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【時代はウィズコロナへ!】今後の飲食店に求められるインバウンド対応とは?

この記事の読了は約3分です。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外国人の入国制限がなされていましたが、最近のニュースでは「外国人観光客の受け入れ再開」が表明される等、ウィズコロナへの出口戦略が模索されています。またイベントの自粛要請なども徐々に緩和されインバウンド再開への期待が高まりつつあります。

インバウンドとは?

観光業界で耳にする機会が多い「インバウンド」という言葉。まずはその意味と使い方を正しく理解しましょう。

インバウンド(Inbound)とは、「in」の「入る」と「bound」の「〜行き」から、直訳では「入ってくる」という意味合いになります。これを観光業界では「海外から日本へ観光しにくる」という意味を持たせて使っているのです。インバウンド◯◯というかたちで言葉を後に付けることが多く、よく使われる用語としては以下のようなものがあります。

  • インバウンド消費…日本での外国人観光客の消費活動
  • インバウンド需要…外国人観光客に需要のある日本の物事
  • インバウンド対策…外国人観光客の満足度を高め消費を促す対策

どれも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

観光と飲食の結びつきは強く、飲食店にとってもインバウンドは集客の見込めるフィールドです。日本に訪れた外国人観光客の心を掴むべく、今回はインバウンドについて掘り下げて考えていきましょう。

インバウンド回復はいつ?

2019年は約3188万人だった訪日外国人観光客の数は、2020年約411万人、2021年約24万人まで減少しました。絶望的な数値にも見えますが、今年に入って訪日客数は徐々に前年比を上回ってきています。

岸田総理大臣は外国人観光客の受け入れを再開すること(添乗員付きのパッケージツアーのみ等の条件付き)を正式に表明しました。苦汁を飲まされながらも耐えてきた観光業界にようやく見えた一筋の光です。「インバウンド回復はこの日だ」と一概に言うことは出来ませんが、長かったコロナ禍の出口へ向かっていることは確かです。

東京五輪や2025年開催予定の大阪・関西万博を足掛かりに、世界の日本への関心は高まっています。

先日、世界経済フォーラム(世界の政治経済のリーダーたちによる世界情勢の改善を目的とした国際機関)が発表した観光魅力度ランキングにおいて、日本が初めて1位に選ばれました。2位はアメリカ、3位はスペイン。日本は駅や交通標識の多国語表記や鉄道の充実、犯罪発生率の低さ等が高く評価されています。さらに、Tokyo2020開催時の世界へ向けた広告宣伝が功を奏し、JNTO(日本政府観光局)が海外メディア・海外居住者を対象に実施したアンケート結果によると回答者の44.2%が東京五輪を通じ日本への興味が強まったと回答。各国で新型コロナウイルスの感染予防対策が実施される中で開催された東京五輪は、競技やセレモニーの視聴率とともに外国人の訪日意欲を高めた結果となっています。

また、旅の新しいスタイルとして親族知人訪問(VFR)が注目されています。友人や知人を訪ねる旅行のことで、日本ではあまり馴染みがありませんが、イギリスやオーストラリアでは旅行目的の約3割を占めています。滞在期間が長くリピートが多いことから個人消費単価が高く、インバウンド市場において非常に重要な位置にあります。外国人居住者の多い地域では既に具体的な施策を打ち出している自治体もあります。需要が安定しておりアフターコロナでは個人旅行が選ばれやすい傾向にあるため、観光やビジネスよりも人の戻りが早いと予測されています。

既に諸外国では徐々に規制が緩和され、人々は海外旅行の計画を立て始めています。隔離期間やワクチン接種証明・陰性証明提示等の入国条件が国によって異なることで、条件の少ない国は旅行先に選ばれやすくなります。現状日本への旅行のハードルは決して低くなく、インバウンドの経済効果をコロナ禍以前と同じところまで回復させるには、まだまだ時間を要することが容易に想像できます。しかし、暗闇で何も見えなかった時代から、少しずつ前進していることもまた明らかです。東京五輪で高まった訪日意欲が大阪・関西万博と相乗効果をもたらし、外国人が旅行先として日本を選ぶことは充分に期待できます。

インバウンド再開に向けて飲食店で必要な準備

アフターコロナで実際に外国人観光客がお店に訪れた際、接客に困ることがないよう事前準備はしっかりしておきましょう。

基本の対応は国内のお客様と同じですが、言葉や習慣によって変化が必要な項目をまとめました。

メニューの表記(英語・写真・アレルゲン・宗教)

英語のメニューは必ず用意するようにしましょう。日本語と英語を併記しても良いですが、見た目がごちゃごちゃしてしまうようだったら英語だけのメニューを用意するのも得策です。外の看板や貼り紙もお店のウリをアピールしている内容は英語表記が必須です。

文字だけでなく、出来れば写真やイラスト付きのメニューがあると親切です。写真やイラストは万国共通で内容がわかりやすく、文字での説明も最小限で済みます。アレルギー食材はとても重要なので、明記するようにしましょう。また、宗教上の理由を持っている人も多いため、全食材を網羅するのは困難ですが肉類だけでも使っている種類を表記するとわかりやすくなります。テーブルや店内の目につきやすい位置に「食べられない食材がありましたらお申し付けください」という案内を置くとお客様も声をかけやすいです。お客様から聞かれた際には回答できるようにしておくことも大切です。

英語が話せるスタッフの雇用

来店時・注文・会計・退店時…言葉を交わす機会は多く、日本語とジェスチャーだけでは限界があるので、英語が話せるスタッフが居ると対応がかなりスムーズになります。質問された時に答えられるくらいの英語力がマストです。言葉が通じないストレスから解放され、お客様も喜んでくれます。

金額表記はアラビア数字で

メニューや看板には必ず金額を表記するようにしましょう。

金額が書いていないと、外国人観光客の多くは自国の感覚で判断してしまいます。無用なトラブルを避けるためにも、金額は大きくわかりやすくメニューに書くようにしましょう。漢数字は読めない場合があるので、アラビア数字を使うようにしてください。

メニュー内容の充実(ベジタリアン・ヴィーガン)

日本でも増えつつありますが、海外ではさらに強くベジタリアン・ヴィーガン思考が進んでいます。

専門店も多くありますが、自店のメニューにもいくつか加えると滞在期間中のリピートに繋がるかもしれません。しかし、厳密にベジタリアン・ヴィーガンを貫くとかなり食材が限定されるため、料理が難しくなる問題もあります。既存メニューとの矛盾を避けなければ信念を伝えることもできないので、取り扱う場合は注意が必要です。

wifi環境の整備

出先でのインターネット接続は欠かせません。とくに外国人観光客の多くは情報収集のため頻繁にインターネットを使います。

ストレスなくお店を利用してもらえることに加え、滞在時間の延長にもつながります。SNS投稿もしてもらいやすくなり、集客アップが期待できます。お店の強みにもなるので、ぜひ環境を整えて看板やHPでもアピールしましょう。

決済方法の選択

キャッシュレスが主流となりつつある昨今、多様な決済方法がお店を利用するかどうかの重要な判断材料となります。日本円の実物を持っていないお客様も多くいます。クレジットカード・電子マネー等できるだけ幅広く決済可能なシステムを取り入れておきましょう。利用可能な決済方法は看板や窓等に明記して店の外からも確認できるようにしておくとベストです。

感染対策の明記

新型コロナウイルスの脅威は永続的に存在しています。

お店で実施している感染対策は入り口等目立つところに掲示して清潔感を伝えましょう。日本語だけでなく英語も併記するのが望ましいです。イラスト表記があると感覚的にわかりやすくなります。

trip advisor(トリップアドバイザー)

トリップアドバイザーは、外国人観光客の多くが利用している旅行口コミサイトです。登録は無料でできます。口コミへ返信できるほか、アクセス解析等、集客を目指す飲食店にとって有益な機能が利用できます。日本ではまだあまりメジャーではないですが、国内の利用者も多くいます。国外・内のお客様を呼び込むツールとしてぜひ掲載しておきたいです。

まとめ

ワクチン接種が各国で進み渡航制限の緩和がされていく中、少しずつインバウンドの経済効果にも回復の兆しが見えてきました。

いざ外国人観光客が日本に戻ったとき、なにが出来るか・なにをするかが今後のインバウンド市場の成長の鍵を握っています。もとより、おもてなしは日本人の文化です。誰よりも私たち日本人が誇りをもって日本の良さを伝えていく、その信念があれば、以前のように活気のある街並みを見れる日は必ず来ます。

「hibana」では、今後も飲食業界のトレンドに注目していき、情報を発信していきますので、宜しくお願い致します。

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