今回マーケティング・プランを作成する上で重要な要素の一部となる「3C分析」をご紹介します。この分析は「環境分析」と「市場機会」の特定を行うためのフレームワークになります。
3Cとは?
- 自社(Company)
- 顧客または市場(Customer)
- 競合(Competiter)
を指します。
簡単に説明すると、
自社(Company)とは、これまでどのようなことを行ってきて、どのようなことに強みがあるのか?ということ。
顧客または市場(Customer)とは、過去・現在・未来など市場の変化を踏まえて、今後どのような可能性があるのか?ということ。
競合(Competiter)とは、市場において競合となる企業はどこで、どのような特徴があるのか?を知るということ。
以上の視点から、自社のおかれているビジネス環境を把握するということになります。
では、もう少し詳しく確認していきたいと思います。
自社分析について
①自社の中長期的経営戦略、事業戦略の確認
今回検討している新規事業または新商品開発は自社の経営戦略に合っているのかどうか?
理想としては、本業との相乗効果が見込めるものであるとビジネスの成功可能性が高まるかと思います。早期の段階で利益を出すことも可能かもしれません。しかし、本業との関連性は薄くても、将来的にビジネスになりうると見込んで投資的な事業を行うことも戦略としてあり得るかと思います。いずれにせよ、自社の経営戦略にどのようなプラスを生み出すものなのかを総合的に判断する必要があります。
②自社の能力とヒト・モノ・カネの確認
これは「資金調達は可能か?」「事業を主導する人材はいるのか?」「事業に関するノウハウは十分なのか?」などを確認する必要があります。新規事業を立ち上げる際には必ず自社のリソースを把握する必要があります。
③収益性の確認
具体的にいつ頃黒字化するのか計画立てする必要があります。先ほど述べた②の要素を含め、自社の利益にすることが前提になります。
自社分析の5つのポイント
これまで3つの分析ポイントをご紹介してきましたが、より具体的に5つのポイントで確認しておきたいと思います。自社を知る上で大切な軸になるかと思います。
- 強み/弱みの把握
- 商品ポートフォリオ
- 既存商品と既存チャネルの確認
- 損益分岐点(P/L)
- 前提条件の妥当性の確認
顧客・市場分析について
一言で言うと「商品・サービスを提供する相手を知る」ということになります。
相手の欲しいものがわかっていれば、そこに置いておくだけで商品・サービスは勝手に売れるようになります。その仕組みを作ることが「マーケティング」ということになります。
顧客にどのような価値をもたらすのかを考慮する
どんなニーズがあって、お客様は商品を購入してくれるのか?どのようなところに価値を感じてくれて購入してくれたのか?をしっかり把握することで、商品やサービスが売れた理由がわかります。このことを「コンシューマー・バリュー」と言われます。
そして、この「コンシューマー・バリュー」は3つ要素に分けられるといわれます。
①エコノミック・バリュー
お客様にとっての商品やサービスの持つ経済的価値。お客様にとってこの商品やサービスはいくらの商品と同等なのか、そしてその価値を伝えられているのかが重要になってきます。
②エモーショナル・バリュー
「ブランド力」のことを指すことが多いです。同じ見た目の商品があった場合、一般的に知られているブランドの方が無意識のうちに選ばれる可能性が高いです。
③ファンクショナル・バリュー
「機能の価値」を指します。どのような商品でも機能は選ばれる重要な要素の1つになります。必ずしも優れた機能を持つ商品が選ばれるというわけではありませんが、購入を決める重要な要素になることはお分かりかと思います。
競合分析について
自社、市場、そして競合分析の実施も欠かせません。分析をする上でのポイントがありますのでご紹介します。
①既存の競合は誰か?
まず、シンプルに競合の現状を知る必要があります。特に競合の強み・弱みを把握しておくと良いです。
②将来的に競合になりうるプレイヤーはいるのか?
現市場では競合ではないが、事業多角化により新規参入し競合になる場合もあります。今で言うと、市場が厳しいアパレル業界にM&Aを通して新規参入してくる企業が見られます。また、飲食店とコンビニのように外食と中食で競合する場合も多く見られます。同じ業界の競合だけでなく、顧客のライフスタイルを見ていくと、わかる競合もいるので、競合という概念は決して忘れてはいけない重要な要素になるかと思います。
③自社に対する競合の反応は?
こちらは競合から見た自社の状況も把握する必要はあるかと思います。自社の出した新しい商品が模倣される場合など、自社の動きに対して競合がどのような行動を起こすのか知ることで、次の一手を打つことも可能になるかしれません。
競合分析のポイント
- 業界分析
- 競合プロファイリング
以上の2点に注目しながら、市場における「自社」と「競合」の立ち位置を常に把握して置くことが重要になります。
まとめ
3C分析はシンプルなフレームワークでありながら、もれなく分析できる優れたツールという印象です。自社のビジネスを整理するときや、プレゼンなどで相手に状況を伝えるシーンでも使いやすいかと思います。