明治7年に誕生し、日本人に愛され続けてきた“酒種あんぱん”。
その元祖として知られる老舗ベーカリー「木村屋」が、2026年4月4日「あんぱんの日」を機に、大きな転換点を迎えます。
創業1869年、150年以上の歴史を持つ株式会社銀座木村家と株式会社木村屋總本店は、ブランドを「木村屋總本店」へ統一。銀座4丁目の「銀座木村家」は、新たに「木村屋總本店 銀座本店」として歩みを進めます。
そこにあるのは、“日本人に合うパンを作りたい”という創業時から変わらぬ想いと、日本独自のパン文化を未来へつなぐための決意です。
創業160周年を見据えた“原点回帰”

今回のブランド統合は、創業160周年を3年後に控える木村屋にとって、大きな節目となります。
これまで木村屋グループでは、銀座4丁目の本店を運営する「銀座木村家」と、直営店・ホールセール事業を展開する「木村屋總本店」という二つのブランドが存在していました。
しかし、お客様にとっては「違いがわかりにくい」という課題もあったといいます。
その中で木村屋が立ち返ったのは、
「お客様にとっての木村屋とは何か」という原点でした。

2年前、木村光伯氏が両社の代表を兼任する体制となり、ブランドの在り方を再検討。
その結果、“よりわかりやすく、一貫した価値を届けるため”にブランド統合を決断しました。
「木村屋總本店 銀座本店」が担う、伝統の象徴としての役割

4月4日より新名称となる「木村屋總本店 銀座本店」は、単なる旗艦店ではありません。ここは、木村屋の味の原点である「酒種(さかだね)」を守り続ける唯一無二の場所です。
木村屋の酒種あんぱんは、明治7年に「日本人に合うパンを」という想いから誕生しました。
米・麹・水から作られる伝統的な発酵種「酒種」を用い、今なお創業当時と変わらない製法で丁寧に作られています。
一般的なイースト発酵とは異なり、酒種は時間と手間を必要とします。
しかし、その分だけ生まれる香りや奥深い旨みは格別。口に運んだ瞬間、ふわりと広がる優しい発酵の香りと、しっとりとした生地の食感は、まさに“日本人のためのパン”と言える味わいです。
大量生産や効率化が求められる時代だからこそ、木村屋は“変えない価値”を守り続けています。
全国へ広がる“木村屋の味”

一方で、スーパーやコンビニエンスストア、直営店を通じて木村屋の味を届けるホールセール部門も、ブランド統合後の重要な役割を担います。
銀座本店という“源流”から生まれる伝統の味を、より多くの人へ、より身近に届けること。
これは単なる販路拡大ではなく、日本独自のパン文化を日常へ根付かせるための挑戦でもあります。
長年愛され続けてきた酒種あんぱんを、駅ナカやスーパーなど日常の延長線で楽しめる――。
その身近さこそが、木村屋が築いてきた価値のひとつです。
ロゴ刷新と“レンガ色”に込めた想い

ブランド統合に合わせ、ロゴやパッケージデザインも刷新されます。
新しいデザインは、伝統を継承しながらも、現代にふさわしい洗練された印象へアップデート。
パッケージには、木村屋の歴史を感じさせる“レンガ色”が採用されました。
クラシックでありながら、どこかモダン。
長い歴史を持つブランドだからこそできる、時代との向き合い方がそこに表れています。
店頭に並ぶ瞬間、その存在感だけで“木村屋らしさ”が伝わるデザインへと進化しています。
木村屋が守りたい「おもたせ文化」

今回の取材で特に印象的だったのが、木村屋が大切にしている「おもたせ文化」という言葉です。
“お土産として持参し、その場で開け、みんなで一緒に食べる。”
そこには単なる贈答品ではなく、人と人との会話や時間をつなぐ価値があります。
誰かが箱を開けた瞬間に漂うパンの香り。
「あ、木村屋だ」と笑顔が生まれる空気。
そして、ひと口食べた時に自然と始まる会話。
木村屋が作っているのは、パンだけではありません。
人が集まる時間や、思い出のきっかけそのものなのです。

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今後はこの“おもたせ文化”をさらに発展させるため、両ブランドの知見を活かしたギフト商品の共同開発も予定されています。
「日本のパン文化をもっと豊かに」

木村光伯社長は今回、木村屋の新たなパーパスとして、
「日本のパン文化をもっと豊かに」
という言葉を掲げました。
パン食文化が広がる現代においても、“日本人に合うパン”を追求し続ける姿勢は変わりません。
さらに近年では、若い世代や海外観光客からも、日本独自のパン文化への関心が高まっています。
あんぱんは、単なる菓子パンではなく、日本独自に発展した食文化の象徴。
その価値を次世代へどう継承していくのか――。
ブランド統合は、その未来に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
老舗だからこそ、進化を止めない
150年以上の歴史を持つ企業にとって、“変わる”ことは簡単ではありません。
しかし木村屋は、伝統を守るだけでなく、時代に合わせてアップデートする道を選びました。
変えてはいけないものを守りながら、変えるべき部分は大胆に変える。
その姿勢こそが、長く愛され続ける理由なのかもしれません。
銀座の街で育まれてきた酒種あんぱんの文化。
そして、人と人をつなぐ“おもたせ文化”。
「木村屋總本店」として新たなスタートを切る老舗の挑戦に、これからも注目していきたいところです。
会社概要
株式会社銀座木村家
所在地 :〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目5番地7号
代表者 :代表取締役社長 木村光伯
事業内容:各種パン類の製造・販売、レストランの経営
株式会社銀座木村家:https://www.ginzakimuraya.jp/
株式会社木村屋總本店
所在地 :〒135-0063 東京都江東区有明1丁目6番18号
代表者 :代表取締役社長 木村光伯
事業内容:各種パン、和菓子、洋菓子の製造および販売
株式会社木村屋總本店:https://www.kimuraya-sohonten.co.jp/


