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【飲食店経営者向け】飲食店のきれいなたたみ方(閉店方法のまとめ)

「今まで運営してきたお店を閉めなければならない・・」

様々な苦労を経てオープンにしたお店も、いつか閉めなくならければならない日がくるでしょう。特に昨今ではコロナ禍で以前ほど大きな集客が見込めなくなった店舗が増え「いっそのことお店を閉めてしまった方が出費が少なく済む・・」とお考えの方もいらっしゃると思います。そんな時のために、飲食店をスムーズに閉める方法について、行政で必要な手続き等も含めて解説します。

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飲食店の代表的な閉店方法4つ

お店を閉店するとひと口に言ってもその方法は様々です。場合によってはお店を閉店せず事業だけ他人に譲渡するといった方法もあります。そういった「事業譲渡」を専門に扱ったサービスもありますので、上記を含めここでは代表的な閉店・撤退方法を4つご紹介します。

店舗売却

お店を入居時の状態に戻して、次の借主に売却する方法です。お店の内装設備や厨房機器等を回収し、店舗をきれいに(入居前の状態)して解約の届け出を行う必要があります。通常は、最初に店舗を借りる際の契約書に記載の通り、6ヶ月前に解約の届出が必要になりますが、契約書をしっかり読み自店の場合いつまでに申請すればいいのか確認しましょう。※自身の土地内で商売やられてる方に対してはこの限りではありません。

また、居抜きで売ることのメリットもあります。居抜きの売却は主に店舗の売主(オーナーなど)の許可があれば可能になります。うまく売却できれば金銭的なメリットもでるでしょう。

居抜きで店舗売却する場合、2通りの方法があります。直接知り合いや紹介等で売却先を探す方法と新たに探す方法です。直接やりとりできる知り合いがいないといった場合は専門業者に仲介してもらうのが賢明でしょう。

居抜きで売るためのステップ

  1. 居抜きで売れるかどうか、契約書等の確認
  2. 専門業者に相談
  3. 貸主の承諾を得る
  4. 現地調査、査定
  5. 居抜きの購入希望者を募集
  6. 売却条件の交渉
  7. 造作譲渡契約の締結
  8. 物件の引き渡し

参考:https://www.inuki-info.com/knowledge/closeContent/detail/25

事業譲渡

お店の形態はそのままに「事業」としてそのまま他人に「譲渡」する方法です。無償で譲渡する場合もありますが、ここではなるべく有償で譲渡する方法を解説します。事業譲渡のメリットは、お店の設備等を変えなくても良い場合が多いということです。あくまで買い手との交渉で話が進められるので、事業の一部分だけ譲渡するということも可能です。

事業譲渡する具体的ステップ

  1. 譲渡先を見つける
  2. 譲渡先候補から「意向表明書」を取得する
  3. 基本合意書の締結
  4. デューデリジェンス実施
  5. 契約締結
  6. 引き継ぎを行う

廃業する場合は、撤退費用等がかかってしまいますが、事業譲渡の場合はその費用を最低限に抑えられます。場合によっては利益を得られることもあります。最大限メリットを得られるように専門家に頼ってみるのも良いでしょう。その際には自店の事業価値を最大限高く伝えられるように注意が必要です。

業態転換

お店を売ってしまうことを踏みとどまり、業態転換をして活路を見出す方法です。これが意外に地域や属性のニーズと合致し、利益をあげる可能性があります。なかなか簡単にできることではありませんが再チャレンジできる余力がある方は試してみても良いでしょう。

業態転換の方法

1. 目的性のある業態に変える

 喫茶店、手作りパンとダルコナコーヒーのお店 等

2. 昼と夜で業態を変える

 昼は街のカレー屋さん、夜はスバイス料理とちょい飲みのお店 等

業態転換する際の注意点

1. 場合によっては店名変更する必要がある

 様々な諸経がかかってしまうこともあり、失敗したら大きなリスクになる可能性がある

2. あらかじめエリアにどんな需要があるのか調べてから行う

3. 特徴のあるお店づくりを意識する

4. 顧客ターゲットを明確にする

業務委託

業務委託とは飲食店を運営を外部業者や他人に任せるという方法です。業務委託を引き受けてくれる専門業社もあります。委託できるものは主に下記の4つです。

  1. 店舗運営全体を委託
  2. 店長を派遣
  3. 料理長を派遣
  4. 店舗スタッフを派遣

場所だけ提供し、運営は他人にやってもらうという方法です。別記事にもまとめておりますが、最近流行の営業形態でもあるので、一度チェックしてみるのをおすすめします。お店の場所がよく元々集客力があった場合は、業務委託でも人気が出る場合もあるでしょう。

<新たな飲食店の運営方法、業務委託方法について紹介記事>

お店を高く売るポイント

1. 設備の点検をする

売る前にお店の設備を整えておきましょう。お店を売る際は設備の状況も含めて査定にかけられるため、整えておくことで高く売却できる可能性が高まります。

しかし、そのものの所有権が管理会社や大家にある場合は売却できないので、しっかりと確認しましょう。

2. 店内の清掃をする

お店の内外装を含めて清掃をすることで査定の際の印象がよくなります。事業譲渡する場合などでも有効で、買取希望者にとって良い印象を与えられるでしょう。また売り手自身の印象も重要なので、立ち合い等がある場合は身だしなみにも気を遣っておきましょう。

3. リース品の確認をする

店舗を売却する際はリース品の整理をしましょう。リース品がある場合、残高と契約満了期間の確認が必要です。連帯保証人などの問題など起きやすいので、自分で完結できるようにしましょう。リース品に関しては最後に清掃し、きちんと返却しきることが重要です。

閉業を決意したら?《ステップ別に解説》

1. 貸主への解約通知

およそ6ヶ月前に通知が必要なので、閉業を決意したらまずはじめに貸主に申告を行いましょう。その際にしっかりと契約書を確認し、適正な対処を行えるようにしておくべきです。また契約時に貸主に預けた保証金が返ってくる可能性があります。余程トラブルがない限り基本的には全額返ってきますので、管理会社や貸主に一度確認してみましょう。

2. 仕入れ先や各種業者への連絡

食材や備品の仕入れ先にもあらかじめ連絡しておきましょう。電気ガス水道の解約も必要です。各業者により解約届出日が異なります、遅くとも1ヶ月前には申請を行えるようにしましょう。

3. スタッフへの解雇通知

スタッフへの解雇通知は最低でも30日前までに行うのがベターです。これが30日未満になってしまった場合は「解雇予告手当て」というのも支払わなければなりません。

4. お客様へ連絡

バタバタしていて忘れがちなのが、普段お店に来しているお客様への閉店通知です。今まできてもらった感謝の気持ちを込めて、店頭の張り紙、ホームページやSNS等を活用し感謝の言葉を伝えましょう。

5. 厨房機器や家具などの処分

店舗を手放したあとは、内装設備や厨房機器等の処分を検討しなければなりません。場合によっては各機器専門のリサイクルショップ等もあるので、そちらへの売却も検討してみましょう。廃棄費用を抑えることができます。またこの際に誤って、リース品を売却したりしないよう注意しましょう。

各行政機関での手続きについて

保健所

「廃業届」の提出

基本は廃業日から10日以内の提出が求められています。窓口記入のほか、郵送対応も受け付けているところもあります。

「飲食店営業許可証」の返納

廃業届を提出する際に、開業時にもらった「飲食店営業許可証」を返納しなければなりません。無くしてしまった場合などは再交付などの手続きが必要です。

警察署

「深夜酒類提供飲食店営業の廃止届」の提出

深夜0時以降にお酒を出す居酒屋やバーなどの場合、開業時に「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を提出しています。閉店する際には、廃業日から10日以内に提出しなければなりません。

「風俗営業許可証」の返納

スナックなどで風俗営業許可を得て営業している場合は「風俗営業許可証」を返納します。該当している業種であるにもかかわらずこれらの手続きを怠った場合は、風営法に基づき30万円以下の罰金が科されることがあるためしっかりと確認しましょう。

税務署

「個人事業の廃業届」の提出

閉店後に個人事業主としての収入がなくなる場合に提出が必要になります。

「給与支払事務所等の廃止届出書」の提出

スタッフを雇って給与を支払っていた場合や家族に青色事業専従者として働いてもらっていた場合などに提出が必要です。

「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出

所得税を青色申告していた場合に提出が必要。

「消費税の事業廃止届」の提出

消費税を納税する事業者(下記に当てはまる人)だった場合に提出が必要

・前々年の課税売上高が1,000万円を超える人 

・特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ同期間の給与等支払額が1,000万円を超える人

・消費税の課税事業者選択届を提出している人

さいごに

情勢によりやむを終えなくお店を閉めなければならなくなったという方もいらっしゃるでしょう。そういった方を対象に「お店のきれいなたたみ方(どのような手続きがあるのか)」を解説しました。

飲食店の閉店は「終わり」ではありません。次の事業へのチャレンジやこれからの人生プランを考えるスタート地点とし、この記事を参考にしていただけると幸いです。

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