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東京駅の目の前、八重洲に新たな「食の街」が誕生しました。
2026年9月10日に開業した、東京駅直結の大規模複合再開発「TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)」。その商業ゾーン「TOFROM YAESU Shop & Restaurant」には、八重洲で長年暖簾を守ってきた老舗から、東京を代表する人気店、新業態まで、飲食店を中心に個性豊かな68店舗が集結します。
今回hibana編集部は、開業に先駆けて行われたメディア内覧会を取材。
実際に施設を歩いてみると、そこにあったのは単なる大型商業施設ではありませんでした。
八重洲 日本橋やぶ久、唐人飯店、TaiKouRou TOKYO、割烹 嶋村といった、この街とともに歴史を刻んできた店。そして、Mixology salon、SHOKUDO PASTAVOLA、谷や TOKYO、ホームズパスタなど、東京の食シーンを彩る店々。
新しい建物の中に、八重洲らしい「路地」と「人のつながり」を残しながら、新たな食文化を生み出そうとする場所です。
今回は、そんなTOFROM YAESU TOWERの魅力と、実際に取材して注目した飲食店を紹介します。
東京駅直結「TOFROM YAESU TOWER」が2026年9月10日開業

「TOFROM YAESU TOWER」は、東京都中央区八重洲一丁目に誕生した、地上51階・地下4階、高さ約250mの大規模複合施設です。
オフィスや店舗だけでなく、医療施設、劇場・カンファレンス施設、バスターミナルなどを備え、東京駅前の新たな都市拠点として整備されました。
なかでもグルメ好きが注目したいのが、「TOFROM YAESU Shop & Restaurant」です。
「TOFROM YAESU THE FRONT」の地下階~地上2階、「TOFROM YAESU TOWER」の地下階~地上4階にまたがる約6,000㎡の商業ゾーンに、飲食店を中心とした68店舗が集結します。
ただし、すべての店舗が9月10日に一斉オープンしたわけではありません。開業日時点ではTOFROM YAESU TOWER内の55店舗が開業予定とされ、一部店舗と「TOFROM YAESU THE FRONT」は2026年冬以降、順次開業する計画です。
コンセプトは「個性がつながり、新しきが生まれる」

TOFROM YAESU Shop & Restaurantを理解するうえで重要なのが、
「個性がつながり、新しきが生まれる」
というコンセプトです。
八重洲はもともと、大小さまざまな飲食店や商店が路地に軒を連ね、人と人が交わりながら独特の街並みをつくってきたエリアです。
新施設では、その八重洲ならではの「多様性」と「界隈性」を現代的に再編集しています。
その象徴といえるのが、長年八重洲で愛されてきた老舗と、新しい東京の食文化を担う店が同じ施設の中に並んでいること。
170年以上の歴史を持つ「割烹 嶋村」や「TaiKouRou TOKYO」が装いを新たにする一方、ミシュラン一つ星獲得店から派生した新店舗なども出店しています。建築にも、その思想が反映されています。
一般的な商業施設のように人を建物内部へ集めるだけではなく、多くの店舗を路面側に配置。外壁には凹凸や隙間を設けた「箱積み」のデザインを採用し、小さな建物や路面店が連なる従来の八重洲の風景を立体的に表現しています。
歩いていると次々に異なる店が現れる感覚は、まさに現代版の八重洲の路地歩きです。
八重洲の歴史を受け継ぐ、注目の老舗飲食店

今回の取材で特に印象的だったのが、「新しい施設をつくるから、街の歴史をリセットする」のではなく、これまで八重洲・日本橋で育ってきた店を、新しい街へ引き継いでいることでした。
ここからは、まず八重洲の歴史を感じられる店舗を紹介します。
八重洲 日本橋やぶ久|1902年創業、名物「カレー南蛮そば」

1902年(明治35年)創業の老舗日本そば店「八重洲 日本橋やぶ久」。
日本橋本店で長年愛されてきた店が、TOFROM YAESUへ新たな一歩を踏み出しました。
自慢は、特注厚削りの本枯節から生まれる濃い汁と、初代から受け継がれてきた足踏み製法のそば。
なかでもぜひ味わいたいのが、同店で最も注文が多いという「カレー南蛮そば」です。蕎麦屋ならではの出汁をしっかり感じるカレーが麺に絡み、口に運ぶたびに香りと旨みが重なります。
さらに、鶏肉または豚肉、普通または辛口、そばまたはうどんと、好みに合わせて選べるのも特徴です。
店長の増田道仁氏は、歴史ある日本橋本店のすぐ近くへの出店について、これまでの顧客だけでなく、新しい施設を訪れる人々とも「末永く愛されるお店」を築いていきたいとコメント。老舗の伝統を守りながら、新しい時代へ進むというTOFROM YAESUそのものを象徴する一軒です。
公式サイト:https://www.yabukyu.com/
Mixology salon|八重洲という「原点」へ戻ってきたティーカクテルの名店

お酒好きなら訪れてほしいのが「Mixology salon(ミクソロジーサロン)」です。
日本を代表するミクソロジストの一人、南雲主于三氏が手掛けるバーで、今回の店舗では高品質な茶葉から生み出すティーカクテルを主役に据えています。
遠心分離機、減圧蒸留、真空調理などの技術を取り入れながら素材を再構築し、一般的な「お茶のお酒」とは異なる一杯へ。
看板メニューは、「京都・宇治白河の抹茶を使用したグリーンティファッションド」と、「京都・宇治和束町の玉露を使った玉露マティーニ」です。
グラスから立ち上がる茶葉の香り、口に含んだ瞬間の奥行き、そして時間とともに変化する味わい。
「お茶」と「カクテル」というカテゴリーの境界を越えていくような体験が楽しめます。
そして、この出店にはもうひとつ物語があります。
南雲氏にとって八重洲は創業の地。
「すべてがここからスタートしました」と振り返り、八重洲を自身にとっての「故郷」「会社の原点」と表現しています。
新しい店でありながら、「帰ってきた店」でもある。そんな背景を知ってグラスを傾ければ、一杯の印象も少し変わってくるかもしれません。
公式サイト:http://spirits-sharing.com/
唐人飯店|約60年受け継がれる、本格四川麻婆豆腐

刺激的な辛さと奥深い旨みを求めるなら「唐人飯店」へ。
1964年(昭和39年)創業。四川料理を日本にもたらした“四川の父”直伝の初代料理長とともにスタートし、約60年にわたり本格四川料理を提供してきました。
名物はもちろん、「本格四川麻婆豆腐」。
豆豉と肉味噌に自家製辣油を絡め、最後に山椒を効かせます。 「唐人飯店伝統の名物!麻婆豆腐」として1,540円(税込)で紹介され、希望に応じて辛さの調整も可能とされています。
単純に「辛い」だけではなく、肉味噌のコク、自家製辣油の香ばしさ、山椒の鮮烈な香りが重なっていくのが魅力です。
支配人の山野勝氏が語るのは、受け継いできたものは「単なるレシピではない」ということ。
料理への情熱と八重洲で積み重ねてきた歴史を土台にしながら、新しい食体験を発信していく。その姿勢からも、伝統を保存するのではなく、次の時代へ更新するという意思が伝わってきます。
公式サイト:https://tojinhanten.com/
TaiKouRou TOKYO|約12cmの「ジャンボ餃子」は健在

八重洲グルメを語るうえで外せない一軒が、1949年創業の「TaiKouRou TOKYO」です。
四代にわたり八重洲で暖簾を守ってきた老舗中華料理店が、再開発を機に「TOKYO本店」として新たなスタートを切りました。
名物は、圧倒的な存在感を放つ約12cmの「ジャンボ餃子」。
もっちりとした自家製皮の中にジューシーな餡がたっぷり。資料には「この大きさでも何個でも食べられる」と長年愛されてきた一品と紹介されています。
こんがり焼き上がった皮に箸を入れれば、中から肉汁を含んだ餡が現れます。見た目は豪快ですが、食べ疲れしにくいバランスに仕上げられているのも、長年支持されてきた理由でしょう。
同店が目指しているのは、TOFROM YAESUの開業をきっかけに、八重洲を単なる通過地点ではなく、国内外の人が「わざわざ訪れたい街」にすること。
東京駅前という立地と、長年地域に根付いてきた店の歴史が交わる、新しい八重洲の顔になりそうです。
公式サイト:https://www.taikourou.com/tokyo/
割烹 嶋村|170年を超える歴史を、次の八重洲へ

TOFROM YAESUの「歴史」を最も象徴する店のひとつが「割烹 嶋村」です。
創業は嘉永3年、1850年。
170年以上にわたって暖簾を守り、大江戸料理屋番付にも名を連ねた歴史を持ちます。
名物は「金ぷら重」や「うづら椀」。さらに、四季折々の旬を取り入れた会席料理を提供します。
特に興味深いのが「幕末会席」です。
1850年代頃に残された同店のレシピをもとに当時の料理を再現したもので、胡麻酢和え、うづら椀、鯛刺身、鯛かぶと煮、蒸し玉子、きんぷら、水菓子などで構成されています。
「新しい東京駅グルメ」を探しに来た先で、江戸から幕末へと続く東京の食文化に触れる。
その時間軸の長さこそ、TOFROM YAESUならではの面白さではないでしょうか。
Instagram:https://www.instagram.com/kappoushimamura/
東京駅ランチにも注目。新しい食の選択肢が集結
歴史ある店だけではありません。東京駅・八重洲エリアで働く人のランチや、東京駅を利用する人の日常使いにも魅力的な店が揃っています。
SHOKUDO PASTAVOLA|もちもち生パスタ×ウニ・イカ・明太子

生パスタ好きに注目してほしいのが「SHOKUDO PASTAVOLA」。
看板メニューは「ウニとイカと明太子のスパゲッティー」1,650円(税込)です。
PASTAVOLAで一番人気というメニューで、最大のポイントはもちもちとした生パスタ。
そこへウニ、イカ、明太子という旨みの強い食材を合わせます。

濃厚なウニのコク、明太子の塩気、イカの食感。それを生パスタが受け止める、満足感の高い組み合わせです。
東京駅周辺で「しっかりパスタを食べたい」という日のランチ候補としても覚えておきたい一軒です。
公式サイト:https://trotto.co.jp/restaurant/
谷や TOKYO|毎朝踏み込む麺と、4時間以上かけて引く出汁

うどん派なら「谷や TOKYO」。
看板メニューは「かしわ天うどん」1,400円(税込)です。
同店の一日は、職人が生地を素足で踏み込む「朝踏仕込(あさふみじこみ)」からスタートします。
打ちたて、切りたて、湯がきたての自家製麺に合わせるのは、いりこ・昆布・かつおを使い、4時間以上かけて引いた出汁。
そこへ揚げたてのかしわ天をのせます。

弾力のある麺をすすり、出汁の香りを感じ、熱々のかしわ天を頬張る。シンプルな構成だからこそ、麺・出汁・揚げ物それぞれの仕事が伝わる一杯です。
公式サイト:https://udontaniya.com/shops/yaesu/
鮮肉鮮魚刺しと豆皿酒肴 粋刺し|刺身をもっと自由に楽しむ

和食を少し違った角度から楽しみたい人には、「鮮肉鮮魚刺しと豆皿酒肴 粋刺し」。
看板メニューは「旬魚粋刺し盛合わせ(1人前盛)」2,035円(税込)です。
白身魚には、藻塩を入れたエクストラバージンオリーブオイルと香味野菜を合わせるという提案。
さらに山葵や生姜は醤油に溶かすのではなく、刺身に直接のせることで香りを楽しみます。
刺身=醤油と山葵という固定観念にとらわれず、素材の個性をさまざまな組み合わせで味わう。
仕事帰りの一杯から、少しずついろいろな料理を楽しみたい夜まで、八重洲の新しい酒場の選択肢になりそうです。
公式サイト:https://iki-sashi.com/
12の名店が路地に並ぶ「YAESU 東京界」

TOFROM YAESUを訪れたら、ぜひ歩いてほしいのが2階に設けられた「YAESU 東京界」です。
ここには12の名店が集結。
一般的なレストランフロアとは少し異なり、八重洲の路地裏を思わせる空間の中に個性的な専門店が並びます。
ミシュラン一つ星獲得店「天よこた」から生まれた「天よこた 明日へ」をはじめ、ビブグルマン掲載実績を持つ店など、商業施設初出店の名店も集められています。
寿司、焼うお、うなぎ、焼肉、日本料理、牡蠣、韓国料理など、ジャンルもさまざま。
高級店を単独で配置するのではなく、小さな名店を路地のようにつなぐことで、店を選ぶ時間そのものを楽しませてくれるのが特徴です。
たとえば「焼うおいし川 八重洲」では、特上カルビなどに見立てた焼うお7種類、とらふぐ出汁の冷麺、野菜料理、ユッケ、デザートなどを楽しむ「おまかせコース」を6,600円(税込)で用意。
「八重洲 いっさい喝采」では、毎日精米した米と季節の食材を炊き込む「名物 炊き立て土鍋ご飯」を提供するなど、一軒ごとの専門性が際立ちます。
「今日はどの路地の店に入ろうか」
そんな感覚で店を選べることも、YAESU 東京界の楽しみ方のひとつです。
公式サイト:https://tofrom-yaesu.com/tokyokai/
ホームズパスタトフロム八重洲店|名物「絶望のスパゲッティ」が八重洲へ

3階で注目したいのが、「ホームズパスタトフロム八重洲店」です。
名物は、一度聞いたら忘れられない名前の「絶望のスパゲッティ」1,420円(税込)。
1986年の創業から愛されてきた元祖スープスパゲッティで、自家製ミートソースに生クリームとオリーブを合わせ、ニンニクと唐辛子でパンチをプラス。
さらにキノコとベーコンのソテーをトッピングした、具沢山のミートクリームスープスパゲッティです。
皿いっぱいに広がる濃厚なソースにパスタを絡めれば、ミートソースの旨み、生クリームのまろやかさ、ニンニクと唐辛子の刺激が一体に。
名前のインパクトだけでなく、「また食べたくなる」中毒性のある味わいが長年支持されてきた理由でしょう。
東京駅周辺でボリュームのあるパスタを探している人にもおすすめです。
公式サイト:https://homespasta1986.com/
食事の前後に歩きたい「檜物町スクエア」

飲食店巡りとあわせて注目したいのが、施設内に整備された「檜物町(ひものちょう)スクエア」です。
名称は再開発エリアの旧町名「檜物町」に由来します。
広さは約1,200㎡。高さ約7mの高木や、檜を使ったベンチ・テーブルなどが設けられ、上下階をつなぐ大きな吹き抜け空間となっています。

さらに1階には、日本三大祭りのひとつに数えられる「山王祭」で地域を巡行する檜物町のお神輿を常設展示。
最新の高層ビルの中で、かつてこの場所にあった町の記憶に出会えるのも印象的です。
施設には八重洲通り、八重洲仲通り、外堀通り、さくら通りという周辺4つの主要道路を結ぶ3本の接続通路も整備されました。
TOFROM YAESUだけで完結させるのではなく、施設を起点に八重洲の街そのものを歩いてもらう設計になっています。
「東京駅の目の前」から、「八重洲を目的地に」する場所へ

今回TOFROM YAESU TOWERを取材して感じたのは、この施設の魅力は「68店舗が入った大型商業施設」という数字だけでは語れないということです。
1902年創業の日本橋やぶ久、1949年創業のTaiKouRou TOKYO、1964年創業の唐人飯店。そして1850年から暖簾を守る割烹 嶋村。
その隣には、ティーカクテルという新しい体験を提案するMixology salonや、東京各地から集まった気鋭の飲食店が並びます。
古いものを残すだけでも、新しいものへ置き換えるだけでもない。
八重洲が持っていた路地文化、人の距離の近さ、店ごとの強烈な個性を、新しい都市空間の中でもう一度つなぎ直している。
そこにTOFROM YAESUの面白さがあります。
東京駅を利用する際のランチや仕事帰りのディナーはもちろん、「あの店を食べに八重洲へ行こう」と、八重洲そのものを目的地にする楽しみ方も増えていきそうです。
東京の歴史と、新しい食文化が交差する「TOFROM YAESU TOWER」。
一度ですべてを巡るのではなく、訪れるたびに一本ずつ新しい“路地”へ入ってみる。そんな楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。
TOFROM YAESU TOWER 施設情報

施設名
TOFROM YAESU TOWER(トフロム ヤエス タワー)
開業日
2026年9月10日(木)
所在地
東京都中央区八重洲一丁目6番1号
アクセス
東京駅直結
規模
地上51階・地下4階
高さ:約250m
主要用途
オフィス、医療施設、劇場・カンファレンス施設、バスターミナル、店舗、住宅など
商業ゾーン
TOFROM YAESU Shop & Restaurant
店舗数
飲食店を中心に68店舗
※2026年9月10日時点ではTOFROM YAESU TOWER内55店舗が開業予定。一部店舗およびTOFROM YAESU THE FRONT内店舗は2026年冬以降順次開業予定。
商業ゾーン面積
約6,000㎡
※各店舗の営業時間・定休日・予約方法等は店舗ごとに異なります。来店前に最新情報をご確認ください。
公式サイト:https://tofrom-yaesu.com/
Google:https://share.google/jlUYZ3HjkTUq3hOCv
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