売る商品やサービスがある程度決まってきた場合、誰に売るのかを考える必要があります。誰に売るのか?を決める上で重要になるがどの『軸』で分けるかになります。色々な条件を考慮する必要があります。その際に使用されるのが、STPという考え方です。
STPとは
- セグメンテーション(segmentation)→不特定多数の人々を同じニーズや性質を持つ固まりに分けること。市場細分化。
- ターゲティング( targeting)→自社の事業および製品が対象にする標的市場を選択すること
- ポジショニング(positioning)→市場における,競合製品に対しての自社製品の位置づけすること
セグメンテーションのポイント
セグメンテーションは不特定多数の人々を同じニーズや性質を持つ固まりに分けること(市場細分化)と言われます。まず、自社の商品・サービスを提供する市場の状況を分析し、どのようなカスタマーがターゲットになりうるのか検討する軸を考えています。例えば、「都市部に住む独身女性」、「東京郊外に住むファミリー」などです。この軸の設定については、特にルールはありません。自由に設定します。
ここでのポイントは、『わかりやすさ』と『測りやすさ』です。あまり詳細に軸を設定してしまうと、後で振り返ることが困難になります。マーケティングに関しては、PDCAで振り返り、より精度を高めていくことが重要なため、初期段階で詳細に軸をとることは必要ありません。「オシャレに関心がある20代女性」や「小さい子供のいる働くママ」など程度の軸で良いかと思います。
ターゲティングのポイント
マーケティングの世界では、ターゲティングを行う際に『6R』という考え方があります。ターゲティングの成功基準として「自社の届くところにそれなりに魅力的な市場があるかどうか」と言われます。それを判断するための6つの要素を確認する必要があります。
- 成長性(Rate of Growth)
- 規模(Realistic Scale)
- 競合(Rival)
- 顧客の優先順位・波及効果(Rank/Ripple Effect)
- 到達可能性(Reach)
- 反応(Response)
成長性・規模とはその名の通り、今後成長が見込める市場で儲けられる規模があるのかということです。競合もそのまま競合企業、または競合となる商品は何かです。優先順位とは顧客に覚えられるための順番でブランドの認知度、波及効果は商品が売れることで良い連鎖的な効果があるか、ということです。到達可能性は商品がターゲットに届くための販路があるのか。反応とはターゲットの反応を数値として測定できるのかということになります。以上の6つの要素を意識しながらターゲティングを行うと良いです。
ポジショニングのポイント
考慮すべきポイント
- ブランド戦略とブランド・マネジメント
- 自社戦略との整合性
- 市場との整合性
ポジショニング成功のための4つの質問
①誰のためにあるのか?
→相手にする顧客が明確に見えている
②これの何がいいのか?
→顧客にとって重要な提供価値が明確になっている
③わかりやすくなっているのか?
→明快なコミュニケーション・メッセージがある
④矛盾は生じていないか?
→既存製品や企業ブランドと整合性は取れている必要がある
以上の質問を最終確認しながらポジショニングをしていくと良いかと思います。
まとめ
今回はSTP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)についてご紹介していきました。ビジネスパーソンであれば、何気なく考えていることも多いと思います。しかし、このようなフレームワークを活用して、意識的に行うことでより精度の高いマーケティングが行えるようになります。ぜひ、現在扱っている自社商材について分析し、振り返ってみてはいかがでしょうか?