この記事の読了は約6分です。
東京都内でも屈指の繁華街・新宿。なかでも新宿三丁目には、個性派のお店がそろう飲食店街があり、多くの人たちが数多く訪れます。
新宿三丁目駅から徒歩3分に位置するBISTRO CHURA(ビストロ ちゅら)。
ぜひ味わっていただきたいのは、ナチュラルワインと沖縄料理のマリアージュです。
2024年2月にオープンして間もないBISTRO CHURAが、新宿三丁目という激戦区で人気店になった道のりはどのようなものだったのでしょうか?
本稿では、オープンまでの経緯やお店のこだわり、向山かおりオーナーにお伺いした内容をまとめて紹介します。
オープンの経緯
コンセプトを考えていたときに、経営者仲間に提案されたのが、ナチュラルワインと沖縄料理のコラボレーションでした。
ナチュラルワインとは、製造過程や材料にまったく(または極力)人工的な保存料や防腐剤などを使わないワインのこと。
実は向山オーナーも今までナチュラルワインをほとんど知らなかったとおっしゃいます。詳しくは後述しますが、ワインといえば「二日酔いが気になる」などいいイメージがなかったそうです。
出店が決まってから良さを知ったという向山オーナー。すぐにメリットやおいしさを広めたいという気持ちが強くなったそうです。
「ワインは敷居が高くて気軽に飲みにくい」というイメージを覆すという課題をクリアしながらのオープンとなりました。
「BISTRO CHURAを通してナチュラルワインが多くの方々に伝わって嬉しい」と、向山オーナーはおっしゃいます。
一貫してナチュラルワインの想いを伝え続けたからこその結果ではないでしょうか。
オープンまでの苦労
2つの軸を発信することで苦労されたそうです。
1つ目の軸は、「ワイン=悪酔いしやすいというイメージを変える」というもの。
悪酔いの原因は添加物や解毒工程ですが、ワイン自体にマイナスなイメージが紐づいてしまいっています。
ナチュラルワインはこれらの原因をゼロ(もしくは極力ゼロ)にしたワイン。
向山オーナーも飲んだときのやさしい味わいに加えて、次の日に体調が悪くなっていないことに驚いたそうです。
2つ目の軸は、「敷居が高いというワインのイメージを変える」。
本来ワインはフランスやイタリアなどのヨーロッパでは、気軽に毎日ご飯と一緒に飲むもの。日本でいうならば、日本茶のような存在です。
向山オーナーは、ナチュラルワインを日本茶のように、毎日気兼ねなく飲んでほしいという想いを大切にしています。
しかし、ワインは20~30代を中心に「ハードルが高い」というイメージがあるのではないでしょうか?
反対に、このハードルが取っ払われれば、ワインに挑戦したいという人もいるはず。
世間的なワインのイメージに対し、向山オーナーは以下のようにおっしゃいます。
「ナチュラルワインは、ブドウ農家さんがその年の宝物として楽しく飲むもの。農家ごとに味が違ってもいいし、気軽にいろいろな料理に合わせて飲んでもいいし、自由で楽しい飲み物です。」
形式ばった概念をくつがえし、「気軽に楽しく飲んでいいんだよ」というメッセージを一貫して発信し続けたそうです。
いまでこそナチュラルワインの手軽さや飲みやすさを発信できるようになったと感じるものの、当初は地道な活動だったと語る向山オーナー。
ワイン初心者でも置いていかず、基本的なところから丁寧に伝えてくれた結果だと感じます。
コンセプト
BISTRO CHURAのコンセプトは、大きく2つにわけられます。
ナチュラルワインと沖縄料理のマリアージュ
マリアージュとは簡単にいえば、「この料理に合わせるとおいしい!」という感動です。
ワインは必ずどの料理にも合うというわけではありません。その分、ぴったりの料理と飲んだときにだけ起こる化学反応があります。
この化学反応と出会うおもしろさにハマると、毎日でもいろいろなワインを試したくなるという向山オーナー。
ただし、BISTRO CHURAはこのマリアージュに絶対の正解をつくりません。もちろんお店が研究を重ねて生み出したマリアージュはありますが、「どんな組み合わせで楽しんでもOK!」が根本にあります。
自分なりのマリアージュを見つけると、飲みの楽しみを広げられますね。
世代をつなぐナチュラルワイン
向山オーナーが運営している会社の理念は、「地球や人に配慮したものを」。
向山オーナーは、若い世代の人たちがポストコロナであまり飲食店へお酒を飲みにいかないことに着目しました。
「お酒に対するネガティブなイメージを変えられれば、20代が飲食店にお酒を飲みに行きたいと思えるかもしれない。」
実は、ワイン世代といわれているのは、SDGsや自然に関心が高いZ世代と呼ばれる20代だそうです。
たしかに、若い世代が「ナチュラルワインなら飲んでみたい」と思えれば、飲み会の印象が変わりそうですね。
もちろん、20代だけでなく30代以上の方々にもナチュラルワインを楽しんでいただきたいと語る向山オーナー。
上司が部下を気軽に誘うきっかけにもなる“世代をつなぐナチュラルワイン”は、幅広い年代の交流の場になるはずです。
お店のこだわり
お店には、料理・ドリンク・内観・接客などあらゆるところにこだわりが詰まっています。
料理のこだわり
沖縄の出汁文化を取り入れたメニューにこだわっています。
BISTRO CHURAでは創作料理として沖縄料理をフレンチにアレンジ。薄味で繊細な出汁がマイルドなナチュラルワインとマリアージュを起こすように、試行錯誤をされたそうです。
特製出汁をふんだんにつかった“秘傅だしの沖縄そば”。
沖縄そばに使用しているタレは、このメニューのためだけに、知り合いのラーメン店から伝授された特製です。
また、出汁だけでなく麺にも向山オーナーのこだわりが。
BISTRO CHURAでは食感やおいしさから生麺を使用しています。
東京で沖縄のモチモチした生麵を使用した沖縄そばを食べられる店はかなり希少だと、向山オーナーはおっしゃいます。
年齢・性別を問わず高い人気を誇る”黒糖と泡盛で煮込んだとろけるラフテー”。
平皿に載った形で、女性でも食べやすいサイズ・味付けにこだわっています。
一般的にラフテーは醤油ベースの味ですが、BISTRO CHURAでは黒糖・泡盛を使用。まろやかな味わいとトロトロ・ホロホロの食感を引き出すために、3日間かけてじっくりと仕込んだこだわりの逸品です。
そのほかにも、定番の沖縄料理とはひと味違うメニューも勢ぞろい。
タコライスやゴーヤチャンプルーはドレスのような美しい見た目で、女性でも気軽に頼めることを重視しています。
写真映えする沖縄料理としてもおすすめです。
ドリンクのこだわり
常時8種類、シーズン限定を含めると12種類ほどのグラスワインを用意。
組み合わせを研究したうえで仕入れているので、ぴったりのマリアージュを提案してもらえます。
もちろん、BISTRO CHURAは「絶対このペアでなければいけない」ということはありません。ご自身の好きなペアを探して楽しんでいただきたいという想いで、ラインナップは構成されています。
内観のこだわり
お一人や女性グループでも気兼ねなく入りやすい内観で、温かみや親しみやすさを感じられます。
店内の奥側にはソファ席もあり、大人数で落ち着いてゆったり飲みたいときにも利用しやすいです。たとえば会社の飲み会など、あらゆる世代が集まる機会にもぴったりです。
接客のこだわり
店長だけでなく全スタッフが同じ想いやビジョンを持っていると、向山オーナーはおっしゃいます。
しかし、“全スタッフとの理念や想いに対する温度差”はオーナーや店長によくある課題のひとつ。
なぜオーナーだけでなく全スタッフが同じ想いを共有し、同じ方向で進化できるのでしょうか?
強いチームワークの理由は、“スタッフそれぞれの人生のビジョン”。
向山オーナーの事業では経営者の育成を行っており、将来独立・起業したい人がご縁で集まっています。仲間入りしてからビジョンを共有するのではなく、あらかじめ同じビジョンをもつ人が集まっているのです。
その熱意の高さを証明するものが、お客様が想いを伝えられる“交流ノート”。
厳しい内容も覚悟していましたが、交流ノートの声は「料理がおいしかった」「接客が素晴らしかった」という嬉しいものばかり。
店長だけでなくスタッフ全員でお店を盛り上げるという空気が、お客様にも伝わっているのでしょう。
今後の展望
BISTRO CHURAは、新宿三丁目を代表するお店と呼ばれる基準である“年商1億円”を目指しています。
また、新宿全体の若返りにも貢献したいと語る向山オーナー。
そして、スタッフ一同で世界進出したいという話も出ているそうです。フランス店を作りたいなど、目標を大きく描いています。
スタッフ全員が自分自身の人生のビジョンを持つBISTRO CHURAだからこそ描ける目標ですね。
お店からのお知らせ
BISTRO CHURAは2024年2月にオープンし、もうすぐ1周年を迎えます。
2025年2月に1周年記念としてイベントを開催する予定です。詳細は追って連絡するので、公式ホームページやInstagramなどをご覧ください。
店舗情報
店名:BISTRO CHURA(ビストロちゅら)
住所:東京都新宿区新宿3-6-9 山口ビル 3F
電話番号:03-5925-8275
公式サイト:https://bistro-chura.jp/
食べログ:https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13293529/
Instagram:https://www.instagram.com/bistro_chura/
X:https://x.com/BISTROCHURA
こちらの記事も読まれています。
こちらの記事も読まれています。