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飲食店のマーケティングには主に、実店舗を中心としたもの(店頭ポスター・チラシ・メニュー)とWebを中心としたもの(ネット予約・顧客管理)があります。この記事では、主にWebマーケティングを中心に集客力を高めるために活用すべきツールをご紹介したいと思います。
Webマーケティングとは
インターネット上の様々な手法を活用することでオンライン上の集客に限らず実店舗への誘引など、オンライン・オフラインの両軸で集客に貢献するのがWebマーケティングです。競合が多い中、新型コロナウイルスにより来客数の低下など飲食業に与えた影響は大きいため、近年さらにWebマーケティングへの取り組みは必要不可欠となっています。
そもそもマーケティングとは?Webマーケティングとの違いは?
マーケティングの意味は広義ではありますが、端的に言うならば「商品やサービスが売れる仕組み作り」となります。飲食店の場合はチラシやスタンプカード配布などもマーケティング活動となります。チラシ配布など自店舗の認知を獲得する行為や、スタンプカードなどの特典配布による顧客との好意醸成など、認知と興味・関心の獲得から、来店・リピート(または購入や申し込み) してもらうまでの仕組み作りや活動のことをマーケティングといいます。売上、集客に直結するため経営に欠かせない要素となり、インターネットとスマートフォンが普及している現代ではインターネット上でマーケティング活動を行うWebマーケティングも必要不可欠となります。
Webマーケティングでは具体的にどんなことをするのか
自社通販サイトなどの専用Webサイトや、SNSでの情報発信、Google広告などのインターネット広告や、グルメサイトなどのWeb媒体、Googleマップの活用など、手法や媒体の選択肢は多岐にわたります。ターゲット層や自店舗と競合の強みや弱みなどの各分析を行い、自店舗に適した施策を講じる準備をした上で、オンライン上の様々な手法や媒体を活用します。
各媒体では掲載や登録だけでなく、都度コンテンツの更新と分析、改善のサイクルを継続的に行い(PDCA運用)、自店舗情報が多くのユーザーに届くよう媒体効果を最大化するための運用業務が必須となります。
また、実店舗POSデータや、様々なWeb媒体やシステムに蓄積されたデータの活用も可能となり、マーケティング戦略全体に貢献することができます。
飲食店の集客力を高めるために重要なポイント
飲食店の集客力を高める重要なポイントは、新規集客対策、リピーター対策が重要となります。それぞれの対策には分析を中心としたマーケティング手法を把握しておくことで、ターゲット層の明確化や、自店舗を知ってもらう→興味・関心を持ってもらう→来店→リピート→ファン化までのルートの設計に着手することができます。
新規集客とリピートどちらにも貢献するため、それぞれの対策の実行が可能になるようあらゆる手法や媒体を駆使するべく、マーケティング手法も把握する必要があります。
新規集客対策
グルメサイトへの掲載やSNSでの情報発信など、幅広く自店舗の存在を新規の顧客ターゲット層へ認知させる必要があります。まずは顧客ターゲットや自店舗と競合の調査など、現状把握と戦略策定、ターゲット設定に必要な情報収集と分析が必須になります。
また、店舗集客は地域も重要な要素のため、自店舗の地域の情報収集と分析も行い活用しましょう。
(自店舗地域の世帯数や地域柄や競合、年代層、性別ごとの人口など)
以下のような分析のマーケティング手法を実施することで、ターゲット層の明確化と、幅広く自店舗をターゲット層へ認知してもらえる新規集客対策の施策立案に繋がります。
まずは分析とリサーチを行い、自店舗や競合の強みや弱み、差別化ポイントなどを定量面・定性面で洗い出し、新規集客対策への戦略に反映させましょう。
3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の分析項目の頭文字3つのCをとった分析手法となります。
それぞれの具体的に分析する項目を下記にいくつか記載します。
【市場・顧客の分析】
- 市場の成長性
- 業界の市場規模
- 顧客ニーズ
- 顧客の消費行動・購買行動
【競合の分析】
- 競合の売上規模や推移
- 競合の想定される戦略方針やマーケティングの動向
- 各競合の特徴(特化している料理ジャンルや特設メニューなど)
- 競合の業界ポジション (この地域でこの料理といえばここだよね!のような、立ち位置の把握)
- 自社との比較の指標や基準、参考となる企業
【自社(自店舗)の分析】
- 自社の企業理念・ビジョンや今後の方針
- 自店舗の現状(売上、シェア、メニュー、戦略、など)
- 自店舗の強み、弱み、特徴
- 人材や資本力、厨房設備など店舗の現有リソースの強み、弱み、特徴
SWOT分析
SWOT分析(スウォット分析)とは、自社の内部環境と外部環境を、強み、弱み、機会、脅威、の観点から分析します。それぞれの分析する項目と例を下記にいくつか記載します。
【内部環境】
強み:自社や自店舗に好影響を与える内部環境の要素
例:通り沿いの店舗で立地がいい、産地直送で料理の材料が新鮮、など
弱み:自社や自店舗に悪影響を及ぼす内部環境の要素
例:自店舗の認知が低い、メニュー表の料金が高い、など
【外部環境】
機会:自社や自店舗に好影響を与える外部環境の要素
例:自店舗エリア内で競合が少ない、競合より材料の品質が高い、など
脅威:自社や自店舗に悪影響を及ぼす外部環境の要素
例:自店舗の近辺で競合がした、コロナ禍の影響で来客数の減少、など
リピーター対策
リピーター対策では、新規・既存問わず顧客のファン化を促進する施策や、ユーザーからの口コミの拡散などが重要な要素となります。
具体的には、
- ポイントカードで再来店の促進や、特典のプレゼントなど
- SNSのDMや反応を促す投稿によるユーザーとのコミュニケーション
- イベントやキャンペーンの実施
- 自店舗公式SNSフォローによるクーポンや割引
- SNSで口コミ投稿をユーザーに促すようなコンテンツ投稿
などが挙げられます。
また、SNSやGoogleマップ、グルメサイトなどの口コミを活用することが重要となります。インターネット上の口コミは拡散しやすく、ネットで得た口コミから、オフライン上でも話題になり拡散にも繋がります。
新規集客に活用すべきツール
新規集客に活用すべきツールは多岐にわたり、その中でも必要不可欠であるツールのご紹介をします。各ツールや媒体にはそれぞれ特長や役割があり、各チャネル(集客の媒体・経路)の立ち位置を明確化し、ターゲット層に合わせた施策を講じることで新規集客力の向上に繋がります。
Googleビジネスプロフィール
Googleマップに店舗情報を掲載し、都度店舗情報の更新や最適化などを行うことで新規集客に貢献するツールとなります。ユーザーからマップ上で検索された際に上位表示を狙う取り組みや、店舗の基本情報はもちろん、口コミや投稿機能などを活用することができ、新規集客とブランディング効果にも貢献するツールとなります。
グルメサイト
飲食事業者であれば活用を欠かせない媒体となります。グルメサイトは多くの種類が存在し、それぞれ特徴や費用形態をふまえ、自店舗にあったグルメサイトの選定と、費用対効果を意識したグルメサイトの運用が必要となります。主なグルメサイトとしては、食べログ、ホットペッパー、楽天ぐるなび、Retty、一休などが挙げられます。
SNS
近年、SNSを活用したマーケティングは飲食業界はもちろん、企業の規模感に問わず多岐にわたる業界の企業が取り組んでおり、欠かせないツールとなります。日頃よりSNSを見るユーザーは多く、各種SNSのアクティブユーザー数の多さや、情報検索の用途でSNSを使うユーザーが多いためです。SNSで継続的に情報発信や運用を行っていくことで蓄積されたデータの活用や、投稿などが残るためストック型のメディアとしても活用ができます。集客などの目的に限らず、ファン化までの効果に寄与します。飲食店で活用されている主なSNSはInstagram、X、TikTok、YouTubeなどがあります。
公式サイト
公式サイトの有無は信用力に関わり、また企業の公式情報のサイトに限らずLP (PRに特化しており、申し込み等の窓口も担うサイト)や、オウンドメディア (自社のメディアサイト) や通販サイトなど、様々な活用を見越したサイトなど、Webマーケティングのベースとして各種サイトは必須となります。Googleビジネスプロフィールビジネスプロフィール、グルメサイト、SNSなど組み合わせて、店舗のブランディングを行うために必要なツールとなります。
リピーター対策に活用すべきツール
リピーター対策では顧客管理と、顧客データを活かした関係構築が重要となります。飲食業特化のツールを提供している「TORETA」や「TableCheck」が提供している予約管理システムの活用や、SNSやメルマガ、LINE公式アカウントからユーザーへ情報発信など、既存ユーザーへのコミュニケーションや店舗PRによりCRM(顧客関係管理)やユーザーのデータを活用した施策などに貢献します。
予約管理システム
予約管理システムは予約にまつわる対応や管理を一元管理できるシステムになります。予約までの流れをスムーズにインターネット上で完結するため、ユーザーにとっては予約までのハードルが低くなり、離脱率の抑制にも繋がります。また、付随する機能とシステムに蓄積されたデータ活用により、リピーター対策への施策立案や、それぞれのユーザーに適した施策を講じることが可能となります。主な予約管理システムの例として、TableCheck、TORETA、ebicaなどが挙げられます。
DM(メルマガ配信)
ダイレクトにテキストを主体としたアプローチを仕掛けるDMでは、メルマガ配信も現代では有効となります。LINEなどのコミュニケーションSNSが普及していますが、それでもメールは現代でもビジネスシーンはもちろんサービスなどの登録でプライベートでの利用者もまだ多く、多くの人に情報を届けることが可能となります。また、メールの開封率など分析と改善を繰り返し運用 (PDCA運用) で最適化をすることでリピーター獲得に大いに貢献します、
LINE公式アカウント
企業のLINE公式アカウントでは、LINEの国内のアクティブユーザー数が約9,500万人となり(2024年4月時点)、特に店舗事業との親和性は高く、店舗限定クーポンなどの来店を促す特典配布や、定期配信によりユーザーの好意度を促進し、ファン化にも寄与する欠かせないツールとなります。また、顧客関係管理(CRM)の観点で大いに貢献します。
まとめ
- 常に新規集客が可能になる環境・仕組み作りが重要
- 来店されたことのあるお客様に思い出してもらう環境・仕組み作りが重要
- 新規集客とリピーター対策は両軸で回すことが重要
以上、飲食店集客におけるWebマーケティングの概要をご紹介させて頂きました。
現代では、ユーザーが様々な情報を元に、店舗の選択を行なっています。実店舗のマーケティングからWebのマーケティングまで、多岐にわたる媒体を計画を持って活用、実行し、継続できる仕組みを作ることが重要です。その地道な積み重ねが、お客様との信頼関係に繋がり、ブランドとなり、安定的な集客を実現します。
是非この記事をご覧頂き、自店舖の「マーケティング」を強化する機会になって頂ければ幸いでございます。
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