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スマホで料理を撮影したら、その写真を積極的に使ってお店のPRをしましょう。フェイスブックやインスタグラムで情報発信する、手作りのメニューやチラシを作る、お店の前に置く看板に写真を掲載するなど、使い方はいろいろあります。時には、料理関連のwebサイトを作っている会社から「お店のご紹介をしたいので写真を貸してください」という依頼を受けることもあるかもしれません。
この「中級・後編」では、実際に写真を使う場合に押さえておくと便利な知識をご紹介します。
デジタル写真のサイズについて
近年では、スマホに付属しているカメラの性能が良くなり、写真のクオリティも非常に良くなっています。同時に、写真のデータサイズが大きくなり、1枚の写真の容量が重くなってもいます。写真のデータサイズが大きいと画質が良くなりますが、重くて扱いづらいということにもなりかねません。そこでまずは、写真のサイズについての基本的な知識を身に付けておきたいと思います。
何のために使うか決まってますか?
「写真を何のために使いますか?」と聞かれて、「とりあえず撮っておく」と答える方もいるでしょう。あるいは、「ひとまずインスタグラムに投稿するけど、後でいろいろなことに使う」という場合もあるかもしれません。写真は用途によってサイズを変えた方が良い場合が多く、サイズが適切でないと使えないという事態にもなりかねず注意が必要です。
写真のサイズは2種類ある(データサイズについて)
デジタル写真の場合、「写真のサイズ」というと2種類の意味があります。ひとつはデータサイズ。画素数や解像度、ピクセルという言葉で表現されたり、MB(メガバイト)やKB(キロバイト)などで表されることもあります。
ここで大事なのは、web用には小さい軽いサイズの写真が使いやすく、印刷用には大きい重いサイズの写真が必要だということです。webで大きい重い写真を使うと、ページを開くのに時間がかかってしまったり、最悪の場合写真が表示されなかったりという不具合が出てきます。また、印刷用に小さい軽いサイズの写真を使うと、モザイクが出てしまい画質がざらついたりぼやけたりしてしまいます。
スマホで写真を撮ると、1枚につき2~3MB、あるいはそれ以上のデータサイズになることがあります。実は、webで使う写真には2~3MBも必要ありません。webで快適に見てもらうためには、データサイズを小さくリサイズすることをおすすめします。
写真のサイズは2種類ある(プリントサイズについて)
「写真のサイズ」といった場合、印刷時に使うプリントサイズを意味することもあります。印刷物を作るときは、縦〇㎝×横〇㎝というサイズを確認し、もし必要ならトリミング機能を使って縦横の比率を変更する、という手順を踏むことになります。
「写真を何に使うか決めていないけど、とりあえず撮っておこう」という場合は、web用の小さい軽い写真を撮影するのではなく、印刷用の大きくて重い写真を撮影するようにしましょう。なぜなら、デジタル写真では大きいサイズの写真を小さくリサイズすることはできますが、小さい写真を大きくリサイズして使うことはほぼできないためです。
写真を使いやすいように管理する
写真を使いたいときに、「あの写真どこにいっちゃったかな」「先日撮ったんだけど見つからない」という経験はありませんか。スマホをカメラ代わりに使っていると、写真を撮るのが手軽で簡単なので、たくさん撮影し写真アプリの中に何百枚も保存してあるという方がいると思います。たくさん撮影しても、いざ使いたいときにその写真が見つからなければ、写真はないのと同じ。そうならない為に写真を管理する習慣をつけましょう。また、お店で撮影した写真とプロのカメラマンが撮影した写真の違いを知って、写真を使ったPRを効果的かつ効率的に進めましょう。
アルバムやホルダーを作って管理する
スマホの写真ホルダーに写真が何百枚もあって、必要な時に必要な一枚がすぐに出てこないというのは、誰でも経験があるのではないでしょうか。使いたい写真が見つからないという状況は、写真がないのと一緒。そうならないように、写真を撮影した後なるべく早めにアルバムやホルダー別に振り分けて管理する習慣をつけましょう。
スマホの写真アプリの中に、「夏のメニュー」や「デザート」など、分かりやすい名前を付けてアルバムを作り保存しておくだけで、ずっと使いやすくなります。
スマホで管理しきれないほど写真がたくさんある場合や、大きい画面で見た方が管理しやすい場合は、写真をパソコンに移してしまいましょう。
尚、写真が増えれば増えるほど、アルバムやホルダーを細かく作るのがおすすめです。
キャプションを付けて整理する
何百枚もの料理写真があると、似たような絵柄が増えてくるかもしれません。あるいは、新メニューの名前や税率変更後の値段などは、撮影時に確認しても数日で忘れてしまうこともあります。料理写真を広報ツールとして使う場合は、メニューの名前や値段などの情報が必要になることが度々ありますので、キャプション部分にメニューの名前や値段など必要な情報を書き加えておくようにすると非常に便利です。
スマホの写真アプリでもキャプションを書き入れることができますので、例えば「ナポリタン 1500円」などと入れておきましょう。撮影日時は自動的に写真データに記録されますので、キャプションに書き入れる必要はありません。
お店で撮った写真とプロの写真を使い分ける
自分たちで料理の写真を撮ってみたけれど、なかなか上手くいかない。撮影が結構難しくて、やっぱりプロのカメラマンのような写真は撮れない。あるいは、思いのほか手間がかかって大変だ、などと感じた方もいるかもしれません。確かに、いくらスマホの性能が良くなり簡単に写真が撮れるようになっても、上手に仕上げるためにはある程度の知識や手間、時間が必要だということが分かってくると思います。お店で撮った写真とプロに依頼して撮った写真の違いを知って、使い分けてみてはいかがでしょうか。
プロの写真は何が違う?
プロのカメラマンによる撮影は、当然のことながら使う機材が違いますので、写真の画素数などクオリティが違うのは想像できると思います。カメラだけでなく照明機材も適切なものを使い、料理撮影向きの環境を整えて撮影しますので、例えば雨の日で店内が薄暗くても、店内の照明が弱くても、そんな条件下でも一定レベルの仕上がりになります。
また、複数枚の皿を並べて撮影するときなどは、テーブルコーディネートのセンスが写真の仕上がりを左右し、皿数が増える程難しくなりますが、料理撮影に慣れたカメラマンであれば、フードコーディネーターがいなくてもある程度のセンスを身に付けています。
加えて、撮影量が多い場合や、全ての料理を同じアングルから同じサイズで撮影したいなど条件がある場合も、プロのカメラマンに依頼をした方がずっと早く仕上がります。
写真を使うときのポイント
- 2種類の写真のサイズに気を付けましょう。(データサイズとプリントサイズ)
- web用と印刷用で異なるサイズの写真を使いましょう。使いやすくリサイズやトリミングの工夫を。
- 写真をより気軽に便利に使えるように、スマホのアルバムやパソコンのホルダーに振り分けて管理しましょう。
- 撮影した料理のメニュー名や値段などはキャプションに書き入れて整理しましょう。
- お店で撮った写真はソーシャルメディアに使用。撮影が困難な場合や、写真のレベルを上げる必要がある場合などはプロに依頼し、写真を使い分けましょう。