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2025年、パンの世界はますます多彩に広がりを見せています。健康志向に合わせた素材選び、どこか懐かしい味わいへの回帰、そして世界の発酵文化との出会い。パンは今、単なる“朝食”や“おやつ”の枠を超えて、新たな楽しみ方へと進化中です。本記事では、2025年のパン業界で注目されている最新トレンドをわかりやすくご紹介。業界のトレンドや、毎日のパン選びがちょっと楽しくなる、そんなヒントをお届けします!

最新の注目すべきキーワード

2025年のパン業界では、消費者ニーズやライフスタイルの変化を反映した新たなキーワードが浮上しています。時代の流れを的確にとらえた素材やコンセプトを押さえることが、競争力のあるパン作りへの第一歩です。
サステナブル素材の活用が本格化
環境への配慮が求められる現代において、サステナブルな素材を使ったパン作りはもはや一時的なブームではなく、スタンダードになりつつあります。国産小麦や無農薬栽培された素材、さらには廃棄されるはずだった食材を再利用するアップサイクル素材まであります。
特に注目されているのは、昆虫由来のたんぱく質や、オーツ麦、ライ麦などの穀物を活用した栄養価の高いパン。これらは健康志向ともマッチし、持続可能な未来への取り組みとしても支持を集めています。
また、バターや卵の使用量を抑えつつ美味しさを損なわないプラントベース素材の研究も進んでおり、動物性食材に頼らないパンのバリエーションも今後の鍵を握っています。都市部を中心に、環境意識の高い若者たちの間で「エシカルベーカリー」が注目されているのも特徴的な動きです。
ノスタルジック系パンの復活
昭和の香りを感じさせる素朴なパンが再評価されているのも、2025年の大きな流れ。昔ながらのクリームパンや揚げパン、コッペパンといった、子どものころを思い出させるような味わいが、今の大人たちの心をつかんでいます。見た目のレトロ感だけでなく、素材や製法にこだわり、現代の品質基準に合った“懐かしいけど新しい”パンが続々登場。SNSでは「#昭和レトロパン」「#昭和レトロパン屋」といったハッシュタグも人気を集めています。
さらに、レトロパンをテーマにしたイベントや、懐かしい学校給食風のパンランチを提供するカフェなど、ノスタルジーを軸にした新しい楽しみ方も広がりを見せています。
発酵 × グローバルな味覚
パンの本場・ヨーロッパだけでなく、アジアや中東など世界各地の発酵食文化が、パンの新たなインスピレーション源となっています。たとえば、韓国の甘辛発酵ペースト“コチュジャン”を使ったピリ辛惣菜パンや、ベトナムのバインミーをアレンジしたサンド。さらには、中東のザアタルスパイスを練り込んだ生地などがあります。異国情緒漂うフレーバーは、食の冒険心をくすぐり、若い世代からも注目されています。
イタリアのパネットーネやインドのナンなど、地域の文化や宗教背景を尊重したパンスタイルも再注目されており、「旅するように味わうパン体験」が新たなトレンドになりつつあります。さらに、発酵というテーマは、時間をかけてゆっくりと“育てる”楽しみとして、家庭用の手づくりキット需要にも広がりを見せています。
注目のパンメニュー・スタイル

毎年移り変わるパンのメニュー。2025年は、味・見た目・健康志向といった多角的な価値が融合したスタイルが増加中です。今注目のトレンドスタイルをチェックしましょう。
セイボリーパン
おかず系の“セイボリーパン”は、パンが主食として定着してきた今の時代にぴったり。ベーコンやチーズ、ハーブチキンなどを使った総菜パンは、忙しい朝やランチタイムに手軽に食べられる便利さが人気です。中でも注目は「和×洋」の組み合わせ。たとえば味噌マヨネーズとチーズ、きんぴらごぼう入りフォカッチャなど、日本らしさを取り入れたパンが支持を集めています。
パーソナライズ対応パン
グルテンフリー、ビーガン、低糖質など、体質やライフスタイルに合わせて選べる“パーソナライズ対応”のパンも広がりを見せています。健康志向が高まる中で、自分に合ったパンを選べる自由度は大きな魅力。近年はアレルギー対応のパンや、オートミール・米粉を使ったパンなど、選択肢の幅がぐんと広がっています。ECサイトでも、自分用にカスタマイズできるパンのサブスクが登場するなど、今後ますます注目の分野です。
冷凍・お取り寄せパン
自宅で手軽に“本格パン”を楽しみたいというニーズの高まりから、冷凍パンやお取り寄せパンの人気が継続しています。冷凍とは思えないほど風味や食感を保つ技術が進化し、有名ベーカリーの味をそのまま家庭で再現できるのが魅力。ギフト需要や、地方では手に入らないパンを試せる機会としても注目されています。
パンのお取り寄せ通販サイト「rebake」▶https://rebake.me/
ふんわり食感
“もちふわ”食感へのこだわりは依然として強く、特に若年層や女性層に根強い人気があります。湯種製法や高加水パン、バターの練り込み比率を工夫することで、口当たりのよさとしっとり感を両立したパンが続々と登場。さらに、焼きたての状態を再現するために家庭用の「トースト推奨温度」なども細かく記載するパンも増えています。より繊細な食感づくりが好まれる傾向です。
また、パンに使う水にもこだわる店舗が増加中。アルカリイオン水やミネラル豊富な天然水を使用することが多いです。焼き上がりのふんわり感がより際立ち、パンそのものの風味が豊かになると注目されています。
スチーム製法でしっとりもちもち「STEAM BREAD」▶https://steam-bread.com/shop
池田山の天然水を使用した「池田温泉パン たち川」▶https://www.tachikawapan.jp/
マーケティングのヒント

おいしいパンを作るだけでは、選ばれるお店にはなれません。集客力を高め、ファンを増やすためには、魅力の見せ方や話題作りも大切です。SNSで思わずシェアしたくなるようなフォトジェニックなパンや、季節限定のコラボ商品など、話題を呼ぶ仕掛けが増えています。
SNS映えするおしゃれパン
「クロフィン」や「マリトッツォ」など、見た目のインパクトがあるパンはSNSで拡散されやすいです。若い世代を中心に人気が高まっています。断面の美しさや、意外な組み合わせで驚きがあるメニューは「食べてみたい」と思わせる力を持っています。写真映えを意識した陳列や、撮影ブースの設置なども販促につながるポイントです。
動画映えする「切って楽しい」「割ってとろける」系のパンも人気に。ASMRのように“音”や“質感”も重視したプロモーションが、より多くの共感と拡散を呼ぶ傾向にあります。
北海道クロフィン専門店「発酵ミルクバター本舗」▶https://www.instagram.com/hakkomilkbutterhonpo/
イベント・コラボ企画の重要性
季節ごとのイベントや、地元食材とのコラボは、パンの新たな魅力を引き出すチャンス。たとえば「桃フェア」「いちごづくしフェア」といったテーマ性のある企画や、地元の農家と連携した商品開発があります。これらは、地域密着型のマーケティングとしても効果的です。また、異業種とのコラボ(たとえばカフェやアパレルブランド)も話題性があり、SNSやメディアでの露出を増やす手段となります。
地域のパン屋をめぐるスタンプラリーや「パンフェス」など、体験を伴う参加型企画も注目されています。実際にお店を訪れる動機を生み出し、ファンとの距離を縮める絶好のきっかけになるでしょう。
まとめ

- 2025年は「サステナブル」「ノスタルジー」「発酵×多国籍」がキーワード
- 商品だけでなく、販路やPR方法の工夫がより重要
- 変化に柔軟に対応する姿勢が、選ばれるパン屋の条件
パンは今、ただの主食やおやつではなく、暮らしを彩る楽しみのひとつになっています。2025年は、地球にも体にもやさしい素材や、どこか懐かしさを感じる味わい、そして世界の食文化を取り入れた新しいスタイルが次々に登場中。さらに、SNS映えや冷凍パンの進化など、おうちでも外でもパンの魅力を楽しむ方法が広がっています。
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