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「KINKA」を展開している(株)KINKA FAMILY JAPAN 代表取締役の葛西さんにインタビュー。日本での新店舗オープンに向けて、熱い思いをもった仲間を募集中とのこと。カナダ本店の立ち上げのご経験もある葛西さんに、経営理念、今後のビジョンなどについてお話を伺いました。
会社紹介
株式会社KINKA FAMILY JAPANでは、渋谷と六本木に「KINKA sushi bar izakaya」を2店舗展開中です。
渋谷店は2016年9月のオープン以来、日本一号店として「KINKA」を先導し、盛り上げてきました。コロナ禍も乗り越えて2023年は8年目に入り、近隣のお客様から外国人観光客の方まで、幅広いお客様に支持されているそうです。
本店はカナダにある「JaBistro(ジャビストロ)」。トロントで和食の魅力を伝えていくため、日本食レストランとしてオープンしました。
創業背景
渋谷店内観
(株)KINKA FAMILY JAPANとして、本店のカナダから日本へ寿司バー居酒屋を逆輸入する形で、東京でお店を構えることに。目的は、人材の確保や日本の寿司、居酒屋、焼き鳥などの状況を海外へリアルタイムに伝えるためだったそうです。海外にいると日本の食に関する情報がすぐには分からないため、中継基地になるような店舗を作りたかったということ。
また、「KINKA」の特徴として、一般的な寿司屋というよりは、海外で好評だったスタイルを踏襲しつつ日本流にアレンジをして、KINKAブランドの魅力を打ち出しています。そのため、お客様は外国人観光客の方も多く、スタッフも海外志向の方が多く働いているそうです。
KINKAのコンセプト
六本木店内観
「KINKA」のコンセプトはずばり、「大人の隠れ家」。隠れ家という言葉からも伝わるようにワクワク感を大切にしています。そのため、純和風の伝統的な寿司屋のイメージというよりは、カジュアルでお洒落な温かみのある内観デザイン。カナダのデザイナーに依頼して海外の方にも親しみやすさを感じられる要素を取り入れています。また、「大人の隠れ家」の入り口には「ちょうちんあんこうのアンチャン」が。日常にポッと光を照らすような場所でありたいという思いが込められています。
「SUSHI BAR IZAKAYA」というカナダ発のスタイルのため、寿司だけではなく、アルコールに合うおつまみやワインに合うタパスもご用意。こだわりの日本酒・焼酎など和のテイストのカクテルもバーテンダーの方にお願いできます。
また、海外では食のスタイルも多種多様で、生魚が苦手だったり、宗教上の理由で食べることができなかったりする方もいる中、本店で炙り寿司や火の通ったお寿司も好評だったことから、「KINKA」でも新感覚の炙り寿司「炙りシャス」としてグランドメニューに取り入れています。
海外でお客様に好評をいただいたスタイルを、日本に導入していくというのは、会社としても大きな挑戦だったそうですが、今では都内に2店舗をオープンする程、日本のお客様にも受け入れられています。
日本ならではのこだわり
カナダの本店とは違う「KINKA」独自のスタイルについてもお聞きしました。
商品のひとつひとつが、本店と違い、日本人の口に合うお料理となっているそうです。また、ランチメニューを提供しているのも「KINKA」だけとのこと。寿司屋という枠に囚われず、シャリを生かして、宇和島鯛めしや、ローストビーフ丼などの人気メニューも生み出しています。
看板メニューの「炙りシャス」も、初期の商品からどんどん進化して今の形になっているそうです。また、ヒット商品の「モザイク押し寿司」では、押し寿司をサイコロ状にカットし、色々なお寿司を沢山のバリエーションで味わっていただきたいという思いから、一口サイズの押し寿司を16種類ご用意し、味を変えて楽しんでいただけるようにしているそうです。
もっと美味しく、もっとわかりやすく、もっとお客様に喜んでいただけるよう、日々研究、日々追求している、とのお話に胸が熱くなりますね。
また、「KINKA」では「日常に灯りを灯す場所」というコンセプトもあり、デートや記念日、お誕生日のお祝いなどの演出にも力を入れています。お祝い等の演出をお手伝いさせていただくことで、お客様には目一杯非日常を楽しんでいただきたいとのこと。
スタッフの皆さんにも、お客様は「楽しむためにお店に来てくださっている」ことをしっかり共有しています。そうすることで、お客様に積極的に楽しんでもらえるよう、礼儀は守りつつも、親しみやすくフレンドリーな会話が生まれるそうです。海外からのお客様も多いので、オープンマインドで笑顔で楽しくお話ができると、空気が変わり、活気も生まれるので、お客様とスタッフの皆で楽しい空間を作っていくことを常に心掛けているそうです。
葛西さんのご経歴
新卒で商社入社から海外へ
代表の葛西さんは大学卒業後に商社へ入社し、5年間はスーツにネクタイを身につけて仕事をする日々だったそうです。しかし、3、4年目に突入した頃、仕事もうまく行かなくなり、何のために働いているのかわからなくなった時期があるそう。そこで、今後何をしたいのか、ご自分をしっかりと見つめ直したところ、幼少期から就職するまで、ずっと続けていた「剣道」という軸を改めて発見し、また海外にも興味があったため、28歳の時に海外で剣道を教えるという道に進みます。
そこで、生徒が喜んでくれる楽しさややりがいを感じ、長く続けるためビザの取得を目指します。大学時代のアルバイトでキッチンスタッフの経験があったことから、飲食店で調理スタッフとして働くことを決意しました。
天職を見つける
初めはビザの取得という目的でしたが、お店に入って半年後、会社で寿司屋という新しい業態の立ち上げが決まりました。実は出刃包丁も魚も触ったことがない葛西さんでしたが、これは人生のチャンスかもしれないと感じ、寿司屋のスタッフにチャレンジすることに。
寿司職人としては慣れない事も多く大変でしたが、目の前のカウンターに座っているお客様に、葛西さんが握ったお寿司を食べて「美味しい」と笑顔になって下さった時に、「これが自分のやりたかったことだ」という確信を得られたそうです。
誰のために仕事をするのかを考えると、商社で働いていた頃には得られなかった「目の前のお客様に喜んでもらうこと」に強い手応えを感じ、それから飲食店で働くことに夢中になっていきます。
カナダ本店の立ち上げからコロナ禍まで
Kinka Family 公式サイト https://www.kinkafamily.com/
無事にビザも取得した頃、さらに新店舗の立ち上げが決まります。このお店こそが、カナダ本店の「JaBistro」でした。葛西さんはまたチャレンジを決意し、お店の立ち上げに関わり3年程働きます。
そこでたくさんの事を学び、ビザが切れて一度日本に帰ってきた葛西さん。実は、同じ時期に日本で「KINKA」の出店が決まります。そこでまた立ち上げに携わらないかという有り難い話をいただいたそう。葛西さんならチャレンジするかと思いきや、実はお断りをしたとのこと。日本で、しかも渋谷で飲食店を立ち上げるという一大プロジェクトにも関わらず、葛西さんは日本で飲食店を立ち上げた経験がなかったことから、別の魚居酒屋で勤務することを決意します。2年間お世話になり、修行のつもりで日々たくさんの事を吸収させてもらったという葛西さん。
そして2年後に、(株)KINKA FAMILY JAPANに戻ってきます。「KINKA」の渋谷店は好調で、次に六本木店もオープンし、3店舗目の三軒茶屋店もオープン、3店舗の統括をさせてもらっていたそうです。しかし、2019年にコロナ禍という世界的なパンデミックに陥ります。
飲食店の経営は危機的状況に突入し、どの飲食店も売り上げが0になり、スタッフは解雇されるという状況。どん底の中で、葛西さんは「自分には何ができるか?」を問い続けます。先の見えない不安が続く毎日でしたが、「食はなくならないし、飲食店は絶対になくならない」という確信があったそうです。
霧の中を進むように何をすべきか分からない状況でも、葛西さんは今まで培ってきたご自身の経験から、「絶対に飲食はなくならないはず。人が外食に出られるようになった時、『KINKA』が営業を続けていることに価値が出てくる。」という思いが湧き上がってきたそう。
「ここまでのどん底からさらに悪くなることは絶対にない。もう得るものしかない!」、という持ち前のポジティブシンキングで、「コロナ前の売上を超えていこう!」というワクワク感が増してきたという葛西さん。
飲食店の経営は未経験でしたが、コロナ禍で(株)KINKA FAMILY JAPANの代表に就任される事を決意しました。逆境に燃えてチャレンジするという葛西さんの特徴が現れたお話に、こちらも勇気づけられますね!
代表という立場は、初めは本当に大変だったけれど、毎日が勉強になったそうです。コロナ禍という時期を乗り越えて、今の(株)KINKA FAMILY JAPANがあると言います。
コロナ禍では、日々商品開発に取り組んできたそうです。会社の理念として、次の言葉を掲げています。
「BETTER THAN YESTERDAY:現在を過去よりも良くし、未来を現在よりも良くする」
世界的パンデミックでお店の営業ができない中で、何もせずに過ごすのではなく、もっとお客様により良いサービスを提供できるように、より良い商品を提供できるように、毎日を大切にしていけば良いのではないか、という思いで、日々商品開発に取り組んできたそうです。
そこで、モーニングとしてお寿司屋さんのサンドイッチという新しい商品を提供したり、ケータリングサービスも開始したり、農家と直接契約してべジタリアン向けの「ベジリシャス」という商品を開発するなど、従業員のみんなで知恵を出し合いながら取り組んできたことが、現在の「KINKA」を支えているそうです。
現在の状況
コロナ禍の商品開発で大切にしてきたことがあるそう。それは、食の原点に立ち帰り、生産者の方とコラボするという意識をもち、生産者の方が作ってくれたものを大切にしながら、それを生かす形で商品開発をするということ。京都の茶屋や、三浦半島の農家、有名店のコーヒー豆、茨城の和牛業者など、コロナ禍で直接契約した業者は、コロナ前の約3倍にもなるそうです。
産地直送の野菜がメインの寿司「べジリシャス」
元々は大きい卸売の会社と契約し、安定的に商品を提供してもらっていたのが、コロナ禍で、より専門的で生産者の思いを感じられるものに重きを置き、生産者の方の一つ一つの思いを大切に、グランドメニューを開発してきました。それにより、「KINKA」では価値あるものを提供できているという自負が生まれたそうです。
今後の展望
コロナ禍を乗り越えて、葛西さんの信念のとおり「食はなくならない」ということが証明されました。そして、インバウンドの増加により、海外からのお客様も「KINKA」に足を運ぶ中で、日本の食は世界中の方々に愛されていると日々実感しているそうです。世界各国から日本に訪れた方々に、和食の魅力を伝えていきたい、という思いで日々経営に励んでいます。
「KINKA」は、海外や日本での店舗展開も今後の視野に入れています。また、渋谷や六本木のお店で飲食店を経験したスタッフが、KINKA FAMILYの海外の店舗で働くこともあり、そうした意味で「KINKA」は海外志向のスタッフトレーニングを行う店舗にもなっています。スタッフの成長に伴って、短い期間で人材の入れ替わりがありますが、コロナ禍に試行錯誤しながら、先を見据えた商品開発を続けてきたおかげで、現在もブレのない価値ある商品を提供できています。「KINKA」の経営を自信を持って続けていきたいという思いがあるそうです。
「KINKA」というお店を色々な場所に開いて、たくさんの人に認知してもらい、また、海外で働くことに興味を持っている人が、海外に行くための準備ができる場所として、全力でサポートしていくことを考えているそうです。
スタッフの様子
渋谷店も六本木店でも、海外志向のスタッフが働いています。スタッフの半分くらいは海外に興味があり、また、海外から日本に戻ってきた人も多いそうです。みんなの視野や目線が海外志向で、海外で楽しく働いてきた人や、海外で楽しく働きたい、「KINKA」で楽しく働きたいという人が集まっているそう。そのため、みんなポジティブな雰囲気で働いています。
葛西さん自身も、28歳から海外で働き始めたため、スタッフの気持ちが良くわかると言います。それでも、焦って技術を磨くことばかりではなく、「楽しく働くこと」や「出会いを大切に」というメッセージを、スタッフの方々によく伝えているそうです。一緒に働いている仲間は、大切な人生の宝になると葛西さん自身の経験が教えてくれているからです。
求める人材
海外で働くことに向けて、パッションを持ってモチベーションを保ちながら楽しく働いている人が多く、価値観も似ている人が多いので、そういう部分に共感できる人はぜひ「KINKA」で働いて欲しいそうです。
飲食店で働くということは、日本でも海外でも「協調性」が大切になります。なぜなら、飲食店では、個人プレーではなくみんなで一つのお店の売上を上げていくことが求められるからです。みんなで楽しい雰囲気を作りながら、最高のサービスをお客様に提供できるチームでありたいと葛西さんは言います。そういう思いに共感してくれたり、パッションを持ちながら、熱い思いを仲間と共有できる人を求めているそうです。
KINKAで働くメリット
海外で働くことに興味がある人には、ぜひ「KINKA」で働いて欲しいそうです。海外で働いていた人や海外からのお客様、海外志向の人も多いので、自ら英語を話そうとすれば、英語力は身につけられると葛西さんは言います。また、「KINKA」ではスキルアップの環境を用意しているそうです。一般的なお店では、最初から魚やお寿司に触らせてもらえることは少ないですが、「KINKA」では、多少のリスクはあっても、スタッフのやりたいという意思を尊重したいと考えています。手を挙げた人が、チャレンジする機会をもらえる場所だそうです。
代表からのメッセージ
「お寿司を握る事をスキルとして身につけて、海外へ行くと、世界が変わります。『KINKA』は日本とカナダに店舗があり、あなたの人生を変えるチャンスがあります。もちろん、夢を追い続けることは簡単なことではなく、努力も必要ですが、『自分がどういう風に生きていきたいか?』を良く考えた時、あなたは『KINKA』に来る価値があり、『KINKA』は夢がある会社だと感じてくれると自負しています。例えあなたが何歳でも夢を捨てたり、夢を諦めないで欲しい。どこで働くにも大変なことはあるけれど、あなたがやりたいことをやるためには、『あなた自身が頑張れるか頑張れないか?』それに尽きます。自分に負けずに、パッションを持ってバイブスを上げて、ぜひ「KINKA」で一緒に働いて欲しいです。」と葛西さんは語ってくれました。
(株)KINKA FAMILY JAPAN 採用ページはこちら
URL:https://en-gage.net/kinka/
企業・店舗情報
■企業:(株)KINKA FAMILY JAPAN
■住所:東京都渋谷区宇田川町3-10いちごフィエスタ渋谷2階
■代表者:葛西尚希
■採用ページURL:https://en-gage.net/kinka/
■運営店舗
KINKA sushi bar izakaya 渋谷/KINKA sushi bar izakaya 六本木:
https://www.kinkasushibarizakaya.com/jp/information/
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