC

- 深鉢ミルー HC

- お茶碗 HC

- 汁椀 HC
の4アイテム。
ARASを代表する人気商品を、電子レンジ対応へアップデートしました。
共働き世帯の増加や冷凍食品・作り置き文化の定着により、温め直しは日常の当たり前となっています。
そんな現代の食生活に合わせ、「使いやすさ」と「美しさ」の両立を目指したシリーズです。
何度も試作を重ねて完成した、陶器のような質感

今回の新シリーズで最も注目したいポイントは、新たな質感です。
取材では、「何通りもの樹脂配合を試し、ようやく理想の質感にたどり着いた」という開発秘話も紹介されました。
電子レンジ対応という機能を維持しながら、陶器のような深みや手触りを再現することは非常に難しく、試行錯誤を重ねた結果、独自配合による新素材が完成したといいます。
実際に手に取ると、樹脂とは思えないほど落ち着いた質感で、見た目も陶器そのもの。機能性だけでなく、器としての美しさが大きく向上していました。
料理を引き立てる「グレイズカラー」も新たに採用
新シリーズでは、釉薬から着想を得た「グレイズカラー」も新たに登場します。
ラインアップは、

- グレイズブラック

- グレイズグレー

- グレイズブラウン

- グレイズブルー

- グレイズレッド
の5色。
発表会では、
「季節の料理や食卓の雰囲気に合わせて、器も着替えるように楽しんでほしい」
という想いも紹介されました。

料理を引き立てるだけでなく、食卓全体をコーディネートする楽しさまで提案しています。
「道具が暮らしを進化させる」——デザインに込められた思想

secca inc. 代表取締役 上町 達也氏
ARASのデザインを手掛けるsecca inc. (株式会社 雪花)は、「工芸を進化させる」というテーマを掲げています。
取材では、
「道具が生活様式を進歩させ、その生活様式の変化が、また新しい道具を生む」
という考え方が紹介されました。
電子レンジ対応という機能追加も、単なる便利さの追求ではありません。
忙しい現代の暮らしに寄り添いながらも、食卓の美しさや豊かさを失わない——そんな価値観が、この新シリーズには込められています。
2027年、新工場稼働。加賀から世界へ
ARASは2027年3月、石川県加賀市にARAS専用工場を新設予定です。
新工場では、
- AI検査機
- 産業用ロボット
- 熟練職人による仕上げ
を融合した生産体制を構築し、最先端技術と伝統技術を両立したものづくりを実現します。
大量生産だけではない、人の手による繊細な仕上げも大切にしながら、「地方発・世界基準」のブランドを目指す考えです。
石川氏は、日本食文化とともにARASを世界へ届けることを目標に掲げ、「食体験の未来をデザインするブランド」として挑戦を続けていくと力強く語りました。
発売記念「エイラス夏の皿祭」も開催

新シリーズの発売を記念して、2026年7月10日から7月20日まで「エイラス夏の皿祭」を開催。
電子レンジ対応シリーズを中心に、最大1万円オフとなるセット商品や、お得なスターターセット、新しいギフトボックスも展開されます。
初めてARASを使う人はもちろん、大切な人への贈り物としてもおすすめの内容となっています。
器が変われば、食卓も変わる。ARASが描く新しい食文化

今回の発表会で感じたのは、ARASが目指しているのは「割れない器」をつくることではなく、これからの食体験そのものをデザインすることだという点です。
丈夫さや電子レンジ対応といった機能性に加え、陶器のような美しさ、料理を引き立てるデザイン、そして長く使い続けたくなる品質。そのすべてが、現代の暮らしに寄り添うために磨き上げられていました。
加賀の伝統工芸と最先端技術を融合させ、日本から世界へ新たな食文化を発信しようとするARAS。その挑戦は、単なる食器ブランドの枠を超え、日本のものづくりの未来を示す一歩となりそうです。
ブランド情報
ARAS(エイラス)
- コンセプト:「強く、美しい、カタチ。」
- 発売開始:2020年
- 累計販売枚数:300万枚突破
- 新シリーズ発売日:2026年7月3日
- 発売場所:公式オンラインストア・全国取扱店
公式サイト:https://aras-jp.com
企業情報
石川樹脂工業株式会社
所在地:石川県加賀市宇谷町タ1-8
創業:1947年
事業内容:食器雑貨事業・工業製品事業・仏具事業・OEM事業
2027年3月にはARAS専用工場の稼働を予定し、「Designing the Future of Food Experiences」を掲げ、日本のものづくりを世界へ発信するグローバルブランドを目指しています。
URL:https://www.ishikawajyushi.net/
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