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2024年12月、港区三田にオープンした「スタミナ食堂にっくい亭」。セルフ鉄板焼というユニークな形態で、自由なカスタマイズを楽しめるこのお店は、どのようにして誕生したのでしょうか?今回は、店舗作りを担当された加藤さんに開発アイディアや店舗立ち上げまでの秘話、スタミナ食堂にっくい亭のこだわりについてインタビュー。港区で早くも注目を集めるセルフ鉄板焼店ならではの、貴重なお話が満載です!
港区三田で注目!スタミナ食堂にっくい亭開発秘話

少人数運営から生まれた発想
店舗作りを担当した加藤さんは、昨今の人手不足や高齢化といった問題に対応できる業態を考たそうです。「1〜2人の少人数で効率的に運営できる業態」を模索したことが、スタミナ食堂にっくい亭の開発のきっかけとなりました。
セルフ鉄板焼という形に至るまでは、条件を満たしつつお客様の満足度も高いお店を求めて全国さまざまなお店をリサーチ。その中で加藤さんが注目したのは、岐阜県の「鶏(けい)ちゃん」や三重県の「鶏焼き肉」など、地域で親しまれる鉄板焼き文化でした。
ご当地の鉄板焼店は、味が美味しいことはもちろん、「お客様が自由に味をカスタマイズできる」ことも大きな特長。この気付きが、「セルフ鉄板焼」というスタイルを形にする土台となったそうです。
なぜセルフ鉄板焼なのか
一般的に、調理済の料理を提供する方が回転率が高いと考えられますが、なぜ「お客様自身で焼く」スタイルとなったのでしょうか?
その理由について、加藤さん曰く
「まず、狙いはお客様に『調理を楽しむ体験』を提供することです。それと同時に、経営面でも大きなメリットがあります。少人数のスタッフで運営でき、厨房で火を使う必要がないため、狭い店舗でも多くの席を作ることができます」
さらに、セルフ鉄板焼となった決め手として
「お客様が調理を始めてから食べるまでの時間は4〜5分程度で、あまり時間はかかりません。待ち時間やオペレーションを総合的に考えた結果、セルフ鉄板焼のほうが満足度の高い体験を提供できると判断しました」
とのことです。さらに、自分で作って楽しむというシンプルな業態だからこそ、徹底的な工夫と惜しみない投資を注いだのだそう。食材のカットや提供方法、さらには店舗設計に至るまで、細部にわたるこだわりが随所に感じられます。お客様が鉄板焼を最大限に美味しく、楽しく体験できるよう、どのような戦略が生まれたのでしょうか。
鉄板焼のこだわり

誰でも最高の仕上がりになる工夫
「スタミナ食堂にっくい亭」の最大の魅力は、お客様自身で焼き上げる体験型スタイルです。この楽しさを支えるのが、食材や調理工程の徹底的なこだわり。お客様によって調理のバラつきが出ず、誰でも最高の仕上がりを楽しむための工夫がなされています。
まず食材は、肉のスライス幅や野菜のサイズ、カットする繊維の方向まで細かく調整。ありとあらゆる切り方を試し、調理5分後にベストな状態で味わえるものを検証したそうです。また、焼いている間に蒸発する水分量を計算しながら、調理後にベストの味になるタレも比較検証。こうした試行錯誤を重ね、誰が焼いても最高に美味しい鉄板焼が完成するよう仕掛けられています。
全てオリジナルの5種のタレ
「食材はもちろんですが、タレの味には特に自信があります」と語る加藤さん。タレの開発には、特に力を入れたそうです。
スタミナ食堂にっくい亭のタレは全てオリジナルで、5種類を用意。旨味噌、にんにく醤油、にんにく塩、辛醤、スパイスカレーと、どれもパンチの効いた味わいが特徴です。
タレ作りには一切の妥協がなく、どこにでもある味付けにならないよう、独自の調合によるタレを何パターンも検証。頭の中でイメージする理想の味を実現するため、1つのタレには約10〜15種類の調味料を使用し、何度も試作を重ねたそうです。初期段階で手間を惜しまない検証を繰り返した結果、スタミナ食堂にっくい亭だけのオリジナルタレが完成しました。
細部に宿るこだわり
さらに、鉄板焼の肝となるタレや食材以外にも、一つ一つに細やかなこだわりが光ります。
鉄板は各社から10種類以上を取り寄せ、加熱効率や洗いやすさなどを徹底検証。それぞれの項目を比較したうえで、一番良いものを選んだのだそうです。
さらに、お客様が調理する間に冷めないよう、ご飯や味噌汁はフタ付きで提供。ご飯は無洗米を使用しつつ、鉄板焼に合うよう水分量を調整して炊き上げています。炊飯ジャーは4台以上を用意し、なるべく常に炊き立てとなるよう提供しているのだそう。
店舗設計についても、徹底的に作り込んだと語る加藤さん。たとえば、厨房機器や鉄板焼はスムーズに作業できるよう配置。さらに、スタッフが冷蔵庫まで何歩で行けるか?といった歩数も計測し、最短の動線を確保することで効率を追求したのだそうです。
こうした一つ一つの徹底的な工夫と比較検証、改善の積み重ねによって、最も効率的なオペレーションを確立。それと同時に、お客様に満足度の高い価値体験を提供することを実現しています。
イチオシは「旨味噌×うどん」

スタミナ食堂にっくい亭ならではのおすすめメニューが、鉄板焼に「旨味噌」タレを選び、「うどん」をトッピングする一品。他の鉄板焼店では、ソースや醤油ベースの味付けが主流な中、あえて「旨味噌」という味わいを提案しているのが特徴的です。そして、うどんトッピングは三重県亀山の有名なB級グルメから着想を得たもの。ご当地グルメの味をヒントにしながらも、スタミナ食堂にっくい亭独自のこだわりが盛り込まれています。
まず、お肉の種類や野菜の量を自分好みにカスタマイズし、目の前の鉄板でジュウジュウ焼くこと約5分。その間に広がる香ばしい匂いや音も楽しみながら、自分好みの焼き加減で作れる点もポイントです。
焼き上がった野菜と肉の旨味が凝縮された鉄板に、濃厚な旨味噌ダレが加わったところでご飯とともに楽しめます。ご飯と合わせてしっかり食事として楽しむのもよし、ビールのお供として軽く味わうのもおすすめです。
そして自分の好きなタイミングで投入するのが、主役級トッピング「うどん」。肉や野菜の旨味を吸った鉄板の中でモチモチのうどんが絶妙に絡み合い、ボリューム満点の仕上がりに!それだけでなく、計算された味のバランスで最後まで飽きさせません。リピーターが多い理由が分かる、一度食べるとやみつきになる大満足のひと品です。
セルフ鉄板焼店ならではの空間

「スタミナ食堂にっくい亭」の内観は、セルフ鉄板焼を最大限に楽しめる空間となっています。カウンター席は隣席との間にパーテーションが設けられ、自分だけの調理スペースでゆっくり楽しめることが魅力。木目調の清潔感ある座席で、どこか安心感も感じられる雰囲気となっています。家族連れから一人飲みまで、さまざまなシーンで利用しやすい点もポイントです。
今後の展望

「三田という土地柄、30代男性のサラリーマン向けに、パンチの効いた味やボリューム感のあるお店を目指しました」と、ターゲット設定の背景を明かす加藤さん。しかし、実際には女性客が全体の3〜4割を占め、鉄板焼とビールを楽しむ一人飲みの利用者も多いのだそうです。
こうした現状を踏まえ、加藤さんは「ターゲット層を意識しつつ、お客様のニーズに柔軟に対応していきたい」と話します。お客様の満足度を高めるため、「ご飯の大盛り無料や肉の増量なども検討中」と明かしてくれました。
現時点での目標は、三田店を繁盛店として確立すること。オペレーションは確立したので、今のクオリティを維持しながら新メニューを追加し、ブランド力を高めていきたいとのことです。
セルフ鉄板焼というユニークな業態で、自由なカスタマイズの楽しさを提供する「スタミナ食堂にっくい亭」。食材の工夫と独自のタレ、そして効率的な運営といった独自の要素が、セルフ鉄板焼を満足度の高いものにしています。今後の展開に要注目です!
店舗情報

店名:スタミナ食堂 にっくい亭
住所:〒108-0073 東京都港区三田3-1-13 石田ビル1F
電話番号:03-6809-3898
関連サイト:https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131402/13304090/
公式Instagram:https://www.instagram.com/niku_kuitei/
公式X:https://twitter.com/niku_kuitei
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