今回はマーケティングと商品開発の関連性についてご紹介していきたいと思います。
まずその前に、マーケティングを理解するための基本として、「マーケティングとは?」を復習しておきたいと思います。
アメリカの「アメリカ・マーケティング協会」の定義
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
経営戦略で有名なピーター・ドラッカーの言葉
マーケティングの究極の目標は、売り込みを不要にすることだ。
ちなみに、私個人としては「売れる仕組みをつくること」の一言につきると考えています。
商品開発~市場参入プロセス
STEP1 コンセプト開発
- 製品コンセプト開発
- コンセプト・スクリーニング
STEP2 事業性検討
- 市場調査/事業経済性分析
- 事業の検討/意思決定
STEP3 戦略策定・製品開発
- 事業戦略策定
- 製品開発
- テストマーケティング
- 製品の生産
STEP4 市場参入
- 新製品の市場参入
- 市場導入後の分析
全体としては以上の流れになるかと思います。
では、より具体的にどのようなことをするか確認していきたいと思います。
コンセプト開発
製品コンセプト開発
一言で言うと、「どんな商品をつくるのか?」です。アイデアを出し合うということともいえます。4W3Hで考えるとより具体的に落とし込めるかと思います。
- WHO・・・誰に
- WHAT・・・何を
- WHERE・・・どこで
- WHY・・・なぜ売るのか
- How much・・・いくらで(価格は?)
- How・・・どのように?(販売方法は?)
- How many・・・どれだけ売るのか(売上目標は?)
以上のようなポイントを軸にして、ブレストでアイデアを出し合うと良いかと思います。
コンセプト・スクリーニング
コンセプトを議論して、取捨選択することを意味します。要するに、意見をブラッシュアップしてまとめる作業になります。
事業性検討
コンセプトを議論した結果、会社としてその事業をやるのか、やらないのかを決断する作業になります。
市場調査
ここでは、あらゆる確度から事業の可能性を調査することになります。
- 自社の強みを活かせる事業なのか?
- 競合商品はどうなのか?
- 市場の将来性はあるのか?
- 販売、流通経路はどうするのか?
などをもとに検討することになります。
事業経済性分析
市場調査を実施し、検討するデータを集めます。そして、そのデータをもとに事業として成り立つのか(ビジネスとして儲かるのか?)を定量的に判断していくことになります。
戦略策定・製品開発
ここからはSTEP2で事業をやる結論が出た場合に進むフェーズになります。
事業戦略策定
ここでは具体的な戦略を立案するフェーズになります。
- どのくらい売れるのか?どのくらい売るのか?(売上計画)
- どうやって売るのか?どこで売るのか?(販売戦略)
- どのような組織で実行するのか?(組織戦略・人材配置)
製品開発
当社検討したコンセプトをもとに具体的な製品を開発していく段階になります。
ただここで注意する点としては、良い製品を作ることは重要ではあるものの、売れる製品を作る必要があるということです。
つまり、製品を販売するターゲット「誰が」、何のために「課題解決」、使われ方「どのようにして」利用するのかをイメージすることが大切になります。また同時にどのようにPRして、どのようなチャネルで販売していくのかまで想定することも重要なポイントになるかと思います。
テストマーケティング
ここでは製品の生産に入る前に、試験販売でカスタマの反応を確認するフェーズとなります。これまでの仮説をもとに進めてきた、製品コンセプトや販売戦略の答え合わせ的な段階になるかと思います。
ここでのテストをもとに製品のコンセプトや販売戦略を見直し、最終的なマーケティング・プランに落とし込む作業を行います。具体的には「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」そして、「4P(マーケティング・ミックス)」を確定させることになります。
製品の生産
戦略(仮説)・製品開発(試作)・テストマーケティングをもとに最終的な事業戦略をまとめ、製品の生産に入ることになります。
市場参入
新製品の市場参入
市場に投入し、浸透させるフェーズになります。
- セグメンテーション
- ポジショニング
- ターゲティング
- 4P(マーケティング・ミックス)
製品の立ち位置をしっかりと把握し、ターゲットに刺さる広告やPRを仕掛けていくことになります。
現代ではプレスリリース、動画やSNSを活用したマーケティングが主流になりつつあります。いかにターゲットとの接点を多く持ち、興味を持ってもらうかが重要になるかと思います。
市場導入後の分析
ここでは、マーケティング戦略についてPDCAを回す作業になります。
- 売上の状況は?
- ブランドの認知度は?
- 顧客の反応は?
事業計画に合わせて、KPIを設定し、いかに売上を上げるかを検討することになります。
答えはなく、これまでの仮説をブラッシュアップさせながら、いかに目標まで駆け上るのかが重要になります。
もちろん、これまでのマーケティング・プランを見直す場合もあるかもしれません。また、カスタマの動向や競合の対策も必要になります。
まとめ
マーケティングとは以上の流れをPDCAを回しながら最適化し、製品の売れる仕組みをつくることになります。
絶えずいろんな手段を使って答えを導き出すマーケティングプロセスにとても魅力を感じますね。フードビジネスに関しても、お客様に支持される飲食店、食品を開発するために「マーケティング戦略」は必要になります。ぜひこちらの記事でご紹介した基本知識を取り入れて、現在のビジネスを見直してみてはいかがでしょうか?
思考を続け、商品やサービスが売れる兆しが見えた瞬間がこのマーケティングの醍醐味かと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。