2020年にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルスの感染拡大から1年が経過しました。
飲食店経営者にはそれまでに考えられなかった経営課題が山積みになったのではないでしょうか。
緊急事態宣言・飲食店への営業時間短縮要請に始まり営業を再開出来ても町に人が居ない、人の戻りが少ない等、従来の営業方法では経ちいかなくなる事態となりました。
この事態を重く受け止め2021年も引き続き政府・各自治体からは各種の補助金・支援金が発表されその動きが活発化してきています。
空気清浄機・アルコール・体温計・二酸化炭素測定器・アクリル板の設置等、個人事業主のオーナーが出費するには金額が大きく経営が苦しくなります。今一度、貴店が申請出来る補助金がないか見直して、自治体の時間短縮要請に関わる協力金と組み合わせて、お店・メニュー・サービスをブラッシュアップする為に補助金を上手に活用して頂きたいと思います。
事業再構築補助金
引用元:https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html
経済産業省から発表があった2021年の目玉とも言える補助金です。予算規模は1兆1,485億円ですので「ものづくり補助金」の約10倍で持続化給付金の後継制度と位置付けられています。
【対象者】
飲食業も対象になっており、コロナウイルスの感染拡大で売上が落ちた会社が対象です(※売上ダウンに関しては正確な規定が定められていますので後程貼るリンクからご確認ください。)
【申請方法・難易度】
仮定の話になりますが約15万社が申請した場合の採択率が約35%くらいではないかと予想されます。けっして簡単に採択を受けれる補助金ではありませんので難易度は高い言えます。
また忙しい営業の合間で申請も難しいので認定機関に依頼する事も視野に入れて動いた方が現実的です。
その場合は一般的な値段は着手金10万円+採択後に成功報酬の8%が相場になります。
【メリット・デメリット】
メリットは大きな設備投資等をお考えの経営者にはその一部を補助して貰えるので活用すべきだと思います。デメリットとしては補助率100%ではありませんので採択が下りた補助金の額が大きくなればその分自己負担額も大きくなりますので、その投資が本当に必要か今一度確認する事が大切です。
また申請には多くの時間が取られるのもデメリットと捉える必要があります。
【飲食店経営者向けの補足事項】
先程も書きましたが元々考えていた設備投資等には有効的な補助金ですが、時間を取られるというのが最大のデメリットです。
個人店のオーナー・法人オーナー自らが現場に立つ企業には少しハードルが高く感じられます。
一時支援金
こちらも経済産業省・中小企業庁より発表がありましたが。中小企業等で上限60万円・個人事業主で上限30万円と金額はさほどおおきくありませんが給付となりますので申請出来る資格のある方は申請される事をお勧めします。
期限が5月31日(月)迄と差し迫っていますので注意して下さい。
【対象者】
条件を満たす事業者は業種や所在地を問わず給付対象となり得ます。
【申請方法・難易度】
専用のサイトから登録・申請書類のダウンロードになります。オンラインの申請も受け付けている事や相談窓口もある事などから比較的に難易度は低いと言えます。
【メリット・デメリット】
デメリットはないように感じますので申請の資格がある方は申請しておいた方が良いでしょう。
【飲食店経営者向けの補足事項】
感染拡大防止協力金を申請した事業者は対象外となります。(詳しくは商工会議所にお問い合わせ下さい。)
対象が飲食業だけではありませんがので出入りの酒屋・八百屋等にも教えて頂きたい支援金です。
住宅確保給付金
厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要 (mhlw.go.jp)
こちらは厚生労働省による給付金になります。ころな以前からあるものですが新型コロナウイルスの感染拡大により条件が緩和されました。
【対象者】
飲食業だけではなく収入が減少し生活が困窮する方となっております。
【申請方法・難易度】
先ずは生活困窮者支援機関がありますのでそちらに相談をして頂き、支援機関から市・区へ書類が送付されます。その後市・区から賃貸業者へ代理納付として支援を受けられます。
【メリット・デメリット】
デメリットはないように見受けられますが支給条件の設定が厳しいものになっています。
【飲食店経営者向けの補足事項】
ご自身の収入と照らし合わせて住宅確保給付金を申請した場合には、国民政策金融公庫ではコロナ特別貸付枠がありますのでそちらの借入も検討した方が良いでしょう。
小規模事業者持続化補助金
持続化補助金とは | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
こちらは経済産業省・中小企業庁の取り組みになります。小規模事業者なので飲食店のみの補助金ではありませんがECサイトの構築やテイクアウト等をお考えの飲食店経営者には目を通して頂きたい補助金です。5次締切:令和3年6月4日(金)必着
【対象者】
販路開拓や生産性の向上に取り組む小規模事業者が対象です。
【申請方法・難易度】
経営計画書・補助事業計画書等を作成しなくてはならないので難易度は決して低くは有りません、これまで採択を受けた業者を見ると飲食店の採択率は比較的に高いようです。
【メリット・デメリット】
デメリットは時間を取られる事くらいですが、それらを差し引いてもメリットの方が大きいでしょう。
【飲食経営者向けの補足事項】
テイクアウト容器等も補助対象になります、またアクリル板等コロナ対策に関わる費用も対象になります。詳しくは商工会・商工会議所へご相談ください。
IT導入化補助金
IT導入補助金とは | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
こちらも経済産業省・中小企業庁で以前から実施されている補助事業です。
コロナを機にテイクアウトを始めたり、レジスターを非接触型に変えたい方等にはお勧めです。
【対象者】
中小企業・小規模事業者等が自社のニーズや課題にあったITツールの導入を補助してくれます。
【申請方法・難易度】
窓口へ相談して頂きたいのですが申請には認定の業者に依頼しなくてはいけません。最近は採択が難しくなってきていると言われていますが再構築補助金等と比べると難易度は高くはないでしょう。
【メリット・デメリット】
非接触決済等へのお切替えをお考えの方にはメリットの方が大きいです。
【飲食店経営者向けの補足事項】
従来のレジスターでは出来ない事がipad等を使った決済システムにする事で可能になります。長期的な視点から見ると決済システムの見直しは必然になるでしょう。
ものづくり補助金・創業支援等
他にも飲食店経営者が申請出来る補助金があります。ご自身の経営方針に沿った良い補助金があれば積極的に利用される事をお勧め致します。
【ものづくり補助金】
ものづくり補助金とは | 経済産業省 中小企業庁 (mirasapo-plus.go.jp)
革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善をお考えの経営者へ向けての補助金です。
【創業支援等】
これから創業・起業する方へも補助金があります、オープン時は費用を抑える為にも積極的に活用しましょう。
参照元:【2021年最新】起業&創業時に利用できる「起業支援金・助成金」一覧!|起業マガジン (islandbrain.co.jp)
補助金は積極的に活用しよう
補助金等の申請は事実手間がかかりますし100%採択が下りる保証も有りません。
しかしこのコロナ渦で自身のお店の経営戦略を見直しその為の投資を行うならば補助金・助成金等は有効的に作用します。
現状を打破していく為に、未来への投資の為に積極的に補助金を活用していきましょう。