「行列のできるドーナツ」として人気を集めていたクリスピー・クリーム・ドーナツが、地方都市を中心として閉店しています。15年11月時点で全国に64店舗を展開していたが4月以降は17店舗減少して47店舗になる予定です。企業側としては、戦略的な撤退としており、今後も成長するためには一度事業拡大をストップさせることが必要だと考えたようです。
このことを踏まえて、今回は日本のドーナツ市場の変化を調査してみたいと思います。
日本で展開する主なドーナツチェーンは?
1.ミスタードナーツ
1955年にアメリカ合衆国・マサチューセッツ州ボストンで創業されたが、1990年にアメリカ合衆国の食品大手企業アライド・リヨンズ(en)に買収され、北米の店舗は一部を除き同社が同じく所有するダンキンドーナツに転換された。その後アライド・リヨンズはダンキンドーナツを含むレストラン部門ダンキン・ブランズを売却した。
今日の主要市場は日本であり、1,300店以上で運営されている。その他、台湾、韓国、フィリピン、エルサルバドル、タイ王国にも店舗展開している。(引用:ウィキペディア)
日本では1971年からダスキンが経営を開始、現在では日本最大のドーナツチェーンとなっている。マクドナルドやケンタッキーと並び、早い時期からファーストフード店として店舗展開をしている。商品としては、ドーナツはもちろんのこと、パイや飲茶なども提供している。最近では「クロワッサンドーナツ」「クリームブリュレドーナツ」「のびのびポンデリング」などの商品が注目されました。また期間限定で実施しているドーナツ100円セール(税込108円)も人気である。
その他、定番商品としては、「オールドファッション」「エンゼルフレンチ」「ポンデリング」などがあります。
私もドーナツといえば、「ミスド」に行くことがほとんどです。しかも、税抜100円セールはすごくうれしいですね。特に「ポンデリング(黒糖)」や「エンゼルフレンチ」などが好きですね。
ミスドの強みとしては、やはり、ネームバリューと安心感かなと思います。ドーナツといえば「ミスド」が定着しており、世代を問わず気軽に利用できます。また、商品開発にも積極的で、200円近い高単価商品も定期的に投入しているのもお客様を飽きさせないという意味で重要だと思います。私も「クロワッサンドーナツ」を食べた時おいしくて、はまってしまいました…
それぐらい、安心のおいしさを提供していると思います。
2.クリスピー・クリーム・ドーナツ
1937年にアメリカで創業したドーナツチェーン。日本では2006年にロッテが70%、リヴァンプが30%を共同で出資しクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社を設立した。2006年12月15日に、東京都渋谷区代々木の新宿サザンテラスにクリスピー・クリーム・ドーナツ1号店が開業。オープンデッキからドーナツ製造工程を見学できるのが特徴である。(引用:ウィキペディア)
クリスピー・クリーム・ドーナツの代表的な商品と言えば、1937年の創業時から提供されている、ふんわりとしたイーストドーナツの表面を砂糖でコーティングした「オリジナル・グレーズド」です。特徴としては、甘くてふわふわしたところに尽きます。温めることであつあつ、ふわふわがさらに楽しめるようですね。
オリジナル・グレーズドの他にも、オールドファッションやアイスドーナツなどもあるようです。個人的には抹茶オールドファッションが気になりますね。しかし、私自身クリスピー・クリーム・ドーナツを食べたのは1度か2度ほどしかありません。なので、正直なところあまり記憶がありません。印象としては、駅校内にコンパクトなお店が出店していて、親戚、友人宅訪問の際のお土産として購入されることが多いのではないでしょうか。1つ160円からということなので、ミスドと比較すると少し高めの設定ですね。
3.はらドーナツ
2008年5月、神戸市兵庫区に神戸本店をオープン。 本店近くのマルシン市場で50年近く営業している老舗豆腐店原とうふ店から豆乳・おからなどの主な素材を仕入れ、また国産の天然素材を厳選して使用し、プレーンドーナツ「はらドーナッツ」を始め、チョコ、丹波黒豆きなこ、季節のフルーツを使ったものや日替わりドーナツなど多種のドーナツを販売している。(引用:ウィキペディア)
はらドーナツの特徴はもちろんヘルシーな素材で作られたシンプルで安心なドーナツというところですね。見た目も派手さはあまりなく、味も甘すぎない、これまでのドーナツのイメージとは異なるTHEヘルシーおやつかと思います。定番ドーナツから少し特徴的な素材を使った商品、野菜ドーナツなどもあるようです。ドーナツボールというのも可愛らしくて子供のおやつにピッタリそうです。
個人的にはたまに食べたいと思うものの、やはり少しインパクトに欠けるのかなと思います。また、ブランドコンセプトも若い女性向きかと思います。私のような男性には少し手が出にくいドーナツですね。また、好みもあるかと思うので、子供、シニアなどを対象にしたお土産としても少し使いにくいかなという印象です。プライベートでゆったりとお茶をしながら食べるおやつに最適かと思います。
コンビニのドーナツ市場参入について
コンビニのコーヒーがヒットしてから間もなく、ドーナツのカウンター販売がスタートしました。正直商売が上手いですね。
コンビニのような小売業は
売上=客単価×客数
そして、
客単価=商品単価×買い上げ点数
になります。
つまり、コンビニでの客単価はある程度限界があるので、ポイントはいかに客数を増やすか、または、来店した客の客単価をいかに上げるかになります。
今や安くて便利で、美味しいコーヒーを求めて、コンビニに来店する客を増やし、ついでに相性が良いドーナツを提供して客単価をあげるシンプルな戦略ですね。このコーヒーをうまく活用してセブンイレブンでは1日の売上平均が70万円を超えているようです。すごいことですね。
そして、肝心のドーナツについてですが、
正直安くて美味しいですね。どのコンビニチェーンも税込100円から品揃えしています。しかし、よく見てみるとそれぞれのチェーンで特徴がわかれているようです。簡単に見てみましょう。
●セブンイレブン
→定番のホイップドーナツやオールドファッションが中心。しかし、地域限定の商品を提供するなどの特色を出している。
●ローソン
→ビスケットやシナモンロール、新商品のチャンクスコーンなどバリエーションが豊富。
●ファミマ
→税込100円前後の商品が中心。しかし、品揃えが少なめ。
以上のことからもセブンは王道のドーナツに特化して商品の質重視。ローソン、ファミマはバリエーションを揃えて勝負という形ですね。まあ、セブンは昔も今も世代を問わず、誰からも好まれる商品にこだわっていますから、当然ですね。今後も、各社新しい商品を開発してコーヒーとドーナツをうまく活用して客数、客単価向上の仕掛けをしてくるでしょう。店舗数も拡大しているので、既存のドーナツチェーンは苦しくなりそうですね。
今後のドーナツ市場はどう変化していくのか?
正直なところ、コンビニチェーンの参入は大きな変化だと思います。ドーナツ市場自体は拡大すると思いますが、それ以上にこれまでドーナツ店で買った客が近くて便利な「コンビニ」に流れる可能性は高まります。私も一人の客として、ドーナツを買う際の選択の仕方として、安くて美味しくて、どのドーナツを買ってもそんなに変わらないな、と思ったら近くのお店に買いに行きますね。
ということは、ドーナツ業界でもさらにブランドづくり、差別化が必要になってくると思います。既存のドーナツチェーンは特色のある商品開発や店舗展開をして新たな客を開拓していかないと売上は厳しくなるのではないでしょうか。また、今後も海外から新たなドーナツやスイーツ店が入ってくると考えると安心できる状況は全くありませんね。
今回クリスピー・クリーム・ドーナツが閉店に動いたのも、将来の事業展開を見据えた時、一度立ち止まって事業を見直さないとさらに状況が悪化すると考えたのでしょう。業界2位ではあるものの、商品の特徴、価格、店舗展開を見てもあまり強い競争力は見られないかなと私も思ってしまいます。
ほとんど食べたことない私が言うのもなんですが、是非、新たな強みを作りだし、ブランド強化してもらいたいと思います。私も今度食べてみますので…